#一即二
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(5) 人類の思考の”底”〜ニ段重ねの四項関係としての「構造」
(前回の記事(第四回)はこちら↓)
前回は『神話論理I 生のものと火を通したもの』の「序曲」「I」を読みながら「神話は果てしなく続く」ということについて論じました。
「神話は果てしなく続く」というのはつまり、神話論理がとらえようとしている「構造」が、「始まり」と「終わり」の二項対立や、他のあれこれの二項対立の”どちらか”に振り分けられて止まってしまうような代物ではない、ということであり、神話論
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(4) 分けつつつなぎ、つなぎつつ分ける。完全に分離するでもなく、完全に一つになるのでもなく
(前回の記事はこちら↓)
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眠ることは、夢をみることである。
目覚めた世界での、お金の交換を加速する生産的な活動と比べると、眠っている時間は何も生産していない、いかにも「無駄」な時間に思えるかもしれない。
目覚めている時間 / 眠っている時間
生産的 / 非生産的?!
たしかに、目覚めている世界の側から見れば、眠っている時間は意識的に体を動かしたり言葉を喋ったり書いた
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(2) 経験的区別を概念の道具とする
クロード・レヴィ=ストロース著『神話論理I 生のものと火を通したもの』(原題:Mythologiques - Le Cru et le cuit)は、「序曲」と銘打たれた文章から始まる。
この本については以前にも他の記事で取り上げたことがあるが、今回は細かく精読してみようということで、何年かかるかわからないが最初から順番に読んでみよう。
序曲の冒頭、私が個人的にも非常に気に入っており、ほとんど
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(1) 空海の曼荼羅-「心」と『神話論理』を並べて深層意味論として読む
はじめに。空海の「心」と、「野生の思考」空海著『秘密曼荼羅十住心論』は、その名の通り「心」の十のあり方についての論として読むことができる。
『十住心論』を読む以前、私自身も現代人の素朴な常識に従って、”「心」のあり方は一つで、それは身体の脳神経か何かに還元して説明し尽くせるのではないか?”などというふうに考えていた。
しかし空海によれば、”心”の世界はもっと広大無辺である。
しかも、”心”は