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早く帰る為に仕事をしよう

#仕事について話そう

 このタグを見た時に私は
『なんてタイムリーなハッシュタグなんだ!』と思いました。

 事の発端を話す前に私の仕事について軽く触れておきましょう。

 私は"広義的に見れば自動車産業"の部類の企業に1人部署の中間管理職という比較的特殊な形態で勤めています。

仕事は下記の内容です。

  1. 窓口及び電話対応(接客)

  2. 顧客を含めた各所への日程調整

  3. 担当者への指示(工程管理)

  4. 外注先への依頼

  5. 必要資材の発注や仕入れ

  6. 見積り作成

  7. 売上げ(伝票処理)

  8. 保証部門への提起

と、中間管理職らしく多岐に渡ります。

 これを私1人が受けたケースだけで対応出来ればまだ楽です。しかし、実際は上層部や営業の方が次から次へと案件を私に放り込むので、1日の仕事において"予定通りに進んだ"なんて日はまず有り得ません。


 さて、そういうお仕事を日々している私ですが、先日いきなり支店長から直々に呼び出しを受けました。

 私は、また苦情対応か超短期の無理難題案件を押し付けられるのかと、ため息混じりに支店長の元へ伺いました。

 すると、支店長は開口一番に
『おめでとう‼︎』と、言うのです。

 何の事かとポカンとしながら、支店長の話を聞くと、私が優秀社員として全国表彰されると言うのです。

 評価された部分は、残業時間削減に自らを含めて積極的に取り組んでいる事や、伝票処理の早さ顧客や関連企業へのフォローの細かさとの事でした。

 "何を謙遜しているんだ"とか"ひねくれ者"と揶揄されても仕方ないのですが、私は評価を意識して日々の仕事に向かっていた訳では全くありませんでした。


 先述しましたが、私の仕事は多岐に渡ります。予定通りに仕事が進むなんて事は無く、常に突発の案件や超短期の無理難題を毎日突きつけられています。

 例えるなら、毎日が綱渡りの感覚です。私自身が綱渡りの道を選んだので、それ自体は仕方ないのですが、周りの上司や同僚が綱渡りをする私に向かってジャグリングをしろと、玉を投げたりそうかと思えば、火の輪を出したりと、本当に毎日が目まぐるしくてんてこ舞いです。

 更には、元々私の勤務先の社内の空気感は非常に高度経済成長・昭和テイストに溢れていました。

 私が今のポジションに異動した頃、朝は若手社員が1番に出社して掃除をし、帰りは上司や年長者から順に帰り、若い社員は戸締りをすると言ったのが、暗黙の了解で存在していたのです。従って、私の残業は仕事をしているというよりかは、虚空を眺める時間の方が長いなんて有様でした。

 非常に無駄と感じた私は、自分の仕事が終わったら我先にと退社するようにしたのです。最初の頃は、上層部から嫌な顔や嫌味の一言二言もありました。しかし、やる事が無いのに会社に残る必要性はどこにあるのでしょうかと言い続けている内に、次第に従来の年功序列制の帰宅が無くなり、それが私から後輩へも波及するようになりました。

 私が中間管理職になった頃は、若手社員の残業時間は36協定ギリギリの80時間が当たり前でした。実際は、早く出社して掃除もしていて書けない残業もあったので、もっとあるはずです。

 今は、繁忙期を除いて40時間前後まで削減出来るようになりました。残業時間を削減した事によりなのかは分かりませんが、離職率が低下し作業担当者たちの技術力が向上し、仕事効率が上がった事と、私が作業担当者の希望日数を軸にした納期設定を顧客に提案するようにしていているのが大きな部分だと思います。

 作業担当者が希望する日数より少ない納期だと、残業が当たり前になってしまいますし、どこかで無理が生じたりミスに繋がってしまうと私は思うからです。そして、そう言ったミスは不要な残業をより生み出してしまいます。

この辺の話は私の書いた下記note記事でも触れています。


 伝票処理の短期間化や顧客や関連企業へのフォローについても、年功序列制の退勤システムの慣習化によって残業時間に突入してからダラダラと従来は取り組むのが当たり前となっていました。

