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日々雑感

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あれから10年

あれから10年

10年前の3月11日14時46分、わたしは長男と自転車で市内を走っていた。
4日後に予定されていた長男が高校の卒業式で着るスーツを買うためだった。外にいたせいか、さほど大きな揺れを感じなかった。
その後も揺れは頻発し、町中に人があふれ出し、スマホで情報を収集していた店員が青ざめて「今日は帰れないかもしれない」と言い始めた。
でも脳天気なわたしは、「息子のスーツを買う」とことしか考えていなかった。揺

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郵便局から見えてきた社会

昨日今日と郵便局に行っては、ムカついている。
「今回は目をつむるけど次回から気をつけて」といった、「大目に見る社会」が消えてしまったことに気づいた出来事だった。

昨日、台湾に送るカレンダーの発送準備をした。プチプチ封筒に入れて家のキッチンスケールで測ったら800gを少し超えた(800gを超えると900g料金が適用される)ので、中の緩衝材を減らして797gにして、郵便局へ持って行った。

郵便局の

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わたしの家計簿遍歴

わたしの家計簿遍歴

結婚したときからかれこれ30年以上家計簿をつけている。こう言うと、「スゴイね-」と反応される。でもわたしの場合、家計簿をつけること=しっかりお金の管理をしているということではない。なぜなら、毎日の出費は記録しても、集計したことがないから。家計簿をつけているのに収支を把握していないという、恥ずかしい実態が隠されている。わたしにとって家計簿は、単なる「毎日の出費記録」。ちっともスゴイことじゃありません

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香港が香港じゃなくなる

香港が香港じゃなくなる

一昨日、香港安全維持法が施行された。一国二制度が50年間保証されていたはずの香港は、23年間でその約束を反故にされ、香港の民主化は法の下に押さえつけれた。

初めて香港に行ったのは、1983年。新卒で就職した会社が発行する旅行雑誌の取材だった。転職した次の会社でも、旅行ガイドブックの編集に携わっていたので、20代のころ仕事とプライベートで4回ほど香港を訪れた。
通りにせり出した看板、八角や胡麻油の

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こんなときだからこそ。【誠意を示そう】

こんなときだからこそ。【誠意を示そう】

そこそこ長く生きてきた。人生思うようにはいかない、は、これまでの経験から承知済みだったはずなのに。。。
医療の研究も技術も進歩した現代に、人知で太刀打ちできない新型のウイルスが出現して猛威をふるい、世界中をあたふたさせ、多くの人を死に至らしめているという事実。

追い討ちをかけるように、無理やり作り上げた「美しいニッポン」に亀裂が生じ、嘘で固めた隠蔽工作が出現。こちらも嵐が吹き荒れ先行きが見えない

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報道から【やまゆり園事件】

報道から【やまゆり園事件】

やまゆり園事件の被告に死刑判決が下された。
当然だと思うが、何かひっかかる。
「浅い裁判だった」とコメントがあったように、この事件は、凶悪犯の死刑で終わりにできるものではない。

2016年7月に起きた、障害者施設での非道きわまりない事件。犯人がその施設で働いていた元職員の若者だったことも衝撃的だった。「優生思想」という言葉が取り上げられ、ナチス・ドイツと関連づけられた。
意思疎通ができない人、生

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こんなときだからこそ。【ジョギング】

こんなときだからこそ。【ジョギング】

久しぶりにジョギングを再開した。
コロナウィルスの情報収集で、家にいても気持ちがザワザワして落ち着かない。こんなときはからだを動かすことで、怒りや不安を発散したほうがいいと思い、、、

夕方のジョギングを始めたのは、2002年のこと。雑誌の仕事でスイス行きが決まり、若いスタッフについて行けるように体力増強を図ろうと思ってのことだった。

自己投資も事前準備もなしで始められるのが、ジョギングのメリ

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こんなときだからこそ。【マスクを作る】

こんなときだからこそ。【マスクを作る】

新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。
PCR検査の保険適用で感染者数はますます増えるのだろう。
緊急事態宣言が発令される可能性も現実味を帯びてきた。

日本中がぴりぴりしている。
電車でマスクをせずに咳をしようものなら、非難の目が一斉に飛んでくる。感染ルートの調査は犯人捜しのようでもあり、感染して「悪者」にならないように、みんなびくびくしている。

感染したくないし、感染源にもなりたくな

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「住まいである地球」を考える

「住まいである地球」を考える

10月も末になってようやくお天気が戻ってきた。
本来なら行楽やスポーツに最適とされる月だけど、今年は度重なる台風の襲来で、自然の脅威と気候変動の深刻さ、そして偏った報道を実感することに。

徐々に明らかになる台風被害のニュースを見ながら、川沿いの低地にあるわが家も他人事ではないなぁ、対策をしておかなきゃと思うと同時に、地球に何が起きているのだろう、と不安を感じ始めた。

異常気象は年々顕著に。

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昨夜見た夢

昨夜見た夢

ときどき、リアルな夢を見る。
リアルというのは、現実に即しているということではなく、色彩があったり、触った時の感触や匂いを感じたり、外国語を話していたり、、、という具合。
昨日は、初めて二重夢(?)を見た。

夢の中でわたしは夢を見ていて、空港でパスポートを忘れたことに気づいてパニックになった。すぐに夢だと気づいて安堵し、今度の旅行ではパスポートを忘れないようにしなくちゃ、と夢の中で自分を戒め、

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すべてのことは自分が原因を持っている

すべてのことは自分が原因を持っている

「死に向かっていく動揺が絶対にあったはずです。でもそれを制御していた。自分の中で求めすぎない。今わずかでもできることに感謝する。その気持ちを忘れそうになった時は自分に言い聞かせる。そういう日々の循環だったのではないかと思います」
内田也哉子が、昨年9月に亡くなった母・樹木希林との日々を回想し、インタビューに応えていた。
「すべてのことは自分が原因を持っている」。これが母の口癖でした。そう思えば、相

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おばさん考

おばさん考

大学生のとき、同級生が出産をした。彼女の子どもと会話ができるようになったとき、20代のわたしは、わたしのことを「せーこちゃん」と名前で呼ぶように諭した(けっして「おばさん」とは呼ばないように)。

友人の子どもたちは30代になり、わたしは50代になったけれど、わたしに躾けられた彼らは今もわたしとの約束を守り続けている。

おばさん (おばちゃん含む)だけでなく、「お母さん」という呼ばれ方にも何

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