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同棲のコツ。中間管理職のコツ。

パートナーを出会って4日で同棲を始めて間も無く2年目を迎えます。
 2年間の間、これと言った大きな衝突も無く、気持ちは出会った当初の熱量のまま過ごす事が出来ています。

 このままでは唯のノロケ記事になってしまうので、私が同棲生活において気をつけている事を今回noteで記事にしようと思いました。そして、下書きに書いている内に“これって仕事でも一緒だよな…。”とも思ったので、一中間管理職の私が、それについても併せて触れたいなと思います。

 私が同棲生活において気をつけている事はたった2つです。

・お互いに役割を決めないこと
・やった事に文句を言わないこと

 これだけです。


お互いに役割を決めないこと

 私の身の回りの同棲したてのカップルだけなのかは分かりませんが、家の中での役割を決めてしまうと、後々トラブルが発生しているイメージがあります。

 例えば、彼女は食事を作って、彼氏側は風呂やトイレ掃除をすると役割を決めるといった役割分担や、月曜日と水曜日と金曜日は彼氏が家事をやる日と固定してしまうような事です。

 確かに、水回り掃除、特にもトイレ掃除はなかなか進んでやりたい人間は少ないと思います。一方で、毎日料理をするというのも日々の献立を考えるのはなかなか苦しいものなので合理的ではあります。

 ただし、令和の時代の同棲したてカップルというのは大多数が仕事に出ていると思います。なかなか専業彼女・彼氏というのは数が少ないと思います。(それはヒモでは)そうなると、どうしても出てくる問題が帰宅時間、残業問題です。

 上記で書いた、彼女側が料理をして彼氏側が掃除や洗濯をするとルールを決めたカップルが居たと仮定します。その日はたまたま彼女さんが仕事が忙しく、彼氏さんは先に帰宅していました。彼氏さんが決めたルール通りに掃除や洗濯をしますが、この掃除や洗濯というのは毎日やるものでは無いという傾向が強いと私は思います。

 風呂掃除やトイレ掃除も毎日やっている方は少ないのでは無いでしょうか?2、3日に1回や1週間に1回ですとか、洗濯も洗濯機のサイズによりますが、これもまた2、3日に1回という頻度では無いでしょうか?

 例によって、このカップルもそういう洗濯や掃除のサイクルでした。

 そうなると、その日たまたま彼氏さんは早く帰ってきたものの、洗濯機にはまだ洗濯物がそこまで入っていないし、トイレも風呂も昨日洗ったし、やる事が無いぞという事態です。

彼氏さんは“やる事が無いし”と、ゴロゴロしている内に彼女さんが残業から帰宅します。ルール通り彼女さんは残業上がりで疲れていますが、夕食作りました。

 その日は“たまたま”彼氏さんのやる事が無かった日ですが、彼女さんからすると“何もしないでゴロゴロしているだけ”に見えてしまうのです。

 確かに“ルール”を守ってはいるのですが、この役割分担というシステム上どうしても、アンバランスさが生まれてしまいます。最初は相手の“何もしない”を許せるのですが“心のどこかの引っ掛かり”というのは、少しずつ少しずつ蓄積されていつか爆発するものです。

 彼女さんは、私だけが忙しい、やる事が多いと、思って来てしまいますし、そういう“ルール”“義務感”が生じてしまうと、どうしても手を抜いてしまったり相手との衝突を生み出してしまいがちになってしまいます。

やった事に文句を言わないこと

 私の同棲生活の場合は明確な役割分担というのは設けていません。“気がついた時”や“早く帰って来た人”が料理や洗濯などの家事全般をやります。

 しかし、同棲生活というのは“価値観の違う2人の共同生活”です。

 金銭感覚のみならず、日常生活の細かい部分にもそう言った意識の違いが起きます。

 私の同棲生活で真っ先にそれを感じたのは“洗濯のタイミング”です。

 私のパートナーが洗濯機を回す時は、洗濯槽がパンパンになるタイミングです。一方で私が洗濯機を回すタイミングは洗濯槽の8割程度の部分で回します。

 お互いにお互いの考えがあって、このタイミングで洗濯機を回しているのです。

 私が洗濯機を8割くらいの容量で回すのは、柔軟剤や芳香剤が1番よく香る気がするからというのと、部屋干しでもある程度余裕を持ったスペースを使えるので効率良く乾くからという2点が理由です。

 一方で、パートナーが容量パンパンになってから洗濯機を回すのは、水道代の節約や、洗濯1回における衣服の量を増やす事で、自身の創作活動の時間をより多く割く為でもあります。

 洗濯1つでも、それぞれにそれぞれの理由や考えがあるのです。そして、それを否定するのは誰にも出来ないと私は思うのです。

 料理にしても、私が豚汁を作ろうと思って買っていた食材を、早く仕事から帰ってきていたパートナーがカレーに使用していた事がありました。

同じ食材でも、思い付く料理ですら人それぞれなのです。

 家事全般、先ずは“やってもらった事に感謝する”事が大事だと思います。

どうしてもっと洗濯機に服が入ったのにどうしてもう回したの?
 どうして豚汁を作ろうと思っていたのにカレーにしたの?

