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ビジネスも創作も、ロックマンに学べ!!

ロックマンって知ってる?

ロックマンは、カプコンという会社から発売されているゲームです。
家庭用ゲーム機、アーケードゲーム、携帯ゲーム機、マンガ、アニメなど様々な形で展開されています。

ゲームのアプローチも豊富で、アクション・バトル・ダンジョン・RPGなど様々な要素が入っています。

世界観は、その当時の近未来・友情もの・バトルもの・異世界もの・謎解きもの・ダンジョンなど様々なジャンルが絡まり合っていて、それでいてかなりちゃんとした設定を持っています。

設定がちゃんとしているため、ロボット工学が発達した世界として描かれたロックマンを、インターネットが発達した世界に置き換えたロックマンエグゼにほぼ完ぺきに落とし込むことに成功しているくらいです。

今日は、このロックマンから「創作」と「ビジネス」について学んだことを書いていきます。詳しいあらすじや内容にはふれません。あくまで設定と歴史から学んだことです。

この記事を読んで興味を持ってもらえたら、詳細は皆様の方で調べてみてください。

※なお、これから話すことは僕の考察・妄想が多分に含まれています。ご容赦ください。

創作

圧倒的な基盤

冒頭でも申した通り、ロックマンのすごい所は「物語の基盤」だと思います。優れた設定・優れた話の筋は置き換えが可能となります。ロミオとジュリエットが、後のウエストサイドストーリーに置き換わったように。

ロックマンで言えば、ロボットが発展した未来かネットが発展した未来によって、全然違うロックマンが描かれます。

その中でこの2つの世界の交わりやキャラクターの落とし込み方がいちいち秀逸です。しかも、ちゃんと未来の世界の芯を捉えています。ネットが発達する世界は、今の僕たちが生きている世界。そして今、あるいはもう少し先に未来には、ロボットがやってくることになるでしょう。

ロックマンの物語は1987年から2001年までの間に構築されています。当時からすれば、完全に近未来です。そこに出てくる設定・道具・エネルギーの使い方などは、ほとんどが現代に置き換えることが出来ると思います。唯一大きく外れたと言えば、ロボット・インターネットの時代到来の順番でしょう。

ロックマンは作られた順番が、
ロボット→ネット世界でしたが、現実はご存じの通り、ネット→ロボットでした。いや、アイボとかを考えたら、これも間違ってなかったのかも(笑)

とにかく、筋と設定が妙にリアルで夢を抱かせてくれます。これだけしっかりしている物語だからこそ、今でも世界中で愛されているのではないかなと思うのです。

キャラクターの配置

創作、特に架空の世界を描く場合に最も大事だなと思う部分が「キャラクター」です。良い作品には必ず、キャラクターの感情の動きと明確な役割があると思います。

こうしたキャラの心情・役割を、現代を生きる我々人間の生活に置き換えることが出来て、ギリギリ共感できる、もしくは想像の遥か上を行く作品を良作と呼ぶことが多い気がします。恐らくですが、カタルシスなる想像力の開花を感じるのではないでしょうか?

ロックマンには、派生形を含めどちらの想像も可能な世界があります。ギリギリ我々の生活に置き換えることが出来るロックマンエグゼと想像の遥か上をいくロックマンです。

結果、ファンタジー好きもリアリストも獲得できる稀有な作品に仕上がり、だからこそ多くのファンをつかむことが出来た。そんな風に思うのです。

散りばめられたギミック

・バトル
・出てくる物
・歴史
・武器

ロックマンは、お話の中に登場するこうした要素が、ちゃんとギミックになっていたりします。それは2つの違う世界をつなぐものであったり、1つのゲームの中で伏線として回収されたりと方法は様々です。1つ1つの要素が絡み合い、最後にはパズルのピースのようにピタッとハマっていく快感を味わうことが出来ます。