 しかし、私は早く帰りたいが為に伝票処理は定時間内に開始するようになりました。それに伴い顧客や関連企業への報告・連絡・相談も自ずと実施するようになったので、結果として残業時間の削減へと繋がったのです。

 そして、これは思わぬ副産物だったのですが、顧客や関連企業への報告・連絡・相談に早めに取り組み、あわよくば完了すると、休日に『あの案件の○○の部分は当初に提案したプランで良いのだろうか…』とか、『仕様変更をせざるを得ないが顧客の予算を超えてしまっても良いのだろうか』とか、仕事の事を考える回数が減り心配事が少なくなったのです。

早く帰るようになったのと、仕事の事を考える回数が減ったのは精神衛生的にも非常に良い影響となりました。 


 一端の社員が偉そうにnoteに自分の思いをツラツラと書きましたが、私が勤務先に評価された

  • 残業時間削減

  • 伝票処理の早さ

  • 顧客や関連先へのフォロー

全ては私が早く家に帰りたいが為に効率化を図った部分です。昇格したくて評価されたくて、だとか社内の風通しを変えたくてだとかそんな大それた事は入社してからと言うものの考えた事はありませんでした。

私は残業が嫌いです。私は早く家に帰りたいです。
私は仕事が好きでは無いので、休日は仕事の事を考えたくありません。

だだその一心にありました。

そもそも残業という存在は何なのでしょうか?

 フレックス制度でも無い限りは、5分の遅刻でも遅刻の届出や理由を書かなきゃなりません。昼の休憩時間でも道が混んでいたりして、結果的に長く休んだ事になった場合でも同様です。(私は他の企業の事は知りませんが…。)

 しかし、残業はどうでしょうか?36協定などと訳のわからない労使協定を勝手に決められて、残業だけは数十時間と許されている矛盾が当たり前にまかり通っている世の中に疑問と怒りを常々感じています。

そもそも私にとって残業削減というのは、勤務先や社会に対するアンチテーゼでもあったのです。


 私が優秀社員として表彰された根底は全て“早く家に帰る為”です。それ以上の心掛けや気概なんてものは全くありません。昭和テイスト溢れる職場を少しでも現代的にしようとしただけの話です。

 最初こそ、上層部や先輩達などから嫌味や小言や無理難題の押し付けといった嫌がらせのような事もありましたが、結果として全国表彰される事になりました。

 全国表彰されるという事は、恐らく見えない所で誰かが私の事を立候補してそれが雲の上の存在の間でも認められたという事だと私は思っています。

 何度も書きますが、私は“早く家に帰りたい一心で当たり前になるべき事”を強行して積み重ねていっただけです。 

その当たり前の積み重ねが、少しずつ社風や風通しを変えていったのです。


 間も無く4月です。

 新卒採用の方達が、社会人として1歩を踏み出します。

 私は地方中小企業なので、入社当時は同期すら居ませんでした。しかし大企業だと同期がたくさんいて、結果として営業成績などを競い合う形になる方もいると思います。

 その同期レースの中で、結果を残そうと必要以上に張り切ってしまったり評価されたいが一心で大きな事をやりたいと、実力以上の案件を遂行しようと無理がたたったりしてしまいがちです。

 今回の出来事で、私がこれから社会人として生きていく若者に伝えたいのは、仕事における“当たり前”を早く帰る為にどう効率良くこなせるかを考えて下さいという事です。

当たり前が出来ないと、応用も出来ません。
 自分の出来る範囲から少しずつ業務に取り組んでください。
どうすれば早く帰れるか、どうすれば休日は如何に仕事の事を考えずに済むかだけを考えて仕事に向き合ってください。

 自分をよく見せようとする必要は全く無いのです。

 私のエゴで"仕事や社会における当たり前"の強行と積み重ねが少しだけ社内の風通しを気付かない内に変え、栄えある受賞となりました。

早く帰って仕事を忘れる為に業務に向き合う、これが私の仕事へのスタンスなのです。

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