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夜の帳に銀の星 ―🎬時空を超える活動寫眞🎦―

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#市民ケーン

市民ケーン

予告編はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=8dxh3lwdOFw
予告編はつまらないですが、本編はおもしろいです。
「バラのつぼみ」をキーワードに、大富豪ケーンの人生を描いていく傑作映画。個人の伝記映画という体裁をとりながら、これはアメリカという国そのものを描いている。物質的な豊かさを勝ち取った虚飾まみれの国。

オーソン・ウェルズってすごい人だっていうのが

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Citizen Kane ②ーROSEBUDー

Citizen Kane ②ーROSEBUDー

Rosebud(薔薇のつぼみ)。

『市民ケーン』の主人公、チャールズ・フォスター・ケーンが最期に遺した言葉。
この言葉の意味を探るため、新聞記者が故人の関係者に取材し、彼らを通じてケーンの人生が語られるというのが、この映画の進行である。

旅の最後に記者は言う。

ケーン氏は欲しい物をすべて手に入れて、そして失った人なんだ。たぶん薔薇のつぼみは彼が手に入れられなかったか、失った物なのだろう。とに

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Citizen Kane ①ー『市民ケーン』か『アメリカ人ケーン』か?ー

Citizen Kane ①ー『市民ケーン』か『アメリカ人ケーン』か?ー

昔演劇をやっていた頃、シェイクスピアの「ヘンリー四世」に少しだけ出させてもらった。その時座長に観るように勧められた「フォールスタッフ」、あれがオーソン・ウェルズとの出会いだった。その時は俳優としてのウェルズの迫力に圧倒されるばかりで、映画自体を分析するような余裕はなかった。

ウェルズ作品との二度目の出会いは、大学のスペイン語の授業だった。講師が翻訳の仕事もしている人で、語学だけでなく、読者に分か

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天才オーソン・ウェルズ

天才オーソン・ウェルズ

映画史に必ずでてくる映画「市民ケーン」

1941年の作品です。

この作品を見る前に、映画の移り変わりを知っておくと余計に楽しめると思います。

1895年にフランスのリュミエール兄弟によって世界最初の映画上映がおこなわれました。
カメラに向かって汽車が駅にはいってくるなどの記録映画です。

その後、カットとカットをつなぎあわせる編集技術ができ、やがて動かなかったカメラが移動撮影で動くようになり

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映画:市民ケーン

映画:市民ケーン



制作年:1941年

制作国:アメリカ

キャスト:チャールズ・フォスター・ケーン /オーソン・ウェルズ
ジェデッドアイア・リーランド /ジョゼフ・コットン
スーザン・アレクサンダー /ドロシー・カミンゴア

あらすじ:大邸宅「ザナドゥ城」で、かつてのメディア王ケーンが、「薔薇の蕾」という言葉を残して亡くなるところから、映画はスタートする。

アメリカメディアを買収、運営し巨万の富を得たケーン

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