その上で、ロックマンエグゼのバトル方法は「今まで見たことがあって、面白いと思ったバトルゲームの要素」が全部詰まっています。
出てくる物もエグゼで言えば「バトルチップ」は集めたくなります。
歴史もあります。ワイリーと光博士の因縁から始まったストーリー・ロックマンエグゼの謎・すさんだ未来世界と平和な未来世界の分岐点など、興奮する展開が盛りだくさんです。
武器もカッコイイんですよね。いや、武器はちょうどいいです。シャドーマンの手裏剣攻撃とかね。適度にマネしたくなるんですよ。

こんな感じで、1つ1つの要素にも人気が出る・収集癖を刺激する・カッコイイ・テンションが上がるなど、様々な人を惹きつける要素があるわけです。

創作に必要な要素をすべて満たしています。世界を創作している方は一度、ロックマンの設定・話の筋・歴史・要素を書き出してみるといいのではないでしょうか?

ビジネス

最後にロックマンビジネスについてお話しましょう。ロックマンシリーズはずっと人気がありますし、僕はロボットの方のシリーズも好きなのです。ただ全面的に語ってしまうと、話しが散らかって面倒なので「ロックマンエグゼ」に絞ってお話しします。

ターゲットを明確にする

ロボットシリーズのロックマンは、シリーズが増えるごとにファンの年齢も上がっていった気がします。いわゆるファンの成長と玄人化です。ファンが熟成し、玄人になっていくとどうなるか?

新しいファンが入りにくくなり、せっかくできたコミュニティーも縮小・老化していきます。

そこで生まれたのがロックマンエグゼです。ロックマンをより若い年齢の、すなわち子供に届けるために「トレンドになりつつあるインターネット」を取り入れ、絵のタッチも優しくし、平和な世界に描き換えました。

これがエグゼヒットの要因の1つでしょう。キャラクターは、ロボットロックマンに出てきたキャラクターをほとんどそのまま転用しています。もともとキャラが魅力的です。きちんと書き直し、推しどころを分かりやすくすればウケる。そんな風に判断したのではないでしょうか?
そんな感じで、明確なターゲットを設け、きちんと刺さるものに置き換えたわけです。

ちなみに僕はエグゼ世代ど真ん中。間違いなく術中にはまった1人です。ゲームも買ったしアニメも観たしグッズも買いました。

メディアミックス

ロックマンエグゼは、ゲームの枠を飛び越え「アニメ」「マンガ」「おもちゃ」「イベント」などに転用されていきました。これも戦略としてうまいと思います。

特に凄かったのはコロコロコミックですね。当時の男子小学生のほとんどは、コロコロコミックを買っていたのではないでしょうか?
だからこそ、あれだけ爆発的に流行り、受け入れられたのだと思います。
ロックマンは、同誌のキャラクターとコラボしたり、マンガを掲載したりして、着々と人気を集め、そこからゲームの売上とアニメ展開につながった印象があります。

マンガ・グッズ・アニメ・イベントを広告商品に据え、ゲームで利益を出すという商売の基礎みたいな展開方法で成功したのだと思っています。

スピード感

ロックマンのゲームは、ゲームボーイアドバンスが主軸でした。シリーズは全部で6作品。驚きなのはこの6作品。発売が全部1年ペースなのです。つまり、6シリーズを6年で出した計算になります。

あれだけの世界観、作り込み、面白いギミックを盛り込んでいるのに、わずか6年でストーリーが完結。しかもシリーズを追うごとに、余分な部分をきちんと取り除き、さらに面白い仕掛けを入れてきます。フィードバックがきちんと出来ている、良いチームを想像せざるを得ませんよね。

この手際の良さは見習いたいです。仕事をする上でスピードは必須ですから。どんなに頑張っても、成功はそこにしかありません。

だからロックマンエグゼは成功した。

そんな事を体現したゲームでもあるわけです。

限定感

リメークはあれど、ロックマンエグゼはゲームボーイアドバンスで完結しました。5作品目と6作品目は、時代的にニンテンドーDSが主流になっていたにも関わらず、アドバンスを主軸にしていました。

この選択こそが、今でもロックマンエグゼを愛する人を離さない仕掛けになっている気がしてならないのです。ロックマンエグゼのゲームは4作品目で商業ピークを迎えます。

制作陣やプロデューサーはここがピークだと分かっていたのではないでしょうか?

