『10分のアイスブレイクが心理的安全性を高める 人材育成と生産性向上に効く!体験型ワーク33』第1章・無料全文公開
9月24日発売の書籍『10分のアイスブレイクが心理的安全性を高める 人材育成と生産性向上に効く!体験型ワーク33』から、第1章「部下メンバーの心を解くワーク7」を全文公開!
なぜ、心理的安全性が重要なのか
皆さまは「心理的安全性」というキーワードをご存知でしょうか。みんなが安心して自分の意見を発言できる、決して否定されることなくお互いに尊重し合えて協力できる、安全安心な職場環境のことです。「この職場なら何をいっても安全」という感覚をメンバー全員が共有できているのです。
もともとは組織行動学者エドモンドソン教授が1999年に提唱した考え方で、一躍脚光を浴びたのはグーグルの調査がきっかけです。
グーグルは「継続的に高いパフォーマンスを出し続けるチームに共通する要素って、なんだろうか」とプロジェクトを立ち上げ、調べました。なんと、4年の歳月と億単位の費用をかけたといわれています。そこで見つかったのが「心理的安全性」です。
心理的安全性が醸成されたチームはメンバーの意欲が高く、生産性の向上が期待できる、ということで、日本でもここ数年で広く認知されるようになりました。
ところが日本では、心理的安全性の低い組織があまりにも多いのです。あなたの職場ではいかがでしょうか。
いまは昔と違い、雇用形態が違う人が多くいますよね。正社員だけでなく、派遣や請負の人、国籍の違う人も増えています。
チームには背景や考え方が違う人たちが集まっていますので、そもそもお互いに心理的な壁があるのです。しかも働き方改革や生産性向上を求められ、お互いに余裕がありません。コロナ禍の影響もあり、コミュニケーション自体が減っていますから、気をつけないとお互いが心を閉じたバラバラの状態になってしまいます。
その場に安全安心を感じられない、関係が希薄な状態では、チームのパフォーマンスはなかなか上がりませんよね。
部下メンバーが上司である皆さまに安全安心を感じられていないとしたら、どうでしょう。心を開けませんよね。いいたいことがあったとしても相談できず、否定されると思うと本音が話せなくなりますよね。
すると、部下メンバーは心を閉じて防衛的になります。思考はネガティブになり、悩みがあったとしても相談できないため、パフォーマンスは落ちますし、最悪の場合はメンタルが落ちてしまいます。いいことはありません。
逆に、安全安心を感じられているとしたら、どうでしょう。お互いに安心して腹が割れるため、なんでも気軽に対話できますよね。否定されず、建設的な対話が期待できます。
すると、部下メンバーの思考がポジィティブになって意欲的になり、自発的な行動が期待できます。
このように、相手に安全安心を感じられる状態を心理的安全性というのです。この状態が醸成できるといいですよね。
NLPという心理学によると、人は安全安心を感じてリラックスできているときに最も力を発揮する、といわれています。つまり、心理的安全性のある環境ということですね。
私たちリーダーは、つい「成果」というところに目が行きがちです。生産性を高めようと部下メンバーに厳しくあたることもよくあるでしょう。お気持ちはよくわかります。ですが、部下メンバーを否定してばかりでは、自己肯定感が下がってしまいます。
そのため、「成果」という収穫を得るためには、まずはしっかりとした「土台づくり」つまり心理的安全性を高めることが不可欠です。メンバー一人ひとりに安心して心を開いてもらい、自由に対話ができる、アイデアを出し合える、チャレンジしたくなる、そのような環境をつくることがスタートになります。
では、どうすれば心理的安全性のある場を醸成できるでしょうか。方法はさまざまありますが、そのひとつとしてアイスブレイクを取り入れるのがオススメです。
アイスブレイクは楽しいため、自然にコミュニケーションが生まれ、あっという間に心が開きます。気づいたらお互い笑顔になり、心の状態もよくなり、気持ちが前向きになります。すると、一緒にやってみよう、チャレンジしてみよう、などという雰囲気が出てくるのですね。こうなるとパフォーマンスが上がりそうな気がしませんか。
これからご紹介する7つのアイスブレイクは、場づくりのきっかけとして非常に効果があるものを厳選しました。ぜひ皆さまの職場でも実施していただいて、心理的安全性の土台づくりをはじめてみてください。
