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■お城をめぐる旅②―姫路城に行ってきました(2)

えりたです。

先日、所用のため立ち寄った姫路で、少し時間ができたので、姫路城へ行ってきました。そのときのお話を、何回かに分けて書こうと思います。今回はその第2回目ですが、前回更新した第1回目の記事はコチラです。

姫路城は1993年に日本初の世界文化遺産に登録されました。「外観の美しさと城としての実用性を兼ね備え、日本の木造城郭建築の代表例」としての登録でした。

そうして、2009年から「平成の修理」として、大天守保存修理工事に着工し、2015年に終了。現在の展示では、その修理の様子も垣間見えるようになっています。

私が訪れた日は、小雨が降ったりやんだりしていましたが、そのおかげでか思いの外観光する方が少なく、お城の優美な姿を思う存分堪能することができました。

・ ・ ・

前回の記事では、姫路駅から姫路城入口のあたりまでの道のりについて書きました。えぇ、中にまで辿り着かなかったのですね💦 ですから、今回は入口から天守に辿り着くまで、あたりのお話をしようと思います。

ではでは、レッツゴー。


■私の視点の大前提

突然ですが、私がよく出没しているのは「名古屋城」です。その名古屋城には、名古屋に所縁のある武将さまたちで結成した「名古屋おもてなし武将隊」の皆さまがいらっしゃいます。そして、私は御大将である「織田信長さま」の家臣です。

ところで、名古屋城では、武将さまが直々にお城についてご指南してくださる「名古屋城ツアー」があります。

そうするとですね。

私は、信長さまがお城にいらっしゃるときに、名古屋城に出没しますから、自ずと信長さまのツアーを受ける回数が多くなるですよ。そうしているうちに、とのの城への視線が少しばかり伝染ってきてですね。

どうすれば、このお城を攻略できるか。

という観点でお城を見るようになってしまうのです。しかも、これはどこのお城に行っても変わらず発動されるスキルでして。このことをとのにお伝えしたら、「良いではないか(笑)」と良い笑顔をいただきましたとさ。

って、何の話だ。

あ、そうそう。姫路城ですよ。初っ端から、あらぬ方向のお話をしていますが(笑) この視点は、今回のお城である「姫路城」を歩くときにも発動されたのです。

そうしたら。

■どこから見ても完全無欠の軍事要塞でした

現場からは以上です。

……で終わったら、それはそれでネタにはなるかもですが、記事としてはどうかと思うので(笑)もう少しkwsk行きたいと思います♪

■そもそも通路が狭くて低くて

姫路城の入城口を入り、そのまま大きく左回りに階段を上ります。すると、菱の門があるです。

そうして、この菱の門をくぐると、右手にドデンと大天守が見えるのですが。

ここから、すぐそこに見えている大天守までの道のりがもう……門は多いわ、道は狭いわで……初っ端からいろいろな決意を完膚なきまでへし折る仕様になっているのです。

最初の門をくぐってすぐの道の幅が異様に狭い

ということは、姫路城では、最初の段階で「大勢で攻め込まれても、少人数ずつしか前進できない造り」になっているのです。しかも、階段仕様になっているところも多くあります。

広くて、不規則で登りにくいヤツ。

これを見るだけでも、「あ……大天守に辿り着く気がしない……」と戦意を喪失すること請け合いです。しかも、短い距離ですぐに次の門があります。

この「門」もクセモノでして。

門をくぐるときには、一時的に道幅が狭まります。ですから、それまでの道で、幅いっぱいに混みあいながら歩いていると、この「門」のところで、ぎゅんっと詰まってしまうわけです。

で、ぎゅうぎゅうしながら、門を通り抜けると。そこには。

ものっそいせまい間隔で「狭間(はざま)」が開けられています。

狭間とは「天守や櫓、土塀の壁面に開けられた矢や鉄炮を放つための穴のこと」です。写真で言うと、土塀に開いている四角や三角の穴を指します。つまり、「門」でぎゅうっとされた挙句、ようやく入ってきた人たちを的確に射たり、撃ったりできる仕掛けが施されているのです。

