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半島には、高台と海、緑と街に人びと。
アイデンティティすら 簡単に狂わせる恋心 好きなひとは言う 気高くあれ、と ああ、そうだった わたしはキミのそういうところが 好きなんだ 目の前にある命を注意深く見…
男性ブランコのコントライブ 「嗚呼、けろけろ」in 国立科学博物館 — 助手による冒険の記録 — 幸運にも会場で観ることが叶って、上野公園に広がるイチョウの絨毯をパリ…
人生を動かすのにはある程度の時間がかかる。前を向いて未来を描き、よいしょよいしょと地盤を固めてようやく基盤ができたぞ、というところで今度は組み立て用の素材や道具…
吐き出すことなく溜め込んでいた怒りが頂点に達した。するとすぐに、人が数人乗れるだけの小さな船の船長が「出航です」と静かに合図する。煮えたぎった怒りは船を動かす燃…
久しぶりにNetflixを開いたら 不思議な気持ちが襲ってきた 隔たれた時間なんて無かったかのような日常に ふと驚きを感じて懐かしくなったのだ コロナ禍、世界中の人がそう…
人間ではない 女なのだと知った幼き少女 笑みを捨て 世を睨み 毎日黒い服を着た 憚る欲に狂ったシステムは 永遠みたいな顔して笑ってる 気がついているのでしょう もう…
職場の同僚が「僕のことそんな目で見ないで下さいよう…」と情けない声で言うので、その思いがけない言葉に「え・・?」と驚くと同時に、申し訳なさと、うっすら焦燥感が湧…
そもそも生まれてきたこと自体を申し訳なく思っていたし、みんなのように上手に生きることができなくて劣等感ばかりだったから、挫折するようなトライもせずにぬるりと生き…
20代のころ海外に一年ちょっと住んで、日本へ帰国してから少し間を置いて5年間ほどを東京のシェアハウスで暮らした。同じように海外で過ごした経緯を持つ女性が多く集まっ…
複雑な日常をできるだけシンプルに過ごしたくて、毎日モノクロの服を着る。選択しなければいけないことばかりの日々。豊かさを受け取るスペースをなるべく多く残しておきた…
存在そのものに宿るいのちとの対話 軒先に咲く花や街路樹 夜の星空 創造や表現 相手が信じている世界と 自分の信じる世界 一方方向の視点では お互いの世界をうまく共有で…
衣服を纏う、掃除をする、 コーヒーを淹れる、お辞儀をする、 ドアを閉める 日常のひとつひとつを丁寧に行う 静かな集中 日常の所作の淡々とした美しさは 見えないもの…
赤レンガ倉庫、大桟橋から山下公園を抜けて元町まで、時間をかけて歩いた。はっきりとしているような、ぼうっとしているような曖昧な意識で、夢と夜の狭間を彷徨っているみ…
喧騒、日常が戻ってきた嬉しさにはしゃぐ人びと、終わらない土曜の夜、ネオンに照らされた渋谷の街で。飲食店の店員だろうか、大きなゴミ袋を抱えて出てきた男が、酔って気…
出会ってしまった、男性ブランコに。 わたしはお笑いに詳しくないけれど、でもこれだけはわかる、男性ブランコに落ちた多くの人たちが通ってきたであろう「あぁ、出会って…
東京の真ん中で何者でもない私はひとり、砂漠の砂に足を取られるような生活をしていた。足掻いても足掻いても一向に景色の変わらない渇いた砂漠を、空っぽの心と身体で。 …
2024年2月11日 23:30
アイデンティティすら簡単に狂わせる恋心好きなひとは言う気高くあれ、とああ、そうだったわたしはキミのそういうところが好きなんだ目の前にある命を注意深く見つめて敬意を払うそういうところがいつも元に戻る居場所でいてくれて魂の尊厳を守ってくれてありがとうありがとう、ありがとう
2024年1月14日 02:33
男性ブランコのコントライブ「嗚呼、けろけろ」in 国立科学博物館— 助手による冒険の記録 —幸運にも会場で観ることが叶って、上野公園に広がるイチョウの絨毯をパリパリと踏みしめつつ、今日これから何が起こるんだろう?とどきどきしながら閉館している科博へ向かった。空飛ぶ大きな鯨にいってきますー!と挨拶をして通用口をくぐると、入口で青色のリストバンドが手渡される。白衣を着たネコ研究員さん(イリオモ
2023年12月30日 20:01
人生を動かすのにはある程度の時間がかかる。前を向いて未来を描き、よいしょよいしょと地盤を固めてようやく基盤ができたぞ、というところで今度は組み立て用の素材や道具集めが始まる。私はこんなに大人になってから土台をひっくり返して基礎工事を始めたものだから、地層が幾重にも重なり固まってしまっていて、その地層が出来上がるまでと同じくらいのうんざりするような年月を使って新たな人生を築こうとしている。生きるのが
2023年11月23日 22:56
吐き出すことなく溜め込んでいた怒りが頂点に達した。するとすぐに、人が数人乗れるだけの小さな船の船長が「出航です」と静かに合図する。煮えたぎった怒りは船を動かす燃料となる。長いこと海底に下ろしていた碇はあっさりと外されて、さっと次の航海へ出た。小さな船はメンテナンスが行き届いていて、いつだって旅立つことができる。怒りを原料とする燃料の補給はまあまあしんどい。目的地により燃料が異なる仕様のエンジン
2023年11月21日 00:22
久しぶりにNetflixを開いたら不思議な気持ちが襲ってきた隔たれた時間なんて無かったかのような日常にふと驚きを感じて懐かしくなったのだコロナ禍、世界中の人がそうしていたように朝までずぅっと海外ドラマを観ていたこれまで見逃してた豊かさを取り戻すみたいにアメリカのドラマを見過ぎて夜な夜なオーブンを温めていそいそとマフィンを焼いたりして旅に出られなくても作品を様々見る度に物
