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こころの栄養達

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心やこころを揺さぶってくれた、素敵な言葉の宝箱。 いつも素敵な言葉を紡いでくださってありがとうございます。
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#詩

【詩】産みの苦しみ

【詩】産みの苦しみ

産みの苦しみ

いつもいつも私は苦しむ
苦しむことなく産むことはできない
何度となく描いて消去して
何時間もそれに費やす

それは苦しむことで産まれてくるが、産まれた時の喜びは大きい

何度も何度も読み返す
何度も何度も消去する

そうして産まれたそれは

我が子と等しくかわいい
我が子と等しく素敵で
我が子と等しくいとおしい

作品たちに命があるとするならば
私を全力で支えることだろう
私を全力

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「翳」

「翳」

葉の隙間から溢れた光は、他のどんな光よりも眩しいらしい。

【詩】どうしようもない夕焼け

【詩】どうしようもない夕焼け

頭をひねり潰された僕の残像が
道で抜いた雑草握りしめて
きたない路地裏をうろついている

心を半分あげたのに
残りの半分が急に変色したことが
なんとなく釈然としない

新発売のガムを気分よく噛んでたら
すぐに味がなくなってげんなりする感じ

味がなくなってもガム噛み続けて
気分が悪くなってオエッてなる感じ

電柱に頭をぶつけまくる日々
足し算も引き算も間違えて
節約してるつもりが損してる毎日

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【詩】普通の人間

【詩】普通の人間

君は普通の人間さ

普通の人間が

普通に挫折して

普通に傷ついて

普通におかしくなってしまっただけさ

それくらいのこと

君ほどの普通の人間なら

ずっと前から理解していたはずだろう

君は普通なのだから

普通に喜び

普通に悲しみ

普通に自分を傷つけて

普通に暮らしていきたまえ

普通が普通に憧れようとする真似は

もう、やめたまえ

【短編】ラグジュアリーホテル

【短編】ラグジュアリーホテル

投げ捨てたい。なにもかも。ラグジュアリーホテルの窓からあれもそれも、果てしなく、確実に、抜かりなく、ひとつ残らず投げ捨てたい。傷ついて哀しいわけではない。いらだちが抑えられないわけでもない。ただあらゆるものを投げ捨てて、宙を舞う姿に自分を重ねたい。そう、私は解放されたかった。

パパの服を適当に投げ捨てる。自分の服も程よく投げ捨てる。ルームフレグランスを投げ捨てて、リファのドライヤーも投げ捨てる。

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【詩】記憶自殺

【詩】記憶自殺

消えたくなる過去の思い出に襲われて

耐え切れず

脳内のゴミ処理場に向かって飛び降りて

不燃物混入防止のバリアに激突して

ばらばらに散らばって

万策尽きたまま横たわって

ほろ苦い風がすべてさらってしまって

記憶は息を引き取って

何もかも

消え失せてしまったよ

前に『優しい人は環境を信頼しすぎる』というつぶやきをした。だけどやっぱり僕はそういう人が好きだ。
優しい人は美しい花に似ている。周りの環境も優しいと思い込んでいるから、儚い形状で花を咲かせ、そして厳しい環境によって散る。だけど、その生活環で見せる切ない美しさは他に類を見ない。

詩⑥応援歌

詩⑥応援歌

厚い雲の隙間からもれいづる
青い空の光輝く様が眩しくて
目をすがめつつ
目の奥に残像を焼き付けつつ
その澄み切った爽やかな色を
瑞々しさで溢れるコントラストを
それでも見ずにはいられない

遠い青空は
遠い記憶につながり
私にとっては
もう遥か彼方に
霞んでしまった記憶を
ぼんやり浮かび上がらせる

離れた微かな繋がりに
少しでもあたたかみが
伝わりますように
少しでも明るさが
伝わりますように

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詩「好き」

詩「好き」

 好きだと想ったら
 ハートからひょっこり
 芽が出てきた

 好きという想いが
 つのればつのるほど
 芽はのびていく

 水をあげよう
 肥料をあげよう
 太陽をあびよう

 もっと もっと 育って
 ぼくの
 わたしの
 「好き」

↓ 前回の詩もぜひご覧ください!

【詩】おしゃべり

うるさくてごめんね…

もう黙るね…

一生喋らないから許して…

ところでさぁ〜

って君が好き

【詩】泡

深い海の底
生の証は泡となって
上へ上へ

反対に落ちる
黒い影
全てから遠ざかるようで
近づいている
生の境に何かを求めて

スリルなんて内向的なものじゃない

ただ

誰かに見つけて欲しいだけ

ただ 

それだけ

【詩】酔

あぁ…良い…
皆に否定されたこの時

後悔なんてあるはずない
あっても明日の私
もはや他人だ
いや、
私なら理解してくれるかな

これ以上ないことを予感させる
酔い
正常が如何につまらないことかわかる

明日の私にはすまないが

このまま終わっても良い

いや

終わるなら

これしかない

間違いない