九雲 (旧・ふゆ)

小学校教諭@イギリスの現地公立小学校 専門教科: フォニックス・算数 ロンドン教育大学…

九雲 (旧・ふゆ)

小学校教諭@イギリスの現地公立小学校 専門教科: フォニックス・算数 ロンドン教育大学院(UCL IOE)卒

記事一覧

認知負荷理論(Cognitive Load Theory)①

フォニックス(英語の音の学習)を教えるプログラムは多数存在しています。イングランドでは、教育省(DFE:Department for Education)が認定している以下のプログラムが主流で…

イギリスの小学校▶インセットとは?

イギリスの小学校でよく聞く「Inset (day)」。インセットだから学校がお休みだわ、というフレーズは保護者の間ではよく聞かれます。 インセットとは教職員の研修日で、年…

理科のオンライン授業

イギリスの小学校は2月のハーフターム(中休み) に入りました。同僚たちは皆、1月からのこの6週間が一番早かったといいます。私は最初の3週間は長く感じましたが、先週今週…

イギリスの小学校の教員採用

イギリスの新学期は9月。1学期終了と共に冬休み、2学期終了と共に春休み、そして、3学期終了と共に長い夏休みが来ます。 イングランドの公立小学校の教員は、県や州単位で…

労働時間を見直す

ロックダウン中の冬休み、労働時間の使い方について、俯瞰して分析してみることにしました。働き方の中にある「ムダ」を減らしたいと思ったからです。 朝6時45分に家を出…

“Just in time & 自働化”をイギリスの教室へ

トヨタの「ジャスト・イン・タイム」という「必要なものを、必要な時に、必要な分を流れるように生産する」考え方を、私の教室に当てはめてみます。  ▶︎必要なモノ=…

【ロックダウン】3週目が終了

確か、ジョンソン首相の学校閉鎖の声明は12月31日木曜日でした。その翌週、1月4日からの仕事始めは、まずは学校に教員用のノートパソコンを取りに行くことから始まりました…

教室から「8つのムダ」をなくす(後半)

冬休みの期間、トヨタ生産方式に興味が湧き、その多くの点が教育現場にも通ずるところがあると感じ、トヨタが掲げる「8つの無駄」をイギリスの小学校の教室単位で持ち込め…

教室から「8つのムダ」をなくす(前半)

冬休みの期間、トヨタ生産方式に興味が湧き、その多くの点が教育現場にも通ずるところがあると感じ、トヨタが掲げる「8つの無駄」をイギリスの小学校の教室単位で持ち込…

【ロックダウン】リモート授業開始

全国で厳しいロックダウンが始まったイングランド。小学校も2月の中休みまで、リモート授業に切り替わりました。ライブ授業を提供する学校、録画授業のみの学校、教材を提…

KPT法でより良い授業に

イギリスの小学校では、1学期に一度、つまり年3回、リーダー教員もしくは副校長の授業評価(appraisal observation)があります。かつては、学校監査機関のOFSTEDの学校評価…

OFSTED(学校監査機関)の学校評価と学校選び

イギリスの学校選びに不可欠と言われているのがOFSTED(オフステッド)と呼ばれる、学校監査機関による学校評価です。評価は以下の4つ。 ▶︎ Outstanding (優良) ▶︎ Good…

トヨタイズムを教育現場へ

この冬休み、ロンドンはTier 4という厳戒態勢のロックダウンだったため、多くの子供達は祖父母と直接交流することのないクリスマスを迎えました。 我が家も例外ではありま…

2学期開始

イギリスの小学校の2学期は1月4日から始まります。イギリス政府の決定により、ロンドンの小学校は1月15日までは、リモート学習での開始です。 勤務校では、1月4日にズーム…

冬季休暇に入ったイギリスの小学校

9月から始まった新年度。イギリスの小学校もコロナ対策で、日々チャレンジの連続でした。 学年が廊下ですれ違わないようにだとか、教室ではみんなでは歌わないだとか、これ…

学習する教科と1日の流れ

イギリスの学校の年始は9月。この9月から5年目の教員生活が開始しました。 私が担任を受け持つのは、Year 1と呼ばれる5〜6歳児のクラスです。イギリスの小学校は4歳児の準…

認知負荷理論(Cognitive Load Theory)①

認知負荷理論(Cognitive Load Theory)①

フォニックス(英語の音の学習)を教えるプログラムは多数存在しています。イングランドでは、教育省(DFE:Department for Education)が認定している以下のプログラムが主流です。

(画像引用: Department for Education)

現在、日本で人気のプログラムはJolly Phonicsのようですが、イングランドでは、Letters and SoundsやRea

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イギリスの小学校▶インセットとは?