だからこそ、ここからは拡大ではなく、シリーズを守るためにファンを育てる路線に切り替えた。アドバンスで勝負し続ける、その限定感はファンの育成・語り部づくりのための明確な作戦だったのではないかと思うのです。

考察する余白

これは設定と筋の恩恵です。ロックマンエグゼは、今でも一部のファンの間で考察されたり語られたりします。これが今でも、ロックマンエグゼという名前を忘れないようにさせている仕掛けだと思います。

灯した火を何年も消さないようにする方法。それは、制作した側の発信ではなく、受け手の発信です。恐らくですがこれ以外ないと思います。

そうなると、受け手にいつまでも愛してもらう作品・商品を用意する必要が、サービス提供者・クリエイターにはあるわけです。

受け手が楽しむ方法・言語でもって誰かに作品を伝える方法は2つ。考察するか、誰にでもわかる魅力を用意するか。

ロックマンは誰にでもわかる魅力があります。ただその他に、複雑な設定が故の考察・空想要素もあるわけです。語れる余白があるのです。

必要な2つの要素をきちんと持っている。そりゃ今でもリメークされるよね(笑)

現在、ニンテンドースイッチにてロックマンエグゼのゲームが出ています。買ってみてはいかがでしょうか?
※案件ではありませんよ?(笑)

挑戦する姿勢

これがビジネス要素。最後のお話です。ロックマンエグゼは、3作品目でものすごい高い評価を得ていました。実際、僕の小学校で「ロックマンエグゼ」が騒がれたのも、3作品目が出てからです。

つまりこの3作品目こそが、民主化に成功したキッカケ・証と言えます。

3品目のブレイク・民主化のおかげで、4作品目は商業的にピークを迎えました。

ところがこの4作品目。

売れたのに評価は賛否両論なのです。

理由は簡単。1~3と比べると、話しの筋・設定が路線変更されたから。

想像してみてください。皆さんが作った作品が商業的に成功しています。成功を受けて、次回作を出そうという話になりました。ファンは当然、次回作の流れを期待しています。

そこで、さらなる挑戦的な路線を取ろうと思いますか?

なかなか思わないですよね?だって、うまくいってるんですもん。

もちろん、クリエイター的にはそろそろ新しい展開を見せたいなって思う気持ちもあるのかもしれません。でも多くの人は恐らく、売れている・期待されているという気持ちには応えたくなると思うんです。

ロックマンエグゼ4が、今までと同じ路線を取っていたら、5・6も商業的に盛り上がったかもしれません。でも、ここにきてのリメーク販売は無かったでしょう。

だって、ずっと同じ路線で6作品作ったのなら、ずっとそのゲーム機でやればいいじゃないですか。新しい家庭用ゲーム機には昔のソフトを遊ぶ機能がつきます。そうなるとこれ以上、新しいソフトを作る必要が無くなるのです。

もしくは最終的に、マニアが楽しんで終わっていたかもしれません。いやそもそも、6では終わらず、今もダラダラと新作を作っていたかもしれません。

ロックマンエグゼが、辞め時を完璧なまま再現し、それでいて長期的に売り上げを作れるようになったのは、あの時4作品目で挑戦したから。

結果、誰がどうてみも、最高の形で戻ってきたではありませんか。その後の作品にもつながったではありませんか。

これが挑戦した人間が受ける恩恵です。ビジネスと創作、この2つは全然意味が違うものですが、共通しているのは挑戦した人間にのみ微笑むのです。


まとめ

長くなってしまった(笑)
でも、まだ書き足りないんだよなぁ(笑)
ロックマンは、掘れば掘るだけ勉強になります。今日のはほんの一部です。

作品の中身と外側の歴史を追うと、普通にビジネス書を読むよりも勉強になるのではないかなと思います。

まだまだ面白い展開が、ロックマンには沢山あります。いずれ、またどこかで語れたらいいな(笑)

それでは、今回はここまで。また明日の記事でお会いしましょう!



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