ふきこぼれ山本

行き詰まる30代 欲しいものはおだやかな暮らし まだこれじゃだめだ、と もうこれでい…

ふきこぼれ山本

行き詰まる30代 欲しいものはおだやかな暮らし まだこれじゃだめだ、と もうこれでいいか、の間で みっともなく抗う姿をそのまま言葉に。 いつかこんなこともあったなって 笑うための記録と、共にいてくれる音楽。 アイコン→(@tameso)

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行き詰まる30代

「プロット」 物語、小説、戯曲、映画などの筋書きのこと。 2020年7月26日 34歳 会社員 独身 大きな不満もなく、平凡に生きている。 学生の頃、お笑い芸人に憧れて、 …

またきっといつかどこかで 8

「山さん、ふきこぼれやらん?」 それは、高校時代の同級生からのメールだった。 相田君 彼は芸大生になっていた。 ふきこぼれ 高校時代、JamFilmsをはじめとして サブ…

またきっといつかどこかで 7

「やまもっちゃーん」 「おお、桜庭、どうしたん?」 「あのさ」 「ん」 「ランランのことなんだけど」 「うん」 「やまもっちゃん、今は友達って感じだって」 「う…

またきっといつかどこかで 6

えー あのー 「なになにやまもっちゃん」 「早く言えよ」 えーとですね 好きかもしれん 僕は仲のいい同回生2人と学食を食べていた。 「え、なに、誰?」 ランラン…

またきっといつかどこかで 5

約束の日 僕はランランの働くバイト先へと向かった。 「えと、確かこの店だったな…アパレルでバイトしてんのか…」 店内をキョロキョロ見回すと、接客途中のランランを…

またきっといつかどこかで 4

「おはよーございまーす」 「ああ、山本くん...おはよう、ジャンプを...」 「ああ、わかりました、買ってきますねー」 「内辺先輩、ジャンプとコーヒーっす」 「ああ、…

またきっといつかどこかで 3

大学に入学し、 軽音楽部の新歓コンパは続く。 今日は夜の公園で花見しながらの催し。 「えー、じゃあ自己紹介していこうかー。 そっちの子から!そうそう、キミ!」 新…

またきっといつかどこかで 2

2005年 4月 新入生のみなさーん、テニス部ですー! 飲み会やりまーす、タダでーす! とりあえず来てくださーい! ねえねえ?新入生? 今日新歓コンパやるんだけど来ない…

またきっといつかどこかで 1

「おつかれー、帰るよー」 「チーフ、お疲れ様です」 「ああ、2日間ありがとうね、お土産食べてね」 「いただきまーす」 「また明日ねー」 ...日常に戻ってきたなー。…

まんぼう明け、仕事終わりに1杯頂けるありがたみ。

身体と心が反比例

35歳 若いときに比べて、体の変化に気づいてくるお年頃。 集中力がもたない、疲れが取れない、痩せにくい ストレスが溜まりやすい、お酒が翌日残る。 僕もまた、例に…

人畜無害と旅をして。

「山本くんは…4番めに好きかな、話しやすいし」 小学生の頃、一緒に帰っていた女子に言われた。 聞いてもないのに。 4番めとは一体どの程度の好きなのか。 「山本くん…

今日は給料日だし、むしゃくしゃしたから、結構いい値段のステーキをスーパーで買っておもむろに食べたが、脂がもうキツすぎて後悔している。
もう2度とステーキ食べなくてもいい気すらしているが、また一年ぐらいしたら思い出したように食べて後悔するんだろうな。そうやって歳をとる。

嘆いて嘆いた世界に馴染んだ夜のラーメン

そういえば、若いときに比べて物欲がなくなってきた。 寒い夜にラーメンを食べながらぼんやり考えている。 服も小綺麗に見えればそこまでこだわりがなく 靴もブランドより…

セルフの定食屋に行くと、決まって取りすぎる。食べすぎる。
あれもこれも、と思ってしまうし
若い時の感覚で量を決めてしまう。
気づいたら1500円ぐらいになってて後悔する。
身体と心のバランスが取れてない。