職場の雰囲気が重い、メンバーが心を開き合えていない、自由に発言し合える関係性ができていない……そのような場合は、ぜひ朝礼や会議の冒頭を活用して実施していただくとよいかと思います。
ポイントは「楽しむ」ことです。
体を動かすアイスブレイク! ①ミラーストレッチ
ワークの内容
相手の鏡になり、相手とまったく同じ動きをするストレッチです。
ねらい&効果
●体を動かすことで心の緊張をほぐし、場の雰囲気をやわらげます。
●ストレッチにゲーム性を取り入れているため、自然に笑いが起こり、場があたたまります。
所用時間
約5分
進め方
1.2人組のペアをつくり、Aさん・Bさんを決める
「緊張をほぐすために、みんなで簡単なウォーミングアップをしましょう! 立ち上がって、2人組のペアをつくり、Aさん・Bさんを決めてください」
2.Aさんはストレッチをする、BさんはAさんの鏡になる
「Aさんは自由にストレッチをします。肘を伸ばしてもいいですし、屈伸してもよいです。自分が気持ちいいように、好きに体を動かしてください。BさんはAさんの鏡になります。Aさんの体の動きに合わせて、Aさんのマネをしましょう!」
3.準備ができたら開始
「それでは、はじめてください!」
4.1分したら役割交代
「では、Aさん・Bさんの役割を交代してください!」
5.場があたたまってきたら終了
参加者の表情が明るくなり、笑いがこぼれ、場があたたまってきたタイミングで終了します。
効果を最大化するコツ
★真面目にやらない!
真面目にやると場がしらけます(笑)。楽しむことで、お互いの心が開きます。
★説明時に講師役がおかしなストレッチの見本を見せると、スムーズにワークに入れる!
講師役が最初に見本を見せてあげることで、参加者の心理的なハードルが下がります。すると「ちょっとおもしろおかしくやってみようかな!」と考える参加者が生まれます。
★楽しむことがポイント!
うまくいかなかったり、間違えたりしたほうが自然な笑いが生まれ、「失敗してもいいんだ!」と安全安心な場が醸成されます。
学びと活用のポイント
★心と体はつながっている!
昔から「心と体はつながっている」とよくいわれますよね。心の状態がいいと体の調子もよくなり、体の調子がいいと心の状態もよくなる。逆に、心の状態が悪いと体の調子も悪くなり、体の調子が悪いと心の状態も悪くなります。
私たちは常に仕事や家事といった「やらなければいけないこと」に追われ、さまざまな問題やストレスを抱え込み、心の状態が悪くなっていることのほうが多いと思います。
仕事で机の前に座っているだけでも、自然と心の状態は悪くなりますよね。心の状態が悪いままでは、パフォーマンスも上がりません。
研修に参加されている方々の多くは、仕事のことが頭をよぎったり、知らない人どうしで緊張したり、講師から当てられないかドキドキしたりして、心の状態が悪くなっています。
そのようなときは、体を積極的に動かしてもらうのがいちばんです! そうすることで、かたまっていた心が動き出し、気持ちがリセットされます。意識が変わるのですね。
経営者やできるリーダーは、走ったり、ウォーキングしたり、ゴルフをしたりして、自ら積極的に体を動かすことで気持ちをリセットすることを習慣にしている人が多いです。
研修でも体を動かすアイスブレイクを取り入れると、参加者にスイッチが入り、積極的に参加するようになりますよ!
対話のきっかけをつくるアイスブレイク! ②ラインナップ
ワークの内容
全員でサークルをつくり、「お題」に合わせて順番を並び変えるアイスブレイクです。
ねらい&効果
●お題に合わせて順番を並び変えるには、他者と積極的に話さざるを得ないため、対話が生まれ、場が一気に活性化します。
●並びおえたときは、参加者全員でちょっとした一体感を味わえます。
所用時間
約5分
進め方
1.参加者全員でサークルを1つつくる
「緊張をほぐすために、みんなで簡単なウォーミングアップをしましょう! 立ち上がって、全員でキレイな輪を1つつくってください」
2.「お題」を告げ、時計回りに並びなおす
「誕生日(月日)の順番に、時計回りに並びなおしてください」
※お題は誕生日でなくてもOKです!
3.準備ができたら開始
「それでは、はじめてください!」
4.並びおわったら終了、間違っていないか確認
「それでは、誕生日がいちばん早い方から、順番に誕生日を発表してください!」
5.正しくできていたらお互いに拍手!
正しく順番に並べていたことが確認できたら、一体感や達成感をみんなで味わいましょう。
効果を最大化するコツ
★お題を工夫する!
