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小説・うちの犬のきもち(17)・旅行
庭のバラの花は、なんという種類か知らないけれど、薄いピンクで、外側の花びらは白く、一枚一枚の花びらの形が丸くて、たくさん花びらがあって、花ぜんたいも丸っこい。もっさり咲いて(というのは情緒を知らないママンの言葉)、近所の人が声をかけていく。
「きれいなバラですね」散歩中のおじいさんがバラを見て立ち止まり、庭の手入れをしているうちのおばあちゃんの姿に言う。
「ありがとうございます」
「写真撮っても良
小説・うちの犬のきもち(13)・努力
旅行好きのおばあちゃんが、隣の駅の始発電車に乗りたいからと、早朝、パパンとママンと車で隣の駅まで送ることになった。駅でおばあちゃんを見送った後、パパンとママンとぼくは大きな公園まで車で行ってみることにした。
大きな公園は、早朝だからか、ほとんど人がいない。
今日は晴れる予報だけれど、空気はまだ湿っている。暖かくなりそうな予感がする。
桜は半分くらい葉が出ていて、地面には桜の花びらがじゅうたんみた