ここまでをまとめれば。

「姫路城を落とすぜ、いぇ~い!」なテンションで、ものっそい人数が姫路城へ攻め込んで来たとしても、初っ端の道の狭さで少人数ずつしか前進できず、進めたとしても「門」があるたびに押し合い圧し合いになり、しかも、そこへ超至近距離で矢や鉄炮が攻撃してくるという、まさに「地・獄・絵・図」♡

そう考えると、姫路城では、少し歩いただけで大天守には絶対到達させないぞという意気込みがマックスの熱量を放っていることが実感できます。

さらに言えば。

ところどころにある門の天井が、そろいもそろって、めちゃくちゃ低いんです。

たとえば、私の背丈は4尺1寸ほどです。これは、戦国時代の男性の平均身長あたりの数値になります。つまり、全然高くないんですね。それでも、門をくぐるときには、思わず「低っっ」と呟いてしまうほどの高さしかないのです。

たとえば。

足軽さんはこれに陣笠を被っていますから、それだけ背丈も高くなりますよね。でも、その足軽さんが陣笠を被り慣れていなかったら。あるいは。私より少し身長が高い人が被り慣れない陣笠を着用したまま、この低い門を走り抜けようものなら

そりゃもう、ガツンっとアタマをぶつけちゃいますよね(涙)事実、ワタクシったら、差していた傘を何度かぶつけて「うわぁ」ってなってたですし…(´;ω;`)ウッ…

今でこそ、こんなにラブリーで、心づかいのある注意書きがありますが、当時はありませんし。戦争に駆り出された足軽さんたちは、まったく知らない場所を「迷わず行けよ、行けばわかるさ」の心持ちで走り抜けることを求められますし。

そう考えると、この仕様の道、門……初見の足軽さんたちが大天守まで辿り着くのは、無理ゲーとしか思えません。

また、今この写真を見て、ふと思ったのですが。

おそらく、敵に攻め込まれているときって、門の扉は閉じてますよね。で、攻め込む側の先頭を行く人たちはそれを力尽くで、こじ開けるわけです。

どぉぉん。

ここで目を転じて、城を守る方のことを考えてみます。すると。

この写真にある芝生部分に、兵隊さんを置きますよね。しかも、その上には狭間がえげつなく狭い間隔で開いてますよね。

つまり。

扉が開いた反動のままに勢い込んで攻め込めば、そこで待ち構えていた敵兵と、弓矢・鉄炮の嵐が襲い掛かってきて、一網打尽なナニカが起きる未来が見えるわけです(号泣)

うわぁ……思っている以上にえげつない堅牢さがここにも……しかも、ちょっとした坂になってるし……(@ ̄□ ̄@;)‼

といったところで、今回はお開きにしたいと思います。

■次回こそは内部に入り込むぞ

そんなこんなで、姫路城探訪記2回目でした。今回は、大天守に辿り着くまでにおそらく全滅させる気満々の仕掛けについて書いてみました(え)

姫路城はうつくしく優美な姿をしています。「白鷺城」の名もありますし、「暴れん坊将軍」での印象も強いですから、その側面が取り上げられがちではあります。

でも、一方で、この城を攻めようと思ったとき、細部に至るまで精緻に堅牢につくられていることが分かります。そうして、そういった合理性や機能性って、突き詰めると「うつくしさ」へ繋がるものだと思うのです。

強さとうつくしさとは矛盾するものではない。むしろ、同居すべきものだ。

そんな心意気が子のお城には溢れているように思うのです。今回は、大天守へ向かう道をくわしくご紹介しましたが、その精神は天守内部にも溢れていました。

・ ・ ・

というわけで、姫路城探索記はもう少し続きます。次回もお付き合いいただけたら、嬉しいです。


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