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創造性の共有社会に向けた考察

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我々が次に共有すべき価値とは何かを、自分なりの考察として積み上げる。
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2020年8月の記事一覧

“E”の問題

“E”の問題

■■漠然とした不安「このままでは地球は長くは保たないのではないか–」。

この警告はすでに50年も前に発せられていた。1972年に出されたローマクラブの「成長の限界」という研究報告には、地球の許容量に比べて今の文明があまりに多くの課題を抱えていることが既に指摘されていた。それから半世紀近く経ったが、地球が抱える問題は一向に解決しそうにない。20世紀には私たちはまだ解決すべき問題が何かが見えていた。

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コンビニと微生物

コンビニと微生物

変な問いかけだが、ゴミは“いつから”ゴミになるのだろう。最初から最後までゴミであるようなものはあんまりない。使っている間はゴミとは呼ばれないからだ。しかし使い終わって不必要になると、それはゴミと呼ばれるものに変わる。だからゴミは元々あるものじゃない。どこかの段階でゴミに「なる」のだ。

例えばコンビニでお弁当を買うとしよう。ご飯とスパゲティーの上に乗った唐揚げの横には漬物が銀紙の小皿に盛られ、緑の

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アウトキャスティング思考

アウトキャスティング思考

いつの世も、のけ者やよそ者、村八分やならず者というのは居る。協調性がなく、和を乱し、誰からも相手にされない人々。いや“人々”というのは適切ではないかもしれない。それぞれは孤立した者たちだからだ。こういう人々のことを英語では「アウトキャスト(outcast)」という。このアウトキャストの立場から見ることが時に必要なことがある。

現在立っているところから、未来を見ることを「フォアキャスティング(fo

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パンデミック後のまなざし「A・B・Cの選択」

パンデミック後のまなざし「A・B・Cの選択」

※2020年4月27日の時点で、WIreless Wire Newsに掲載した論考です。

■■元の世界は二度と戻ってこないが前の論考「パンデミックをつくったのは誰か」では、「新型コロナウイルス」という“自然現象”と「パンデミック」という“社会現象”の二つを分けて、「まなざしのデザイン」の観点から考えた。その中で、今回のパンデミック現象は新型コロナウイルスそのものよりも、ウイルスの情報に反応して起

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グローバリズムから「インターローカリズム」へ

グローバリズムから「インターローカリズム」へ

2020年1月より世界中に拡散したといわれる新型コロナウイルスと、それに端を発するパンデミック現象は、半年経った今でも世界中を席巻している。この新型コロナウイルスという存在そのものや、その危険性についてはまだよく分かっていない部分も多い。その中でWHO(世界保健機関)によって早々と出されたパンデミック宣言や、世界各地で都市封鎖が行われたことで様々な影響が現れている。

果たしてこの封鎖を行う必要が

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