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いろいろ色(短編小説集)

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色をテーマにした短編小説、集めました。
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#シリアス

誠実な黒ユリ(短編小説)

誠実な黒ユリ(短編小説)

白いユリの花、マドンナリリーは"純潔"の象徴。
それはあなたに対する私の想いにピッタリだった。

いつかあなたに贈った白いユリの花。
私の名前にちなんだその花を渡して、私だと思って大事にしてね。なんて少し痛々しかったかもしれない。

花のプレゼントって普通は逆だろ。あなたは照れ笑いながらも嬉しそうに受け取ってくれた。
やはりマドンナリリーに比べるとまだまだ不完全なのだろう私は、花瓶を用意していなか

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白い箱の中で(短編小説)

白い箱の中で(短編小説)

 目を覚ましたとき、俺は無機質な白い天井を仰いでいた。
 いや、天井どころではない。意識がはっきりとしてきて辺りを見渡してみれば、上下左右全てが白い壁で覆われていた。

 床も壁も天井も全て正方形。一体何なんだここは。どうして俺は、ここに。

 それは突然だった。
 状況がまだ整理できていないというのに、壁の一辺がゴゴゴと音を立て始めた。壁が迫り上がっていく。

 それは恐怖とともに多少の安堵感も

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愛の証は紫色(短編小説)

愛の証は紫色(短編小説)

「リン、どうしたの? それ」

リンの首元にある複数の赤い跡を示して、私は答えを解っていながらニヤニヤと笑いながら訊いた。

「新しい彼がね。情熱的なの」

語尾にハートが付くような彼女の口ぶりに私は、ウザあい。と返した。

まだ付き合いだして1週間ちょっとくらいだというのに、彼氏は毎晩求めてくるのだと言う。いや、付き合いたてだからこそだろうか。

やはり同棲という形がそうさせるのだろうか。リンは

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