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すべてのことは自分が原因を持っている

「死に向かっていく動揺が絶対にあったはずです。でもそれを制御していた。自分の中で求めすぎない。今わずかでもできることに感謝する。その気持ちを忘れそうになった時は自分に言い聞かせる。そういう日々の循環だったのではないかと思います」
内田也哉子が、昨年9月に亡くなった母・樹木希林との日々を回想し、インタビューに応えていた。
「すべてのことは自分が原因を持っている」。これが母の口癖でした。そう思えば、相手のせいにすることができなくなる。でも、そこから悲嘆するのではなく、常にできることを考えて進む人でした。絶望したり、悲嘆したりする母を見たことがありません」

すべてのことは自分が原因を持っている。
スゴイ言葉だなあ。
多くの人は、原因を外に求めたがる。そのほうが、自分が苦しまなくて済むから。
自分のなかに原因を探そうとすると、自分を責めることになる。何もかも嫌になり、負のスパイラルに陥ることもある。保身のために、相手を責める。

自分に起こる事象で、相手が100%悪いというケースはほぼない。ちょっと冷静になれば、自分にも原因があることに思い当たる。
が、わたしも悪いけどあなたも悪い、社会も悪い、こうなったのはわたしだけのせいじゃない、となるのが凡人。

しかし樹木希林は違う。原因は100%自分にあり誰かのせいにしない、というスタンスだ。これはスゴイこと。

テレビでしか拝見したことはないけど、飄々としたなかに、芯の強さが感じられた。
病を受け入れ、自分の人生の始末をきっちりつけたその人は、苦難を乗り越えるたび、根を伸ばしてきた大木のようにも見えた。上に伸びるのではなく、しっかり根をはり、ちょっとやそっとじゃ揺らがない。憧れの生き方。。。

樹木希林のように、死期が近づいてますます魅力的になる女性は、そんなにいないと思う。

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