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2代目繫盛のルールその29「お客様・関係生産者・スタッフ・経営者は平等に」【創業組が嫉妬する2代目マネジメント術㊵】

「ルールその29 お客様・関係生産者・スタッフ・経営者は平等に」

何故、働き方改革が進まないのか?

オーナーシェフの皆さん、中小企業経営者の皆さん、働き方改革進んでいますか?
僕の周りの経営者の皆さんも、僕を含めて一様に大変苦慮されています。

昨今、有名パティシエの運営する洋菓子店での悪質な残業代未払い問題の報道に伴い、急速に事態が進展したように感じます。
結果、一定の成果を上げられている会社とそうじゃない会社にハッキリと別れ始めました。
経営者の意識に大きな差が生まれており、あの報道がなければこんな目に合わずに済んだのにと被害者意識を持つ経営者の会社は進んでいませんし、当事者意識をもっている経営者は改革をより加速して進めています。

もちろん、会社の体制によっても左右されてています。資本のある大きな企業では比較的に取り組んでいる所が多いようですが、やはり、中小零細企業では、収益面の問題からなかなか手をつけられていないところが多いです。

そもそも、働き方改革とは何の改革かと言いますと、、、

日本は、少子高齢化に伴い今後人口減少に歯止めがきかない事態を迎えます。そのために将来の生産力の減退に備え、より少ない人数でより生産性の高い体制に、体力のある今のうちに変わって行こう、そのための働き方の改革を行おう!と言うのがその骨子です。

ですから、本来、経営側の労働体制の改革と働き手の労働能力の向上が両輪で回って初めて機能するのが働き方改革なのです。

働き方改革で業務の負担が軽くなった分を、自己成長の時間に当ててより能力の高い人間になってもらう事が働き手の義務として求められているのです。
決して楽に働くための改革ではないと言うことを忘れてはいけません。
しかしながら、何故か今は雇い手の義務ばかり取り上げられて、大きく生産性を落とす事態になりかねない危険な状態に陥っています。
その結果、働き方改革は悪の改革のように一部の経営者からは目の敵にされて、進まない事態を迎えているのです。

世の中の改革に対する誤認が、働き方改革の位置づけを本来とは間違った方向にまるで邪魔をしているかのようにミスリードしています。(誰がやっているのか?マスコミ?そのバック?)

しかしながら、経営者の義務としてはそんなことなどお構いない、待ったなしです。まずは、どうやっても僕たち経営者のマインドセットを変えなければ生き残れませんよね。

大切なのはマインドセット改革

では、これからの経営者はどのようにマインドセットを変えていけばいいのでしょうか?

僕が先ず考えたのは、お客様、関係生産者、スタッフ、僕たち経営者の関係性の見直しです。
今までのこれら4者の在り方を考え直すことで、働き方改革時代を乗り切る新しいマインドセットにアプローチをかけてみました。
それが、エルベランの目的「お客様、関係生産者、スタッフ、経営者の4者が共に豊かに幸せになる」と言うバリューです。

今までの洋菓子店経営では、例えば自社の力を100とすると、
お客様に40、経営者に40,スタッフに12,関係生産者に8と言った配分で重要度を設定し、力を振り分けてきました。景気が拡大していた頃は、それでも良かった。と言うのも、従業員は雇われている時代には苦労を重ねても、やがて力をつけて独立の時を迎えてこのビジネスモデルを継承し、自分も同じように経営すれば同じような成功を手にできたからです。

しかし、今は違います。

かつてのビジネスモデルは通用しなくなりました。

今までの常識はこれからの非常識になったのです。

だから僕は、自分のマインドセットを書き換えて自社の力100を
お客様25,関係生産者25,スタッフ25、経営者25となるよう4者を平等に並べたのです。そうする事により、何事もお客様優先、経営者優先と言う考えから、スタッフを大切にすること、関係する事業所・農家・酪農家を大切にすることも、ひいてはお客様や自分を大切にすることに繫がると言う循環型思考へとシフトすることに成功しました。

エルベランを週休二日制に変えたイベント「クッキーデー」の発想もここから生まれました。
クッキーデーは生菓子の販売をしていません。そのため製造正社員はお休みをとれます。月曜日はクッキーデー、火曜日は定休日ですから毎週2連休です。
これは、生菓子を買っていただけないと言うお客様にとってのデメリット&生菓子の販売機会の損失と言う経営者のデメリットを伴います。
しかし、4者平等の考えで言うと、今までお客様と経営者に振り分けられていた40と言う力配分を25に下げたことによって発生するモノであり、将来的に見れば決してマイナスにならない、エルベランとしてはそれをマイナスと捉える必要のない状態なのです。

こう考えられるようになってから、改革がとてもやりやすくなったのは言うまでもありません。

今では、「自分の行動は他の3者にとっても等しく豊かに幸せになれるものか?」を考えて行動するようスタッフを指導して、スタッフの行動指針としても利用しています。

「お客様・関係生産者・スタッフ・経営者は平等に」

そこからあなたの働き方改革は始まります。

創業組が嫉妬するような2代目マネジメント術で豊かで幸せな人生を送りましょう!

エルベラン2代目オーナーシェフ 柿田衛二


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