「誕生日」が定番でオススメです。ほかには「朝起きた時間が早い人」「住んでる場所が北から南へ」「自分がイケてると思う人」など、お題をおもしろおかしく工夫すると盛り上がります。
★うまくできたら、お互いに拍手して一体感を!
一体感や達成感を得ることで、参加者の心の状態がよくなり、少しずつ心理的安全性が醸成されていきます。
★会議やミーティングでも使える!
かたい雰囲気を一気にやわらかくするのに効果的なアイスブレイクなので、普段の会議やディスカッションでやるのも効果的です。とくに、雰囲気が重い、発言が少ないときは、楽しい「お題」を使い、発言の順番を決めるのもオススメです。
思わず夢中に! 一瞬にして場をあたためる! ③キャッチ
ワークの内容
参加者全員でサークルになり、「キャッチ」の合図でとなりの人の人差し指をキャッチできるか、それとも逃げられてしまうかを競うアイスブレイクです。
ねらい&効果
●楽しくて思わず夢中になるため、参加者どうしが一瞬にしてつながりを感じられ、場の雰囲気が一気にあたたまります。
●うまくできなくても大丈夫! 自然に笑顔があふれ、「失敗しても大丈夫なんだ」という安全安心な学びの場が醸成されます。
所用時間
約5分
進め
1.参加者全員でサークルを1つつくる
「みんなで簡単なアイスブレイクをしましょう! 立ち上がって、全員でキレイな輪を1つつくってください」
2.左手は手のひらを上に、右手は人差し指を下に向ける
「左手は手のひらを上に向けます。右手は人差し指を立てて下に向けましょう。そして、右手の人差し指を右どなりの人の手のひらの上に、ちょこんと乗せてください」
3.「キャッチ」の合図で人差し指をギュッとキャッチ
「私が『キャッチ』といったら、皆さんは左手の手のひらで人差し指をギュッとキャッチしてください。一方で、右手の人差し指はキャッチされないように、瞬時に上に逃げてください。つかまえるのが速いか、逃げるのが速いか、どっちが速いか競争です!」
4.準備ができたら開始
「では皆さん、準備はいいですか!」
少し間を取ってから「キャッチ!」
5.数回やったら右手と左手の役割を交代
「では、今度は左右で役割を逆にします。左手は人差し指に、右手は手のひらにしましょう!」
準備ができたら「キャッチ!」
6.場があたたまってきたら終了
2~3回やってみて、みんなから笑いがこぼれ場の盛り上がりを感じたら終了しましょう。
効果を最大化するコツ
★失敗を楽しむ!(つかまってもOK)
キャッチできても楽しいし、キャッチされても楽しいものです。仕事では失敗すると叱責されてマインドが下がると思いますが、ここではうまくいかなくても大丈夫! うまくいかなかったり、間違えたりしたほうが自然に笑いが生まれ、「失敗してもいいんだ!」という安全安心な場が醸成されます。とにかく、みんなで「楽しむ」ことが大切です!
★途中で右手と左手の役割を交代すると、さらに盛り上がる!
「逃げる指」と「つかまえる手のひら」を左右逆にすることで、参加者の難易度が上がり、楽しさが倍増します。
★キャッチの合図のタイミングを工夫すると楽しい!
参加者はキャッチの合図を今か今かと待っていますから、キャッチするタイミングを焦らしたり、少し間をおいたりすると、ゲーム性が高まって楽しんでもらえるでしょう。
チームワークで大切なことに気づく! ④ヘリウムフープ
ワークの内容
チームでサークルをつくり、フラフープを全員の人差し指に乗せ、みんなで協力して地面に着地させるワークです!
ねらい&効果
●シンプルなワークのはずなのに、なぜか想定外の状況に陥ります。不測の事態にどう対応するか、チームワークにおける自分の関わり方の傾向に気づいてもらえるでしょう。
●「頭でわかる」ことと「できる」ことの違いを体感することで、実際に行動してみることの大切さに気づいてもらえます。
所用時間
約10分
進め方
1.10人前後のメンバーでサークルを1つつくる
「いまから10人前後のチームに分かれて、フラフープを使ったワークをします。チームメンバー全員でキレイな輪を1つつくってください」
2.フラフープを全員の人差し指に乗せ、床に着地させる
「全員の利き手の人差し指にフラフープを乗せ、胸の位置から床に着地させるワークです。ただし、絶対にフラフープから指が離れてはいけません。誰か1人でも指が離れたらアウトです! また、フラフープは手で握ってはいけません。人差し指の腹ではなく、指の背中に乗せた状態で必ず行ってください」
3.準備ができたら講師役がフラフープを乗せてスタート
「それでは、立ったまま利き手の人差し指を前にまっすぐ伸ばして準備してください」
講師役がフラフープを載せたらスタート! 参加者の胸の高さからはじめるのがポイントです。なぜか開始直後に多くのチームのフラフープが高く上がってしまいます!