イギリスの小学校でよく聞く「Inset (day)」。インセットだから学校がお休みだわ、というフレーズは保護者の間ではよく聞かれます。

インセットとは教職員の研修日で、年に5日設けるよう教育省が制定しているもの。大体、新学期の初日、もしくは最後の日にインセットを設ける学校が一般的です。インセットの内容は、学校によってもかなり異なります。

新学期最初の9月のインセットは、学校の校風、指標、応急処

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理科のオンライン授業

イギリスの小学校は2月のハーフターム(中休み) に入りました。同僚たちは皆、1月からのこの6週間が一番早かったといいます。私は最初の3週間は長く感じましたが、先週今週は異常に早く過ぎた気がします。

慣れないオンラインによるライブ授業。教員も子どもたちも保護者の方も、本当によく頑張りました。

理科の授業では、魚の体のつくりを学習するため、生魚をパソコンの画面上を通して観察しました。校舎で授業をす

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イギリスの小学校の教員採用

イギリスの小学校の教員採用

イギリスの新学期は9月。1学期終了と共に冬休み、2学期終了と共に春休み、そして、3学期終了と共に長い夏休みが来ます。

イングランドの公立小学校の教員は、県や州単位での所属ではないので、教員免許さえあれば、公立私立問わず、どの州の小学校でも働くことができます。スコットランドやウェールズで働く場合は国をまたがるので、わかりませんが…。

9月の新学期に合わせて異動を希望する場合は、春休みまでに退職希

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労働時間を見直す

労働時間を見直す

ロックダウン中の冬休み、労働時間の使い方について、俯瞰して分析してみることにしました。働き方の中にある「ムダ」を減らしたいと思ったからです。

朝6時45分に家を出て、午前7時過ぎに学校に到着し、帰宅するのは遅い日で午後6時。

授業以外の時間を何に使っているかを客観的に見てみると、以下の通りになりました。

・主任会議
・学年会議
・授業準備
・添削
・メール確認
・データ分析

意外と同僚との

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“Just in time & 自働化”をイギリスの教室へ

“Just in time & 自働化”をイギリスの教室へ



トヨタの「ジャスト・イン・タイム」という「必要なものを、必要な時に、必要な分を流れるように生産する」考え方を、私の教室に当てはめてみます。

 ▶︎必要なモノ=授業内容・指導方法
  misconceptions(誤情報) はないか
  学習内容のギャップはないか

 ▶︎必要な時
  =intervention groupのタイミング
  (授業以外で行う小グループによる
   追加学習サポ

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【ロックダウン】3週目が終了

【ロックダウン】3週目が終了

確か、ジョンソン首相の学校閉鎖の声明は12月31日木曜日でした。その翌週、1月4日からの仕事始めは、まずは学校に教員用のノートパソコンを取りに行くことから始まりました。

冬休み前にある程度の教材は家に持ち帰っていたものの、1月4日の教育たちは皆、上の写真のように引っ越しでもするかのように大荷物を持って帰宅しました。

オンラインライブ授業は、Microsoft TeamsやGoogle Clas

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教室から「8つのムダ」をなくす(後半)

冬休みの期間、トヨタ生産方式に興味が湧き、その多くの点が教育現場にも通ずるところがあると感じ、トヨタが掲げる「8つの無駄」をイギリスの小学校の教室単位で持ち込めないかと分析してみました。後半です。

「8つのムダ」とは、より良い品をお客様に早く届けるために、最短時間で効率的に生産し、改善を続けていくことをベースに、付加価値を生まない無駄を徹底的に排除していく考え方。頭文字を取って、TIMWOODS

