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最後なんて言わせるもんか

「これが最後の鍋か〜」
「一緒に寝るのも今日が最後だね」
「最後だから、写真でも撮っとく?」

ねぇ、お願いだから。
最後なんて言葉、君からは聞きたくなかった。
二度と言うな!!!怒るよ??

北の国から九州へ移り住み、長いようで、
あっという間だった大学生活が終了した。

アパートの湯船からは無料の温泉が出て、
ゼミや部活終わりは無人の貸切温泉に浸かって、
夜中まで鍋をして、朝日が昇るまで語り合って、

確かに、そういう特別な日常は幕を閉じた。

だけどさ。
私達の関係まで、終わるわけじゃないよね?
またすぐに、フラッと帰るつもりなのに。
最後最後って、うるさいなぁ、まったくもう。

これからも続くだろうって夢を見ているのは、
きっと明日もケラケラと笑い合う気がするのは、
この先もずっと仲良しでいるつもりなのは、
もしかして、私だけなのかなって。

悲しくなっちゃうじゃん。
終わりなんて、勝手に決めつけないでよ。

最後なんて言葉から、私は必死に抵抗する。
最後なんて思ってないから、絶対に泣かないし、
悲しい気持ちなんて、微塵もないんだから。

この最後呪縛から、みんなを解放してあげる。

次に会った時は、また今日みたいに、
ギュッと手を繋いで、肩を組んで、円陣して、
温泉に浸かって、鍋をして、遊んで、勉強して、
最後から1番遠いところで、笑っていようね。

約束だよ。

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