4.フラフープを床に着地できたら終了
「フラフープを支える全員の指が床に着いたら終了です。お疲れさまでした!」
効果を最大化するコツ
★必ず10人以上(12人まで)でやる!
なぜか「フラフープが高く上がってしまう」という想定外の状態を体験してもらうことで、学びが生まれます!
8人以下の少ない人数でやると想定外の状態が起きにくいため、可能な限り10人以上でやるようにしてください。
★フラフープは必ず人差し指の背中に乗せる!
人差し指の腹に乗せるとギュッと握れてしまうので注意してください。
★フラフープを乗せるときは、なるべく雑に乗せる!
参加者の指にピタッとキレイに乗せる必要はありません。多少適当に(雑に)乗せたほうが参加者は指をフラフープにきちんと触れようと意識するので、フラフープが上がりやすいです。
★想定外の状態になると、その人の「素」が顕在化しやすい!
参加メンバーがどのような言動を取るのか、どのようなチームワークを取るのかを観察し、あとでフィードバックしてあげると学びが深まります。
学びと活用のポイント
★振り返りが大事!
参加者の成長に必要なのは、体験での気づきを学びに変えて職場で実践することです。そのためには座学ではなく、講師役が質問を投げかけて、どのような体験だったかを一緒に振り返り、望ましい未来に向けてどのような行動が必要か引き出すことが大切です。
★質問例
「やりおえたいまの感想は? 率直にどうぞ
「難しかった」「大変だった」「意外だった」
「じゃあ、やる前はどう思っていましたか?」
「すぐにできると思ってた」「簡単そう」
「チームで望ましい成果を出すのに必要なことは何でしょうか?」
「もし、もう一度チャンスがあるとしたら、あなたは具体的にどんな行動を取りますか?」
勝ち負けではなくWin-Winの関係をつくるアイスブレイク! ⑤7-11ジャンケン
ワークの内容
ふたりが出した指の数の合計が7か11になるように数を合わせるジャンケンです! Win-Winの心地よさが体感できます!
ねらい&効果
●勝ち負けのジャンケンではなく、ふたりの出した指の数を合わせることで、ふたりとも勝つ「Win-Win」の心地よさを体感できます。
●数が合ったときは、うれしくて思わずハイタッチしたくなるほど一体感を得られるため、場があたたまります。
所用時間
約5分
進め方
1.2人組のペアをつくる
「みんなで簡単なアイスブレイクをしましょう! 立ち上がって、2人組のペアをつくってください」
2.ふたりで出した指の本数が合計「7」になるまでジャンケン
「いつもの勝ち負けのジャンケンではなく、ちょっと変わったジャンケンをします。ふたりが出した指の数の合計が『7』になるように、数を合わせるジャンケンです。指の出し方は0~5まで、童心に戻って楽しんじゃいましょう!」
3.準備ができたら開始
「皆さん、準備はいいですか。では、はじめてください! できたペアは、その場でしゃがんでください」
4.次は両手を使う
「今度はちょっとハードルを上げます! 両手を使います。2人の両手の指の数の合計が『11』になるようにジャンケンしてください。数が合ったらハイタッチして、喜びを分かち合いましょう! できたペアは、その場でしゃがんでください」
5.さらにハードルを上げる!
「さらにハードルを上げます! ほかのペアと一緒になって4人でやってみましょう。まずは片手で『7』になるように! 次は両手で『11』なるようにやってみましょう!」
ある程度やり、みんなから笑いがこぼれ場の盛り上がりを感じたら終了しましょう。
効果を最大化するコツ
★うまくいったらハイタッチ!
普段の職場で「ハイタッチ」する機会は、ほとんどないと思います。ハイタッチすることで一体感や達成感が倍増しますので、参加者の心の状態がよくなり、チームが一気に明るくなるでしょう。
短時間でお互いの心の距離が近くなる! ⑥共通点探し
ワークの内容
お互いの共通点を見つけるワークです。共通点が見つかることで安心感が生まれ、心の距離が縮まります!
