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大河ドラマ『光る君へ』を100倍楽しく見るために

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大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期を舞台としています。日本史の授業で習ったあの頃の歴史や文学について、もっとくわしく丁寧に知ることで、ドラマもより楽しめるのではないでしょうか。… もっと読む
このマガジンは、毎週1~2本記事を更新します。平安時代の歴史や、『源氏物語』などの文学について、今… もっと詳しく
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記事一覧

■大河ドラマ『光る君へ』第11話「まどう心」感想―フラグを立てるイケメンはここにもいました

さて、第11話「まどう心」です。 第10話で、都をバックに全力笑顔の兼家パパりんが映し出され、パパりん絶好調! が予想された第11話。初っ端からもぅ、パパりんは摂政さまですからねぇ…お衣装からして違います。 それにしても。 勤務を終えてお家に帰り、一晩明けて出社(=出仕)したら、社長(=帝)が変わっていたとか…どんな気持ちになるんでしょうね? そりゃ、評判は芳しくない社長でしたが…ちょっとモニョりますよね。 でもきっと、兼家パパりんが企んだ何かしらがどうやら成功したら

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■大河ドラマ『光る君へ』第10話「月夜の陰謀」感想―新時代はこの未来だ

さて、先週は第10話「月夜の陰謀」でした。 兎にも角にも恋を語る道長どんと、志を語るまひろっちの対比がものっそいなぁと思いながら。これが思春期を拗らせていられる上級貴族の末っ子ちゃんと、大人にならざるを得ない下級貴族の長女の恋路かぁとしみじみ(言い方)。 思わず「オレと仕事、どっちが大事?」と彼氏に聞かれた昔を思い出すなどしておりました。ちなみに、「仕事に決まってるじゃん」と即答し、二股かけられた挙句に振られたところまでが1セット♡ …って何の話をしているのだ?(滝汗)

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■大河ドラマ『光る君へ』第9話「遠くの国」感想―明日から本気出す

さて、波乱の第9話でしたが、みなさま……情緒はご無事ですか? 多くの人と同じく、私も予告で「遠くの国」とタイトルが出たとき、「あ~直秀が越前に行っちゃうのかぁ…しばしのお別れ、さびしいなぁ」くらいに考えていたのです。そう、越前編でまひろっちとの再会イベントが発生することを信じて疑わなかったのです。 駄菓子菓子。結果はアレで(泣) いくら「遠くの国」と言ったって…トート閣下のいらっしゃる黄泉の国まで行かなくてもいいぢゃんかよぉ(号泣) この結末のもたらす衝撃があまりにも

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■大河ドラマ『光る君へ』第8話「招かれざる者」感想―壺拭くお兄ちゃんと「シムラうしろ!」な花山帝

えりたです。 先週の大河ドラマ『光る君へ』は第8話「招かれざる者」が放送されました。どちらかというと、第9話以降への布石がものっそい敷かれて、その意味でもドキワクできたお話でした。 ワタクシ個人といたしましては、高橋光臣さん演じる藤原義懐が陣定で公卿さまがたに檄を飛ばす場面に胸をアツくしておりました。 いや、だって。 義懐が「帝の仰せですぞ!」みたいに命令する口調が、同じく高橋光臣さんが演じていた轟轟戦隊ボウケンジャーのボウケンレッドの 「おれはすでに命令した! こ

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■大河ドラマ『光る君へ』第7話「おかしきことこそ」感想―緊縛する愛情とド直球な本音を炸裂させるイケメン

さて、大河ドラマ『光る君へ』第7話です。今回は忯子の死に絶望する花山天皇から始まりました(涙) その後、絶望のあまり、ぐんにゃり軟体動物化した花山天皇がお持ちになっていたのは、あの緊縛な赤い布でした。即位後の添伏での緊縛プレイで使われたあの布です。 初めてあの緊縛を見たときには、思わず「やはり花山天皇だから…?」と気持ちがざわざわしちゃいましたが。でも、やはりそれは花山の忯子への(ちょっぴり過剰な)愛情表現だったようで… 衝撃的な場面であったからこそ、あの赤い布は、見て

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■大河ドラマ『光る君へ』第6話「二人の才女」感想―脱いだらすごいイケメンと、理想を持ち信念に生きるお兄ちゃん

大河ドラマ『光る君へ』の放送も早いものでもう第6話です。このスピード感だと、あっっっという間に三郎が「望月の…」とか言って、ロバート実資さまに真顔で「そういうのは好きではない。」と言われてしまいそうです。 そうして、第6話ではとうとうファーストサマーウイカさん演じる「ききょう(清少納言)」さんがご登場になりました。 空気を読まずに、自分の思ったことをはきはきと(早口で一気に)述べる感じ。まさに「これぞ、私たちの清少納言さま!」なお姿が画面のなかにいらっしゃって! ワタクシ

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■大河ドラマ『光る君へ』第5話「告白」感想―フラグを立てるイケメンと桃太郎侍をめざす帝

さて、大河ドラマ『光る君へ』もあっという間に第5話まで来ました。 ここまでのお話も毎回怒濤の展開に翻弄されて、うぉうぉ言っていましたが、今回は主人公二人の関係に明確な転機が訪れました。 最後の場面、おうちへ帰ってきたときのまひろちゃんの表情にぞくっとした方も多いのではないでしょうか。少女であれた時間は終わり、女性としての時間へ否応なしに放り込まれたまひろ。目の表情ひとつで、あんなにも雄弁に語れるものなのだと、役者さんの凄まじいお仕事ぶりにやはりうぉうぉ言っていたのでした。

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■大河ドラマ『光る君へ』第4話「五節の舞姫」感想―ちょっとした冒険だな…アタック!

