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不安・パニックの治療に薬を使いたくない人へ【医師解説】

その人の好きなものや生活スタイル、食事や趣味まで。できるだけその人をたくさん知る。そして病気ではなく、その『人』を診る。現代の日本のような”治療=西洋医学”ではなく、自身の自然治癒力を高める栄養療法なども用いた【バランスメディカル】の重要性を伝える『病気にさせない内科医』るり先生。問診や血液検査などにより疾患の原因を追究し、その原因に対する根本的治療を行っている。2021年から栄養療法を開始 ライナスポーリング博士の提唱する分子整合栄養医学を医療に取り入れた観点からのバランスメディカルを展開する。がんや糖尿病、リウマチ疾患、精神疾患まで幅広い患者を治療している。


今日のポイント


まずは今日のポイントから先に🔑

『不安・パニックの治療に薬を使いたくない人へ』

私の家族がもし不安症・パニック障害・うつ病と
診断された場合はまず栄養で治療します。
どうしても薬を使った方が良い場合でも、
常にその使用を最小限に最短に、
栄養療法を併用しながら、薬を使用するでしょう。

薬は根治治療ではないから。

今日は症状が辛くて悩んでいる方に、
薬以外の方法(いやむしろ薬よりも勧めたい)
があるだよってことを伝えたい。

症状が出てしまうのは、
自分の性格のせいではありません。
不安症やパニックは生まれ持った性格ではなく、
実は栄養素が密接に関係しています。

日本でのうつ病の治療の現状

日本で行われている不安・パニックの治療は、薬によるものがメインです。
もちろんこれらの薬でうつ病から回復する方もいるでしょう。ただその一方で改善がみられない患者や深刻な副作用を呈する方がいます。

特に10代の若者にとっては、既存の抗うつ薬は効果が乏しいだけでなく、自殺率を高めるという深刻な副作用が生じる可能性が報告されています。

また薬を処方してもらったが、
この薬をいつまで飲めばいいのか?
本当は自分の力で治したいのに。
そう感じて、クリニックに相談に来る方も多くおられました。

処方薬の目的は何か?

様々な薬があり、
もちろん細かく言えば違いはありますが

メインの薬による治療の目的は、症状を和らげるために、セロトニンを脳内に留めることです。

セロトニンが精神症状の安定にはKeyなのです。

私が行う栄養療法では、
栄養を摂ることでセロトニンを増やすこと。

うつ病における栄養療法の可能性

この図からもわかるように、セロトニンを増やす大前提として、プロテイン(=タンパク質)をしっかり摂ることが必要です。
そして、次に鉄分もセロトニンを作る過程でとても大切です。
女性のパニックやうつ症状は、大部分がタンパク質鉄不足です。
タンパク質と鉄分をしっかり摂ることでセロトニンが増えるので、不安やパニックが抑えられるようになります。
騙されたと思って、タンパク質と鉄分をしっかり取ってください。みなさんかなり良くなります。
性格がかなり変わります!

しかし、タンパク質や鉄分をしっかり摂ってもセロトニンが増えないケースがあります。
それは上記の図にも出てくる【ナイアシン】という栄養素が不足しているケースです。

気持ちを楽にするナイアシンって?

ナイアシンはビタミンB3という、ビタミンB群の一つです。ナイアシンは、欧米では不安・パニックの他にも統合失調症や自閉症などに、有効であると報告されています。
なぜならナイアシンが体内にしっかりあると、セロトニンを作る経路がよく働くからです。
以下の図を使って、もう一度わかりやすく説明します✍🏻

ナイアシンとセロトニンの生成経路は被っています。
ナイアシンの方が、経路の上流にあるので、ナイアシンが不足している場合は、まずはナイアシンを優先的に作ろうと身体は働くんです。
その残りの材料でセロトニンを作るってイメージ。

なのでしっかりナイアシンを摂取することで、体内でセロトニンを作る余裕も生まれ、セロトニンがたくさん生成されやすくなります✨!

さらにいうとセロトニンの先には、メラトニンも作られるので、ナイアシンを摂るとよく眠れるようにもなります🌙✨

ナイアシンにはアンチエイジング効果も?

最近SNSの広告などで【NMNサプリメント】などを見たことはないですか?
「NMN」は体内で「NAD+」に変換されます。
しかしこのNAD+は加齢と共に低下し、40歳→60歳で最大50%も減少すると言われています。
NAD+は減少すると、体の組織の老化や機能の低下、病気を引き起こすことが分かっています。
だから、「NAD+」を作るのに必要な「NMN」が病気の予防やアンチエイジングのために注目されるようになりました。(※NAD+を直接摂ることは難しいため)
しかしNMNは特許を取得しているため、サプリメントはとーっても高価です。

しかし、実は
「NMN」→「NAD+」の手前に、「ナイアシン」があるんです。すなわち体内では「ナイアシン」→「NMN」→「NAD+」の順に変換されていきます。

ナイアシンからNAD+より、NMNからNAD+を作る方が産生効率は良いとされています。
そんな違いは多少あれど、私はNMNのような高価なものより、まずは純粋な栄養素であるナイアシンを摂るべきだと思っています。

実はナイアシンの量も血液検査から推測できるんですが、ナイアシンが十分に足りている人はとても少ないんです。

ナイアシンはどうやって摂る?

ナイアシンはカツオやタラコなどの魚介類やレバー、ピーナッツ、エリンギなどに多く含まれます。
これらを意識しつつ、精神安定やアンチエイジング効果を狙うのであれば、サプリメントの摂取が良いでしょう。私ももちろん毎日サプリメントで摂っています✨

ただサプリメントで摂る時には注意が必要です。
実際に自己判断でナイアシンを摂取し、副作用が出てそれを治療した経験もあります。
その副作用とは、
①ナイアシンを大量に摂ると、人によって一過性ではあるものの、顔面紅潮、上半身のほてり、かゆみ症状が現れることがあります。
②酸性であるナイアシンが胃の酸度を増加させることがあります。なので胃酸が多い人は、ナイアシンの摂取によって、胃の痛みや吐き気、下痢をおこすことがあります。 
ナイアシンにも種類があります。
自分はどれをどれぐらいの量から始めたらいいか、不安な方はぜひ一度相談されてください✍🏻♡

まとめ

うつやパニック、不安症で悩んでいる方。
まずはタンパク質と鉄分を意識してください。
女性は特にこの原因がとても多いです。
しかし男性もタンパク質と鉄不足が隠れているケースもあります。男性は女性違って月経というものがないので、鉄不足への耐性が弱く、症状が顕著に出てしまうケースもあります。
なのでタンパク質と鉄分は全員意識して、それでもなかなか改善しない or もっと早く効果を出したい方は【ナイアシン】を意識してみてください。

少しでも気持ちや身体が楽になりますように!
Have a nice day🤍

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