この事柄なら永遠に喋ってられるとか語れるとか、
大好きで大好きでたまらないものとか
よくよく考えたらないなぁと思う。

ぜーんぶ、浅ーく、広ーく。

それでいいような、
だめなような。

寒い夜にカレーうどんが染みる。

行き詰まる30代

行き詰まる30代

「プロット」
物語、小説、戯曲、映画などの筋書きのこと。

2020年7月26日
34歳 会社員 独身

大きな不満もなく、平凡に生きている。

学生の頃、お笑い芸人に憧れて、
放送作家になることが夢だったが、

その夢に対し、大した努力をすることもなく
当然のごとく、夢が叶うわけもなく。

10代
バンドをやったり、
現代アートに触れてみたり、
エッセイを書いてみたり

20代
社会人になり

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またきっといつかどこかで 8

またきっといつかどこかで 8

「山さん、ふきこぼれやらん?」

それは、高校時代の同級生からのメールだった。

相田君
彼は芸大生になっていた。

ふきこぼれ

高校時代、JamFilmsをはじめとして
サブカル界隈でショートフィルムや小劇団が
流行っていた頃、
その空気感に憧れた僕達は、
「ユニットを組む」ということがしたくて
その時仲が良かった数名で何をする訳でもなく、ユニットを組むことにした。

結果、みんなで遊んだり、

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またきっといつかどこかで 7

またきっといつかどこかで 7

「やまもっちゃーん」

「おお、桜庭、どうしたん?」

「あのさ」

「ん」

「ランランのことなんだけど」

「うん」

「やまもっちゃん、今は友達って感じだって」

「うん、、、は?」

「今はまだ友達って感じだって」

「え、お前、ほんとに聞いたんか?マジで、いや、バカなの?」

「まあまあ、次行こ、次!」

「俺ですら返事まだ聞いてないのに!」

「ははは、まあいいじゃん」

「いや、ちょ

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またきっといつかどこかで 6

またきっといつかどこかで 6

えー

あのー

「なになにやまもっちゃん」

「早く言えよ」

えーとですね

好きかもしれん

僕は仲のいい同回生2人と学食を食べていた。

「え、なに、誰?」

ランラン

「えー!やまもっちゃーん、恋してるねー!大学生!」

キミも大学生やろ

「そうなん?え、いけるか向こうに聞いてやろうか?」

いや、デリカシーっちゅうもんがないんか。
そもそも向こうは先輩と付き合ってるし。

「へーそ

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またきっといつかどこかで 5

またきっといつかどこかで 5

約束の日
僕はランランの働くバイト先へと向かった。

「えと、確かこの店だったな…アパレルでバイトしてんのか…」

店内をキョロキョロ見回すと、接客途中のランランを見つけた。

「へー、働いてる姿を見るのはなんか新鮮だなぁ」

「いらっしゃいませー、どうぞご覧くださいませー!」

「お客様、なにかお探しですか?プレゼントですか?」

「あ、いえ、え、大丈夫です!」

僕は一目散に店から逃げた。

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またきっといつかどこかで 4

またきっといつかどこかで 4

「おはよーございまーす」

「ああ、山本くん...おはよう、ジャンプを...」

「ああ、わかりました、買ってきますねー」

「内辺先輩、ジャンプとコーヒーっす」

「ああ、ありがとう」

談話室

生協の2階、タバコの匂いと煙が立ち込める場所が
軽音楽部の部室だった。
大体の部員が、休み時間や授業終わりにここで喋ったり、麻雀したり、マンガ読んだりして過ごしていた。

優しい先輩たちと、優しい同回

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またきっといつかどこかで 3

またきっといつかどこかで 3

大学に入学し、
軽音楽部の新歓コンパは続く。

今日は夜の公園で花見しながらの催し。

「えー、じゃあ自己紹介していこうかー。
そっちの子から!そうそう、キミ!」

新入生あるある、自己紹介地獄である。

何度も言うが、僕は男子校で3年気楽に生きてきてしまった。

大勢かつ女子のいる飲み会での自己紹介など持ち合わせていない。

「えー!藤岡蘭っていいますー。
みんなからはランランって呼ばれてます!

