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OFSTED(学校監査機関)の学校評価と学校選び

イギリスの学校選びに不可欠と言われているのがOFSTED(オフステッド)と呼ばれる、学校監査機関による学校評価です。評価は以下の4つ。

▶︎ Outstanding (優良)
▶︎ Good (良)
▶︎ Requires improvement (要改善)
▶︎ Inadequate (不可)

OFSTEDは監査内容が2020年度に改正になり、優良校とされるOutstandingの学校は「国の上位3%に入る非常に優良である学校」で、かなりの狭き門となりました。

つまり、2020年9月以降にOutstandingの評価を得た学校は教員の指導力、児童の成績のデータ、学校経営、保護者の意見、地域への協力、シニアリーダー(SLT: Senior Leadership Team)のチーム力など細かい分野において、全てが優良であると言えます。

私の勤務校も、2020年以前にOutstandingの認定を受けていますが、次の監査がいつ行われてもおかしくない時期に入っています。(コロナ禍により、現在、フォーマルな監査は一時的中止)

2020年以前の学校監査では、「国語・算数・理科」に重きが置かれ、その他の教科がおざなりになるという問題点を抱えていました。しかし現在の監査では、全教科が対象となり、各教科の担当教員が監査員のインタビューに答える義務があります。

監査の最重要なポイントは「3つのI(アイ) 」と呼ばれる3つの点に絞られます。

▶︎ Intent 意図: なぜ行うのか
▶︎ Implementation 手段: どのように行うのか
▶︎ Impact 結果: どのような影響があったか

各教科の担当教員は、教育省の学習指導要領(National curriculum)を学校単位でどのように落とし込んでいるかを理由づけ、そしてどのようなインパクトがあるかを明確に伝達する役目があります。

今年度、低学年担当の私は、高学年の教員と共に、算数の担当教科を任されています。通常業務と別に、算数の教科分析をする時間が増える一年となりそうです。

学校選びの際に、OFSTEDの学校評価を参考にすることは、スタート地点にしか過ぎません。ここから実際に学校に足を運び、学校の雰囲気を自分の目で確認されることを強くお勧めします。

英語がネックで、学校に直接連絡をするのが億劫だと感じられることもあるかもしれませんが、イギリス、特にロンドンを始めとした大都市では、EAL(English as an additional language: 英語を母国語としない)の児童や家族の受け入れに非常に慣れているので、電話・もしくはメールで連絡してみる価値はあります。但し、メールの場合は返信が遅くなることも。

事務局は学校の窓口。この段階で対応が悪いとすれば、もしかするとどこか問題があるのかもしれません。学校見学の予約が取れたら、以下の点を注意して見学してみてください。


▶︎ 学校に入ったときの雰囲気
▶︎ 先生たちの話し方・トーン
▶︎ 教員の男女の比率(基本女性が多い)
▶︎ 児童たちが廊下を静かに移動しているか
▶︎ 廊下の展示は綺麗にされているか
▶︎ Cloakroom(廊下にある児童のコートをかけるエリア) が整理されているか

既にその小学校に通学されている保護者の方(出来れば複数) から話を聞くのも非常に有効だと思いますが、やはり学校の雰囲気がご自身のお子さんに合うかどうかは、百聞は一見にしかず。学校へ足を運ぶのが1番です。

現在はコロナ禍で学校説明会が実施できない学校もありますが、この辺りの学校個々の対応も大切になってくるのではないかと個人的には考えます。オンラインや動画で説明会を行い、どうにかして学校の良さを伝えたいと考える学校も沢山あります。

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