【書評・感想】営業はいらない 三戸政和 著
「新卒一社目は、営業がオススメだよ。仕事の基本になるからね。」
そういわれて、新卒では営業を選びました。
教育という無形商材の営業を3年半勤めました。
マナー、上司・別部署の巻き込み方、クライアントの巻き込み方、報連相、依頼の仕方、コミュニケーションの取り方などなど、、
非常に基本になることを学んできました。
ただ、社内の状況や、受講生(=価値)との距離が遠いことから、退職を決意し、転職活動をすすめるなかでこのタイトルに出会いました。
『営業はいらない』
さいきん読んだ本の中で、非常に印象的だった本です。
本書の内容を一言で言えば、
「営業が今までやってきた仕事はすべて、テクノロジー(セールステック)に取って代わられる。
10年後には、営業という職種は存在しないだろう。」
という内容でした。
事実、
・営業職の人数推移
2000年:968万人
2018年:864万人
→ 18年で100万人減
・営業販売事務職の人数推移
2010年:56万人
2015年:70万人
→ 5年で14万人増
比較している年次は違えど、たしかに営業職が減っていて、営業販売事務職が増えているようです。
では、この営業販売事務職とはなんなのか。
それが、セールステックを使った仕事です。
セールステックは、大きく3つに分かれます。
MA:「マーケティング」業務の一部を自動化するツール
SFA:「営業活動」の一部を自動化するツール
CRM:「カスタマーサポート」や「アフターフォロー」の一部を自動化するツール
今まで、営業の主な仕事であった顧客管理は、セールステックで代替ができます。
むしろ、人がやるとヒューマンエラーが起きますから、管理といった自動化できるものはテクノロジーのほうが相性がいいです。
テスラモーターズという会社では、電気自動車の販売をすべてオンラインで販売しています。
営業や、店舗をほとんど持たない分、高い技術を持ったエンジニアを雇うことができ、結果的に高い品質の車を安く提供することができます。
(詳細はこちら。著者が執筆している記事です。)
また、営業という仕事は、社会・会社にとって必要か。
という話もありました。
主に大企業で起きているのは、営業が多すぎて利益が変わらないので売上を上げなければいけない、ということです。
昔の農民階級でおきていた、子どもができすぎて食い扶持が足らなくなっている、のと同じ状況です。
じゃあ、なぜ売上を増やさなければいけないのか。
それは、株主への配当を増やすためだそうです。
昔から、個々の権力構造は変わらないんですね。
権力を持った貴族(株主)に前年より多くの食物を渡すために、
→ 人手が必要になるから子どもを産むと、
→ 自分の家にはより多くの食物が必要になって、
→ 身の丈に合わない必要以上の仕事をしなければならない。
これらが分かりやすく示されたのが「保険の押し売り問題」が起きたかんぽ生命で、減収増益になったことです。
簡単にいうと、
『販売件数が減ったので売上が下がったが、それ以上に日本郵便に支払うコストが減ったので増益になりました。』
というものです。
また、かんぽ生命に限らず、営業という行為にも、そもそも問題がありそうです。
営業をする側の74%、営業をされる側の79%が無駄を感じているようです。
今の社会でされている多くの営業スタイルは、セールステックが台頭する前とほとんど変わりません。
飛び込み、テレアポ、DM、、、
いわゆるノルマの達成です。
セールステックが台頭すればするほど、それらは世間から迷惑行為になっていきます。
そうするとなおさら、売るほうも売られるほうもストレスがたまり、営業職の離職者数は増え、使い捨て状態になります。
ということで、
本書では、営業職は「小商い」で、「ブルーポンド戦略」を取ることを勧めています。
創業数百年の老舗企業や、アメリカのポートランドには、自分たちが豊かに生活できることを最優先にして、身の丈に合ったちょうどいい仕事・稼ぎを出し続けている企業が多いそうです。
「ブルーポンド」は、レッドオーシャン・ブルーオーシャン戦略を引き合いに出したうえで説明されています。
つまり、ブルー(競合のいない)内容で、ポンド(大企業が届かない小さなマーケット)を開拓する、という戦略です。
そこで、特に必要なのが
①市場での独占の達成(地域ナンバーワン)
②高い顧客ロイヤリティが発生しているとき(顧客のファン化)
でした。
つまり、自分たちにちょうどいい仕事・稼ぎをしながら、お金と信頼を貯金して、のびのびと過ごしていくことを勧められています。
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以上、全体のざっくり要約でしたっ!!
(体力切れです。。。笑)
いやぁ、、
転職活動中ということもあって、次の仕事を営業にするか、そのほかの仕事にするかも非常に迷いました。
結論、営業という仕事を離れて、教育担当として人事部に転職することにしました。
この本の影響だけではもちろんありませんが、営業をしてきた身からすると、
「まじか…」「でも確かにそうだよな…。」
という内容でした。
信頼残高、遊びの仕事化、仕事の遊び化、人検索、、
なんていう内容とも重なることがあり、とっても面白かったです。
よろしければ、実際に手に取って読んでみてください~*
2020年11月10日
しっぱいノート216日目
えだちゃん。
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