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雑記

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#ケイパビリティ

近代経済学のブレークスルーのために

限界革命で特徴づけられる近代経済学は、経済学の定量化に大きな役割を果たし、その理論的古くささ、あるいは非現実性とは別に、基礎理論としての存在感が定量性、すなわち世の中の計算高さの様なものの形成に大きく貢献しているのではないだろうか。世の中からその様な計算高さを減らしてゆくために、理論の修正によってできることはないだろうか。

限界革命を基礎づける、財から得られる効用が消費量の増大によって次第にへる

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市場と社会

前回の資本主義の限界の話を、市場と社会、という観点から角度を変えて見直してみたい。

市場と社会の特性と距離

市場とはスポット的な需給をマッチングする場であり、社会とは個別の文脈、筋、論理を擦り合わせる場であると言える。社会の範囲が限定的であれば、個別文脈は比較的社会内で共有されているので、その時点におけるスポット的需給の文脈というものが、市場においてもある程度共有されることになる。しかしながら

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パーソナリティトークンによる付加価値配分モデル

自らのマインドセットや行動様式を構築する時、初期設定では親などの自分に影響力を持つ人のトークンが組み込まれているのが、成長し、経験を積むにつれて師匠などの優れたケイパビリティを持つ人のトークンを組み込んで、自分の目的を自らの問題意識に基づいて達成するための方法論の助けとするのだと想定してみる。

そして、他者のトークンをインストールすると、そのマインドセットや行動様式を自動的に適用できるようになる

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蓄積の意味

経済学的には、蓄積とは富の蓄積であり、典型的には貨幣の貯蓄ということになる。それは本当に何かを蓄積したことになるのだろうか。

貨幣の機能

富、とりわけ貨幣というのは、その機能としては、食べられるわけでもなく、他に何か役に立つわけでもなく、最終的には単なる交換手段に過ぎず、それ以外に使い道はないといえる。法定貨幣ならば一応交換は保証されるが、貨幣価値は変動もするわけで、インフレとなれば目減りする

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問題意識の社会化

問題意識を一般化し社会化することで政治的解決を図りやすくするという代表制民主主義の手法を見た。この手法のどこに問題があるのか。

政治による問題意識の一般化

本来的には、問題意識を個別に掘り下げてそれによってそれぞれが社会と向き合うことによって多様な視点から社会についての考えが生まれてゆく。にもかかわらず、それを一般化せることで、個別問題意識が深まる前に政治的に解決してしまえば、政治家の手柄にも

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社会的分業の形成

社会的分業の成立

分業がいかに成立するかについて、スミスの原始社会から連綿と続く社会的分業の系譜では、例えば狩猟や農耕、その道具作り、捌き方など社会的価値観から生ずる問題意識があり、その解決のために仕事の分配がなされるという形が主たるものであったと思われる。それは、人的資源が有限の状態ではうまく機能していたのかもしれないが、貯蓄が発生するような状態、つまり社会的余剰が生まれるような状態となってか

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権力と金融

通貨が強制通用力を持ち、その発行権を国家機関が持つことになると、それは大きな権力の源泉となる。強制通用力とは、貨幣の受け取りを拒否できない、ということであり、それは金さえあれば何でも買える、という範囲を大きく広げることになって、金を持つことが社会の中での他者に対する権力を大きくすることにつながっている。そしてその権力を国家機関が一手に握れば、そこへのアクセスというのが強い求心力を持つことになり、そ

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自由な社会のあり方

スミス的市場原理、社会的分業そして自由意志に基づいた集団形成のあり方というのは三位一体のように感じる。

個人が主となったネットワーク

これらは、社会ありきではなく、個人が主となって、個々人が尊重されるような状況でなければなかなかうまく機能しなさそう。自由意志に基づき、自分のやりたいことを追い求め、そのときどきに気の合った仲間と緩やかな繋がりを持ち、そんなネットワークを通じて必要なものの交換がな

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無駄を生み出し続ける組織

組織というのは、価値観が統一されることで、その価値観に向けて合理的に行動するよう最適化されてゆくと考えられる。しかしながら、果たしてそのマクロの合理性はミクロの合理性と一致しうるのだろうか。そこでの合成の誤謬は一体どのように処理されるのだろうか。

組織におけるミクロ合理性

組織において、典型的な価値観は、株式会社における利益なのだと言えよう。会社組織におけるマクロの合理性である利益の極大化を推

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