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またきっといつかどこかで 2

またきっといつかどこかで 2

2005年 4月

新入生のみなさーん、テニス部ですー!
飲み会やりまーす、タダでーす!
とりあえず来てくださーい!

ねえねえ?新入生?
今日新歓コンパやるんだけど来ない?
友達沢山できるよー?

「いえ...すみません...入る部活決めてるので...」

大学入学────

初めての一人暮らし、初めての土地。
そんな事より僕には不安があった。

「男子校で3年気楽にやってきたから女子と何喋って

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またきっといつかどこかで 1

またきっといつかどこかで 1

「おつかれー、帰るよー」

「チーフ、お疲れ様です」

「ああ、2日間ありがとうね、お土産食べてね」

「いただきまーす」

「また明日ねー」

...日常に戻ってきたなー。

.........。

───ガチャ

「いらっしゃいませ、あ、恭輔くん」

「こんばんは、マスター、ビールと納豆ピザで」

「旅行どうだった?」

「楽しかったですよ、温泉も入れたし、花見して仕事のことも忘れられたし、申

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まんぼう明け、仕事終わりに1杯頂けるありがたみ。

身体と心が反比例

身体と心が反比例

35歳

若いときに比べて、体の変化に気づいてくるお年頃。

集中力がもたない、疲れが取れない、痩せにくい
ストレスが溜まりやすい、お酒が翌日残る。

僕もまた、例にもれずその1人である。

そして、このくらいの年令になると、
こぞって健康のことを調べ始める。

筋トレ、オートファジー、腸内環境を整える
いいマットレス、枕

瞑想

マインドフルネス

どうやら瞑想って凄いらしいぞ?

どうだろう

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人畜無害と旅をして。

人畜無害と旅をして。

「山本くんは…4番めに好きかな、話しやすいし」

小学生の頃、一緒に帰っていた女子に言われた。
聞いてもないのに。
4番めとは一体どの程度の好きなのか。

「山本くんには相談しやすい、一緒に考えてよ」

中学生の頃、友達の恋の相談をよく受けた。
いや、俺付き合ったことすらないのに。

「山さんは常に安定している」

高校生の頃、オタクっぽい友達と
ヤンキーっぽい友達を繋ぐ真ん中のポジションにいた。

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今日は給料日だし、むしゃくしゃしたから、結構いい値段のステーキをスーパーで買っておもむろに食べたが、脂がもうキツすぎて後悔している。
もう2度とステーキ食べなくてもいい気すらしているが、また一年ぐらいしたら思い出したように食べて後悔するんだろうな。そうやって歳をとる。

嘆いて嘆いた世界に馴染んだ夜のラーメン

嘆いて嘆いた世界に馴染んだ夜のラーメン

そういえば、若いときに比べて物欲がなくなってきた。
寒い夜にラーメンを食べながらぼんやり考えている。

服も小綺麗に見えればそこまでこだわりがなく
靴もブランドより機能性を重視する。

なにか欲しいなとお店に行っても
「今はまだいいか…」「別に今ので困ってるわけじゃないし」
と、結局何も買わない。

お金の使い道・・・
毎日のごはんと、気になった本、日用品、仕事に必要なもの
コンタクト、車のガソリ

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セルフの定食屋に行くと、決まって取りすぎる。食べすぎる。
あれもこれも、と思ってしまうし
若い時の感覚で量を決めてしまう。
気づいたら1500円ぐらいになってて後悔する。
身体と心のバランスが取れてない。

この事柄なら永遠に喋ってられるとか語れるとか、
大好きで大好きでたまらないものとか
よくよく考えたらないなぁと思う。

ぜーんぶ、浅ーく、広ーく。

それでいいような、
だめなような。

寒い夜にカレーうどんが染みる。