ねらい&効果
●お互いに面識がなく、ほとんど接点がないメンバーが集まったときの「関係づくりの最初の一歩」としてオススメです。
●共通点が1つでも見つかると相手に対して心が開くため、安心感が生まれ、心の距離がグッと縮まります。
所用時間
約5~10分
進め方
1.参加者全員でサークルを1つつくる
「みんなで簡単なアイスブレイクをしましょう! 立ち上がって、全員でキレイな輪を1つつくってください」
2.3分間でできるだけ多くの人と共通点を見つける
「2人組のペアをつくり、お互いの共通点を1つ見つけ、ワークシート(図3)にメモします。見つかったら挨拶をして別れ、別の人と2人組になり、共通点を1つ探してワークシートにメモしてください。これをタイムアップまでペアをどんどん変えてくりかえします。時間は3分間です。3分で、どれだけたくさんの人と共通点を見つけられるか挑戦しましょう! ただし、記入表にメモする共通点は、すべて違うものになるようにしてください!」
3.準備ができたら開始
「皆さん、準備はいいですか。では、はじめてください!」
4.おわったらヒーローインタビュー
「何人と共通点を見つけられましたか?」
いちばん多かった人にヒーローインタビューをしましょう
「いま、どんなお気持ちですか? うまくいった秘訣は何でしょうか?」
効果を最大化するコツ
★講師役も参加者の輪のなかに入って一緒にやってみる!
人によっては、人見知りだったり、最初は怖気づいてしまう人もいるため、講師役が輪のなかに入ってその方の相手をしたり、一緒にサポートしながらやるとよいでしょう。
★優勝者には特典を用意しておく!
いちばん多く共通点を見つけられた優勝者には、何か特典を用意しておくといいかもしれません。チョコレートやアメなどちょっとした特典でも、もらえるとうれしいものです。何かしらの特典があると、「よし! がんばってたくさんの共通点を見つけよう!」と参加者の意欲が上がり、ワークが盛り上がります。
★人数を増やし4~6人グループで共通点を探してみる!
2人組のペアでやるのが基本ですが、難易度を上げて4~6人グループでやるのもオススメです。4~6人全員の共通点を見つけるには、より突っ込んだ対話が必要になりますが、難易度が高い分チームとしての一体感がより高まります!
★外的な共通点よりも、内的な共通点を!
服装や容姿といった目に見える「外的な共通点」よりかは、趣味や好きなことといった「内的な共通点」のほうが心が動いて心理的距離が縮まりやすいです。内的な共通点が増えて相互理解が進むと、関係が深まりますね。
相互理解がススム対話型の楽しい自己紹介! ⑦4つの真実
ワークの内容
4つの自己紹介ネタのうち、必ず1つはウソが含まれています。みんなでどれがウソかを見破る、楽しいアイスブレイクです!
ねらい&効果
●ゲーム感覚を取り入れた楽しい自己紹介なので、楽しみながら相互理解が進み、関係構築が促進されます。「相互理解の最初の一歩」としてオススメです。
●かたい話題ではなく、好きな話題を扱うため、相手に興味関心が湧き、対話が弾みます。
所用時間
約15~20分(グループの人数によって変わります)
進め方
1.3~4人のグループをつくる
「いまから、ちょっと変わった楽しい自己紹介をしますので、3~4人のグループをつくってください」
2.各自ワークシートに記入。ただし1つだけウソを書く
「ワークシート(図4)にある4つの自己紹介テーマについて、マジックで記入します。私の好きな場所、私の好きな時間、私の好きな食べもの、私の好きなスボーツの4つです。ただし、1つだけウソを書いてもらいます。2分くらいで書いてください。あまり悩まなくてもいいですよ」
3.講師役が自分のシートを見せ、全員に向かって自己紹介する
「皆さんにやっていただく前に、イメージをつかんでいただきたいので見本をお見せしますね」といって、講師役が自分のワークシートを参加者全員に見せながら4つのテーマについて自己紹介しましょう。
4.参加者にウソを見破ってもらう
「では、私のウソはどれでしょうか? どなたか私のウソを見破ってください! 質問があれば、どうぞ」
ウソを当てられるまでやってください。
5.皆さんのイメージが湧いたところでスタート。1人あたりの時間の目安は3分
「皆さん、イメージは湧いたでしょうか? 時間は1人あたり3分で進めてください。3分たったら次の人に交代です。順番が決まったら、発表者がほかの方に自分のシートを見せながら4つのテーマについて自己紹介します。ほかの方は興味関心をもって傾聴し、質問を投げかけて発表者のウソを見破ってください! では、1番目の人からスタートです」
効果を最大化するコツ
★講師役が自己紹介のデモを実演するとよい!