2023年11月18日 13:31
人間ではない女なのだと知った幼き少女笑みを捨て世を睨み毎日黒い服を着た憚る欲に狂ったシステムは永遠みたいな顔して笑ってる気がついているのでしょうもうとっくに制御不能のファンタジー踊らされてる憐れな君たちよ愛なんてないと信じてたいのね大人になった少女も言う君も愛をみせていいこと知ってたら知ってたら、世界は
2023年9月19日 08:05
職場の同僚が「僕のことそんな目で見ないで下さいよう…」と情けない声で言うので、その思いがけない言葉に「え・・?」と驚くと同時に、申し訳なさと、うっすら焦燥感が湧いた。仕事中、これどうやるんだっけ?みたいな何ということのない会話をしていた時のこと。彼はデスクのパソコンへ向かい、こちらはその横で立ったまま話しをしていたから、私の視線が「そんな目」として映ったのは、見下ろすような構図だったこともあるかも
2023年9月9日 23:08
そもそも生まれてきたこと自体を申し訳なく思っていたし、みんなのように上手に生きることができなくて劣等感ばかりだったから、挫折するようなトライもせずにぬるりと生きていたのだ。だから挫折なんて知らなかった。そうやって中途半端に生きていたことが神の逆鱗に触れたのかもしれない。当たり障りのない様にひっそりと生きながらえていると、挫折は私のところにもやってきた。やってきた、というより気がついたら地獄での
2023年7月17日 23:11
20代のころ海外に一年ちょっと住んで、日本へ帰国してから少し間を置いて5年間ほどを東京のシェアハウスで暮らした。同じように海外で過ごした経緯を持つ女性が多く集まった、大きな家で。外国の方が家族やナニーと住むために建てたという家をリノベーションしたそのシェアハウスは、天井が高く光も風も良く入り、広々としたダイニングがあって、当時たくさんの来客へ振る舞う食事を準備していたであろうキッチンは、大きく
2023年6月5日 00:22
複雑な日常をできるだけシンプルに過ごしたくて、毎日モノクロの服を着る。選択しなければいけないことばかりの日々。豊かさを受け取るスペースをなるべく多く残しておきたい、わたしなりの生きる工夫だ。選択のゆとりが出てくると、見えなくなっていた好きが明らかになってくる。選択”しなくてはいけない”ことをなるべく減らして、好きの分量を増やしていく。休みの日には静かな気持ちで着物を纏う。ゆっくり時間をかけ
2023年6月3日 20:50
存在そのものに宿るいのちとの対話軒先に咲く花や街路樹夜の星空創造や表現相手が信じている世界と自分の信じる世界一方方向の視点ではお互いの世界をうまく共有できなくてヒトとの対話は複雑で時に不自由だ言葉、音楽、おとぎ話切磋琢磨して伝え合う目に見えるものだけで話しをすることは宇宙に放たれてるみたいに孤独で光も音も空気もないように感じるお互いの視点の共有を諦めないその姿勢
2023年5月28日 23:16
衣服を纏う、掃除をする、コーヒーを淹れる、お辞儀をする、ドアを閉める日常のひとつひとつを丁寧に行う静かな集中日常の所作の淡々とした美しさは見えないものと地続きで人間としての生命をこの宇宙へ還元し循環させているように思うどう在るべきかと思考する矛盾などなく全体の一部となって全体と一致している個々であるような私たちのお互いの作用身体を動かすときの力の加減や声のト
2023年5月15日 00:07
赤レンガ倉庫、大桟橋から山下公園を抜けて元町まで、時間をかけて歩いた。はっきりとしているような、ぼうっとしているような曖昧な意識で、夢と夜の狭間を彷徨っているみたいに。男性ブランコのコントライブ「やってみたいことがあるのだけれど」を観劇した帰り道。大きな客船が寄港する港に歴史ある洋館、久しぶりに歩くと改めて、雰囲気があって好きだなぁと思う生まれ育った横浜の街並み。慣れ親しんだ夜景の中を
2023年5月1日 12:51
喧騒、日常が戻ってきた嬉しさにはしゃぐ人びと、終わらない土曜の夜、ネオンに照らされた渋谷の街で。飲食店の店員だろうか、大きなゴミ袋を抱えて出てきた男が、酔って気の大きくなっている人々とタクシーの行き交うまあまあ大きな通りに、ガッチャーン!という派手な音を立てて、何の躊躇いもなく手に持ったそのゴミ袋の中身をぶち撒けた。終電を逃したくなくて足早に歩いていた友人と私は、あんぐりと口を開けた。それでも
2023年2月11日 16:38
出会ってしまった、男性ブランコに。わたしはお笑いに詳しくないけれど、でもこれだけはわかる、男性ブランコに落ちた多くの人たちが通ってきたであろう「あぁ、出会ってしまった。」と思うこの気持ち。「出会ってしまった」のと「初めての出会い」はちょっとことなる。初めての出会いは季節を少し遡って、いつかの夏の寄席だと思う。むせ返るような灼熱の太陽の下、自転車で劇場に行っては寄席を観ていた。日常の
2023年1月22日 17:51
東京の真ん中で何者でもない私はひとり、砂漠の砂に足を取られるような生活をしていた。足掻いても足掻いても一向に景色の変わらない渇いた砂漠を、空っぽの心と身体で。ある冬の夜、富ヶ谷から新宿方面へ山手通りを歩きながら、ふと立ち並ぶマンションに目が行った。一つ一つの窓から光が溢れるいつもの風景。でもその日はなぜか、一部屋ごとにある、人びとの暮らしに思いが向かった。交差点を過ぎ山手通りから左手に路地を入