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すこしだけ長生きしてみたいと思った


2023年9月30日(土)朝の6:00になりました。

ともに笑いを味わえるかどうかが、人間関係において決定的に大切な何かなのだ。

どうも、高倉大希です。




生まれてこの方、長生きしたいと思ったことがありません。

べつに、はやく死にたいという話ではありません。


80歳くらいまで生きられればよいかなとか、そういう話でもありません。

字義どおり、長生きしたいと思ったことがないという話です。


それはきっと、未来が想像できるものだと思っていたからです。

そして、現状が大きく変わらないことをずっと望んでいたからです。


「四十にして惑わず」というのは、四十になったら惑わなくなるということじゃないんです。四十になったら、惑うのは年のせいじゃないことがわかるということなんですよ。

糸井重里、邱永漢(2011)「お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ」PHP研究所


心理学の分野に「Planned Happenstance」という考え方があります。

日本語で言うところの「計画的偶発性理論」です。


個人のキャリアの8割が、予想できない偶然のできごとによって左右されている。

偶然を意図的に生み出せるよう、積極的に行動することが大切だ。


簡単に言うと、このような考え方です。

10年前の自分が想像していた姿といまの自分の姿が、ぴったりと重なることなんてめったにあるものではないのです。


長生きすればするだけ、自分が新しいゾーンに入っていくからね。知らないゾーンに入ったときは、いつも初心者になれます。そんな簡単に「初心に戻れ」ったって戻れないですよ。

横尾忠則(2021)「YOKOO LIFE」ほぼ日


横尾忠則さんのこの文章を呼んで、わりとショックを受けました。

この本が発刊された2021年時点で、御年85歳です。


「長生きすればするだけ、自分が新しいゾーンに入っていくからね」

「知らないゾーンに入ったときは、いつも初心者になれます」


どれだけ日本の現代美術に大きな功績をのこした人物とはいえ、ひとりの85歳のおじいさんです。

そんなおじいさんにこんなことを言われてしまったら、長生きしてみたいと思うしかありません。


知りあいが、知りあいの外科医の人を誘って連れてきたことがあったんです。その人なんか面白くて「あんたはおいくつですか」って。で、さ、七十九ですよというと「もうそれだけ生きればいいじゃないですか」と即座に言いましたから。こちらはもう自信のあるお医者さんだなと思って、そう聞くとラクになるし、げらげら笑う以外にはないわけで。そのぐらいで、もういいんじゃないかと思うんです。

吉本隆明、糸井重里(2004)「悪人正機」新潮社


きっと10年後の自分がこの note を読み返したら、つまらないことを考えているなと思うのでしょう。

でも、たぶん、それでよいのだろうなと思います。






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