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短編小説を読んでみる①川端康成『少年』川端少年の甘酸っぱい季節の話!

短編小説を読んでみる①川端康成『少年』川端少年の甘酸っぱい季節の話!

こんにちは!占い勉強中のあやです。

文庫本が好きで以前からよく買っていたのですが、今さらながらほとんど読んでいないことを反省しております。noteをはじめて、こんなにも本を読むことを好きな方がいることを知り、背中を押してもらえたような気持ちに勝手になり、まだ読んでいない本を手にとってみる気になりました。

短編小説が好きな人のような表題にしていますが、私が好きなのは薄い本なのです。文庫本の醍醐味

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短編小説を読んでみる②深沢七郎『楢山節考』いいとか悪いとかない世界!

短編小説を読んでみる②深沢七郎『楢山節考』いいとか悪いとかない世界!

こんにちは!占い勉強中のパルです。

今回も薄い本(200ページ以内の本をここでは指しています)を読みました。ちなみにうちの本棚から選んでいるので若干古いし薄汚れております。ごめんなさい🙏

『楢山節考』
深沢七郎著 新潮文庫こちらは194ページです。いい感じの薄さです。表紙は安野光雅なんですね。豪華です。四編の小説が収められています。四つの小説は異なる色合い。コース料理なのに日本料理の次にフラ

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短編小説を読んでみる③向田邦子『男どき女どき』鋭さの中にやさしいまなざしがある!

短編小説を読んでみる③向田邦子『男どき女どき』鋭さの中にやさしいまなざしがある!

こんにちは!
占い学習中のパルです。
今回も薄い本読みました。

『男どき 女どき』
向田邦子著 
新潮文庫

197ページです。丁度いい薄さ。小説とエッセイがいい感じに収められています。

随分昔になりますが、地方大学出身の私が就活のたびに上京するといつも居候させてくれる友人がいました。そのお宅ではじめて向田邦子の小説を読みました。面白かった。向田邦子はその数年前に亡くなっていて時代も昭和か

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短編小説を読んでみる④アイヒェンドルフ『愉しき放浪児』イケメンバイオリン弾きが恋をする話!

短編小説を読んでみる④アイヒェンドルフ『愉しき放浪児』イケメンバイオリン弾きが恋をする話!

占い勉強中のパルです。

さて、今回の短編小説はなんと136ページ!という有難いほどに薄い本です。出かける時にも軽くていい感じにバッグに入れられます。
でも文字がちっさいです!

『改訳 愉しき放浪児』
アイヒェンドルフ著  関泰祐訳        岩波新書 
題名がいいですね。こういう感じ好きです。

物語が、水車小屋の車の楽しげな音から始まるのですね。父親が、怠け者の息子に言うのです。

こう

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短編小説を読んでみる⑤村上春樹『1973年のピンボール』村上春樹の本なら長編でも最後まで読める!

短編小説を読んでみる⑤村上春樹『1973年のピンボール』村上春樹の本なら長編でも最後まで読める!

薄い本が好きで、小さなバッグにサッと入るくらいの文庫本を購入してきました。何冊かは読んだけれど、本棚にささったままの本も多数あり、この機会に読んでみることにしました。薄い本とは大体200ページ以内の本のこと。

『1973年のピンボール』
村上春樹著  
講談社文庫

ハルキストではないけど、村上春樹は新刊が出れば買いたくなる作家です。長い話でも最後まで読める。なんでだろう。

この本は著者にとっ

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─ソフィア、その愛─ソフィアは本当に悪妻だったのか?

─ソフィア、その愛─ソフィアは本当に悪妻だったのか?

薄い本が好きでバッグにサッと入るくらいの文庫本を購入してきました。まだ読んでない本が本棚に何冊かあり、この機会に読んでみることにしました。薄い本とはここでは200ページ以内の本のこと。

さて、前回はトルストイの『イワン・イリッチの死』の読書感想文を書きました。

今回はトルストイの妻、ソフィアについて書いてみたいと思います。wikiによると彼女は日記を残しているようで、残念ながら邦訳はされていな

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短編小説を読んでみる⑦正岡子規『仰臥漫録』食べる!食べる!食べる!

短編小説を読んでみる⑦正岡子規『仰臥漫録』食べる!食べる!食べる!

薄い本が好きでバッグにサッと入るくらいの文庫本を購入してきました。まだ読んでない本が本棚に何冊かあり、この機会に読んでみることにしました。薄い本とはここでは200ページ以内の本のこと。

さて今回読んだのは、食べ物の名前がたくさん並んでて面白そうだなーと思い購入した本です。

『仰臥漫録』『病状六尺』

正岡子規著 岩波文庫
私は料理はさほど好きというわけではないけど、人が何を料理して食べたのかに

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短編小説を読む⑧幸田文『黒い裾』日常を豊かに生きた人!

短編小説を読む⑧幸田文『黒い裾』日常を豊かに生きた人!

カバンにさっと入る厚さの文庫本が好きで、気ままに集めていました。目安は大体200ページくらい。

目が悪くなって小さな文字が読めなくなる前に、持っている本を読み切りたい!そんな思いから、少しずつ、文庫本を読んでいます。

今回読んだ本は

『黒い裾』
幸田 文 (こうだ あや)
新潮文庫
初版は1968年だから50年以上前の本です。

幸田文の本は、名作『流れる』からはじまり、新しいもの、古いもの

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短編小説を読む⑨川上弘美『蛇を踏む』蛇を踏んだら逃れられないのである!

短編小説を読む⑨川上弘美『蛇を踏む』蛇を踏んだら逃れられないのである!

カバンにさっと入る厚さの文庫本が好きで、気ままに集めていました。目安は大体200ページくらい。

年をとり、目が悪くなって小さな文字が読めなくなる前に、持っている本を読み切りたい!そんな思いから、少しずつ、文庫本を読んでいます。

今回読んだのは183ページの本。三編の短編小説が収められています。

『蛇を踏む』
川上弘美
文春文庫

ある日ミドリ公園に行く途中の藪を歩いていたサナダさんは蛇を踏み

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