そんなこんなで大河ドラマ『光る君へ』第4話です。 実は、日曜日は大阪におりましたのでリアタイ視聴はできず。体力的にも限界が来ていたので、Twitter(現X)もさほど眺められずいたのです。が、目に付いたところで、緊縛とか、緊縛とか、花山天皇とか「あっ…(察し)」な単語があったので、永観二年の八月を迎えたのだなぁと思ってはおりました。 ということは、前回の感想でも勝手に盛り上がっておりましたが、轟轟戦隊ボウケンジャーのチーフである藤原義懐さまがお出ましということであり(何か

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■大河ドラマ『光る君へ』第3話「謎の男」感想―但し、イケメンに限る

というわけで、大河ドラマ『光る君へ』第3話です。 第3話はとりあえず初っ端から『源氏物語』帚木巻にある「雨夜の品定め」を彷彿とさせるボーイズトークが展開され、思わずきゃ~となりましたが。みなさまはいかがでしたか? ここでも公任さまが超公任さまでやばかったです(語彙力) さてそんな第3話の感想!…ですが、おそらく今回も主人公さんたちはほとんど出て来ません(笑) いや、彼らに興味がないわけではないのですが、そもそも平安クラスタな私はどうしても好きな方々に目線がロックオンさ

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■大河ドラマ『光る君へ』第2話「めぐりあい」感想―史実と創作の狭間にある執念を

大河ドラマ『光る君へ』第1話の衝撃も冷めやらぬまま、あっという間に第2話へ突入しました。しかも、その第2話もものっそいスピードで終わり、既に気持ちは第3話に向けて、超そわそわ。 今回のお話は、第1話から6年経った永観2年(984年)のお話でした。この年の8月には円融天皇(坂東巳之助さん)の譲位があります。その前触れを示す場面も、ものっそい不穏なものでしたが、ありました。 そんな第2話の感想です。 ちなみに、第1話の感想はこちら。 ■第2話「めぐりあい」あらすじ ■今日

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■大河ドラマ『光る君へ』第1話「約束の月」感想―中関白家と円融天皇と

とうとう始まりました、大河ドラマ『光る君へ』。みなさんは御覧になりましたか? 私はリアタイ視聴こそできませんでしたが、映像苦手民にしてはめずらしく、その日のうちに録画を見、ざわざわしておりました(笑) 今回はそんな『光る君へ』第1話「約束の月」の感想です。 ■第1話「約束の月」あらすじ■定子さま爆誕! 中関白家は順調ですワタクシの中関白家(道隆さまのお家)好きは以前からお伝えしていましたが、道隆さまのうるわしさ、超お兄ちゃんっぷり以外にも、第1話ですでに感涙にむせぶ出来事

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■平安貴族たちの心の軸にあるものは―ビギナーズ・クラシックス『白楽天』

大河ドラマ『光る君へ』第6話では、藤原道隆さまのもとで「漢詩の会」が催されました。 そのとき参加した若き上級貴族(通称F4)のうち、お三方は白楽天の詩を提出し、藤原公任さまだけは白楽天の詩を下敷きにした自作の詩を詠まれました。 今回は、その白楽天の漢詩を集めた『白楽天』という本のお話です。 ・ ・ ・ きっかけは『紫式部日記』でした。 大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期に『源氏物語』という世界最高峰の物語を紡ぎ出した紫式部を主人公とした物語です。 彼女―紫式部は

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■歴史は勝者が描く―『藤原公任 天下無双の歌人』

2024年の大河ドラマ『光る君へ』。 1月7日に初回放送も始まり、私たちの期待以上の物語が展開されています。それを繰り返し見ながら、来週への期待に胸を膨らませていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。 そのなかで「藤原道隆公」をガチ推ししている私。放送開始前、井浦新さんが演じられる道隆公のお写真を見て、パトラッシュと一緒に天に召される勢いで沸き立っておりました。 が、実は、それを上回る高揚感をくださったお写真があったのです。それがこちら。 町田啓太さん演じる「藤原公任

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■1000年前のラグジュアリーを最新の研究から学ぶ―『紫式部と王朝文化のモノを読み解く』

大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期の物語です。年代で言えば、西暦1000年前後。今から約1000年前の時間を舞台にしています。 もちろん、同じく「日本」という国で暮らしていますから、1000年前と言えど、共感できるところ、身近に感じるところもたくさんあると思います。たとえば、春の桜を愛でる気持ち、あるいは、新年を迎える新鮮さ。そういったものは今も昔も変わりません。 ですが、やはり1000年の時間の隔たりは大きいと感じるところもあるのです。それは、衣食住など文化の具体的な

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