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教室から「8つのムダ」をなくす(前半)



冬休みの期間、トヨタ生産方式に興味が湧き、その多くの点が教育現場にも通ずるところがあると感じ、トヨタが掲げる「8つの無駄」をイギリスの小学校の教室単位で持ち込めないかと分析してみました。2回に分けて説明します。

「8つのムダ」とは、より良い品をお客様に早く届けるために、最短時間で効率的に生産し、改善を続けていくことをベースに、付加価値を生まない無駄を徹底的に排除していく考え方。頭文字を取って

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【ロックダウン】リモート授業開始

【ロックダウン】リモート授業開始

全国で厳しいロックダウンが始まったイングランド。小学校も2月の中休みまで、リモート授業に切り替わりました。ライブ授業を提供する学校、録画授業のみの学校、教材を提供するのみの学校、対応は学校によってまちまちです。

児童たちは自宅学習ですが、学校によっては、教員全員が通常出勤する必要があったり、交代で出勤しているところもあります。市民生活に不可欠な職業(Critical workers)に就く人たち

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KPT法でより良い授業に

KPT法でより良い授業に

イギリスの小学校では、1学期に一度、つまり年3回、リーダー教員もしくは副校長の授業評価(appraisal observation)があります。かつては、学校監査機関のOFSTEDの学校評価のように、教員たちも以下の4つに審査が分かれていました。

▶︎ Outstanding (優良)
▶︎ Good (良)
▶︎ Requires improvement (要改善)
▶︎ Inadequat

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OFSTED(学校監査機関)の学校評価と学校選び

OFSTED(学校監査機関)の学校評価と学校選び

イギリスの学校選びに不可欠と言われているのがOFSTED(オフステッド)と呼ばれる、学校監査機関による学校評価です。評価は以下の4つ。

▶︎ Outstanding (優良)
▶︎ Good (良)
▶︎ Requires improvement (要改善)
▶︎ Inadequate (不可)

OFSTEDは監査内容が2020年度に改正になり、優良校とされるOutstandingの学校は「

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トヨタイズムを教育現場へ

トヨタイズムを教育現場へ

この冬休み、ロンドンはTier 4という厳戒態勢のロックダウンだったため、多くの子供達は祖父母と直接交流することのないクリスマスを迎えました。

我が家も例外ではありません。自宅でボードゲームをしたり、ロンドン郊外でウォーキングをしたりして、静かに過ごしました。

自分の時間が比較的多く持てたので、トヨタ式収納・整理術をネットで読んでいたら、President Onlineでトヨタ経営方式のページ

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2学期開始

2学期開始

イギリスの小学校の2学期は1月4日から始まります。イギリス政府の決定により、ロンドンの小学校は1月15日までは、リモート学習での開始です。

勤務校では、1月4日にズームでオンライン全体会議があり、そこで指導体制の指示を受ける予定です。1月2日現在でクリアになっていることは

▶︎ Critical worker(市民生活に不可欠な職種: 医療・教育、物流、公務員など) の子供達は通学できる
▶︎

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冬季休暇に入ったイギリスの小学校

冬季休暇に入ったイギリスの小学校

9月から始まった新年度。イギリスの小学校もコロナ対策で、日々チャレンジの連続でした。
学年が廊下ですれ違わないようにだとか、教室ではみんなでは歌わないだとか、これまでとはまるで違う環境に、教員も児童たちも戸惑いましたが、新しい学校の形としてだいぶ馴染んできたように思います。校外学習やイベントもキャンセルになりましたが、その分、ロックダウン中に失われた時間を取り戻す「リカバリー・カリキュラム」に専念

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学習する教科と1日の流れ

学習する教科と1日の流れ

イギリスの学校の年始は9月。この9月から5年目の教員生活が開始しました。

私が担任を受け持つのは、Year 1と呼ばれる5〜6歳児のクラスです。イギリスの小学校は4歳児の準備学年(Reception:レセプション) から始まり、Year 1から時間割に沿って下記の教科を学習します。

Phonics フォニックス (year 1まで)
Writing 国語
Guided Reading 音読

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