イメージが湧かない参加者もいるため、進め方にあるように講師役がデモをするとよいでしょう。講師役がワークシートを参加者全員に見せながら4つのテーマについて自己紹介をし、ウソを見破ってもらってください。このとき「何か質問はありますか?」と参加者に質問を促すと対話が生まれるのでオススメです。
初対面どうしの場合は、最初のうちはお互いに緊張して対話が弾まないため、講師役のデモを通して「なんか、楽しそうだな!」と感じてもらえるかがポイントになります。講師役のデモが楽しくできるとよいですね。
★時折グループの輪に入り、一緒に楽しむ!
グループの進行を観察し、いまひとつ盛り上がりに欠けるグループがあれば、講師役がなかに入り質問するなどしてフォローするといいでしょう。講師役も一緒になって楽しむことがポイントです。
* * *
第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて9月24日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。書籍の詳細と目次もこちらからご覧になれます。
書籍『10分のアイスブレイクが心理的安全性を高める 人材育成と生産性向上に効く!体験型ワーク33』
■ペーパーバック版(紙)
■Kindle版(電子書籍)
■書籍情報
短時間のアイスブレイクで職場が変わる!
社員の可能性を引き出し、意欲あふれる職場環境の実現へ
社会環境が激変する中、多くの組織が「人材育成」や「生産性の高い組織づくり」を実現できずに苦しんでいます。その解決策として「心理的安全性」が注目を浴びていますが、具体的な実践法まで踏み込んだ書籍はあまりありません。
どうすれば「人材育成」と「職場づくり」を効果的に実現できるのか。その答えは「体験型ワーク」を取り入れることです。
著者は19年間で1,000回を超える研修に登壇し、ビジネスパーソンの成長と組織づくりを支援。その経験を踏まえ、実際に効果があった体験型ワークを33個厳選し、誰もがすぐ実践できる1冊にまとめました。
ワークの一例は、体を動かすアイスブレイク、ミスコミュニケーションを防ぐ情報伝達ゲーム、チームで新たな発想やアイデアを生み出す手法など。ワークの実施に必要な「進め方のセリフ」はもちろん、プロのノウハウがギュッと詰まった「ワークの効果を最大化するコツ」と「学びを深めるポイント」も解説。誰もが安心して講師のワザを再現していただけます!
短時間で実施できるワークを中心に集め、順番に実施いただくことで、忙しい職場でも人材育成と組織の心理的安全性が時間の経過とともに無理なく醸成されていくでしょう。いますぐ実施できるアイスブレイクで場をあたため、社員の心をほどいてみませんか?
社員教育ご担当の皆さまをはじめ、社内の人材育成・組織づくり・職場づくりでお悩みのリーダーや管理職、学校の先生、コミュニティ主催者はもちろん、講師の皆さまのお役に立てる実践書です。
【目次】
ステップ1:部下メンバーの心を解くワーク7
ステップ2:職場関係の質を高めるワーク8
ステップ3:部下メンバーの意欲を引き出すワーク7
ステップ4:自律的な成長を支援するワーク6
ステップ5:チームのチカラを引き出すワーク5
■著者プロフィール
木之上拓浩
株式会社リソースフルデザイン 代表取締役
社会人10年目の時、過労で倒れ緊急搬送。入院中に、自身の成長は、否定しないで育ててくれた「上司の関わり方」にあったことに気づき、人材育成の道に進むことを決意。企業研修講師として19年、延べ1,000回以上の研修に登壇。新入社員から管理職まで2万人を超えるビジネスパーソンのやる気と行動を引き出す。コーチング・NLPの理論的背景と「人は誰もが無限のチカラをもっている」という人間観に基づき、参加者がリソースフル(心の状態がよく、気づきが生まれやすい状態)になり、自発的に望ましい一歩を踏み出せるように関わる「体験型」の研修スタイルを確立。「あっという間に時間がたち元気になれる」と評価を得ている。
* * *
ごきげんビジネス出版のLINE公式アカウントでは、新刊情報、お買い得情報、noteに投稿している第一章全文や書き下ろしコラムの紹介、イベント・セミナーに使えるクーポンなど、生活や仕事に役立つ情報をお届けしていきますので、ぜひ「友だち追加」をしてください!
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