 押し付けがましい言い方ですが“折角やったこと”に対してこういう風に言われてしまうと次第にやりたくなくなってしまいます。

気心知れた仲だから同棲生活を選んだのでしょうから、色んな価値観や物の見方と言った部分を、ピンからキリまでお互いの納得のいく形にフィッティングさせる必要は無いのです。

 逆に言えば、価値観や物の見方が合わないからこそ、そういう部分も受け入れられるのかが非常に重要と私は思うのです。

 そして、この考え方が中間管理職としても非常に大切な考え方だなと最近改めて思うようになりました。


 私の職場は数年前までは、完全トップダウン方式でした。

 上司が納期や仕様を伝えて、それがいくら無茶苦茶な工程だとしても絶対にその条件で完了させるという実に"高度経済"を感じさせる社風でした。私が中間管理職になった時はまだその空気感が残っており、通常なら4日もかかるような仕様でも明日までに終わらせなさいと上司に言われ、下からはそんなの出来るかと罵詈雑言の嵐でした。

 まさに板挟み、中間管理職冥利に尽きるといった状態でした。

 現場の人間がいくら気を使って
『この部分の仕上がりをより良くしたいから、もっと工程を延ばして欲しい』
と言っても上層部は
『そんなのを追求する時間があるなら、同じ案件を倍やった方が効率的だ』
と、突っぱねられるだけだったのです。

 そういう労働環境だったので、私が中間管理職になった頃は、お客様の納期は厳守するものの、無理な工程が祟ってしまい、完成後のトラブルが非常に多いという印象がありました。

 元々、私は指示を出される側で働いていた人間だったため、そちら側の言い分や気持ちを良く理解しているつもりです。上が○日で完成させなさい、というのは実は不可能な工程では無いのです。しかし、精度やクオリティを追求すると、どうしてもこの位の日数は欲しいというのは必ずあるものです。

 私は中間管理職になってから、上層部が持ってきた案件を、従来のようにただ下に割り振るのではなく、一旦案件内容を“現場の人間の代表として”再度お客様と打ち合わせをし、工程や仕上がりを擦り合わせるようにしたのです。

 すると、私は今までのトップダウン方式時代の無茶な工程というのは、お客様が“納期”だけを重視しているから発生していると思っていました。しかし、実際は“納期”は勿論重要なのですが、実際は“精度”“仕上がり”を重視している方も多いという事に気がついたのです。言わば上層部の"一方的な思い込み"のようなものが浮き彫りになったのです。

 散々、私が現場に居た時代から散々言われていた“もっと良いものを出したいから、日程を延して欲しい”というのは、実は顧客が本当に求めていた要望にも合致していたという事に気がつきました。

 従来は、顧客が求めるモノと上層部(経営者)が得たいモノがすれ違っていたのを"納期短縮"という形で、言わば誤魔化していたという訳だったのです。そして本当に顧客が欲していたのは、現場サイドの方々がずっとやりたかった事でもあり、実はニーズが合致していたのです。

 私の請け負った案件は、従来のトップダウン方式では無く、顧客の要望を一旦再度汲み取り、それを現場サイドとも相談した上で、工程や仕上がりを決めるという、納期そのものにも余裕を持たせる事が出来るようになったのです。

 また、現場サイドからも“顧客の依頼の部分をこうするなら、○○の部分もこうしたい”というのも都度、お客様へ相談し金額や工程の再調整を図るという事で、双方に納得のいく形で、引き渡しまで迎えられ、さらに完成後のトラブルも減りました。

 お互いの意見や、考えを汲み取る事で顧客とより良いWIN-WINの関係を構築させていく事が出来、結果として従来のトップダウン方式の社風から少しずつ現代らしいボトムアップの風潮を感じるようになったのです。


 仕事も同棲(共同生活)も、言ってしまえば全て人との繋がりです。

 皆んな誰しもが同じ価値観で過ごしている訳ではありません。そして、常に同じ価値観が続く訳でもありません。
 時代の変化や、生活の変化、些細な事でも考えは変わってしまいます。

 同棲生活と言うのは、何も考え方や価値観、生活スタイルまでも"同"にする必要は無いのです。

 "同"じゃない2人が一緒に住むからこそ、その違う部分を認め合い、感謝し合う事によって互いの新たな価値観を構築し、よりさらに素敵な生活を送る事が出来ていると私は日々感じています。

 そして、それはまたプライベートな部分のみならず職場といったパブリックな場所でも同じ事なのです。

 固定観念に捉われてしまうと、時代のニーズの変化に取り残されてしまいます。

 "今まではこうだった"  
  "私はこう思うからそうしなさい"

という、仕事の進め方は顧客との間にあらぬすれ違いを生み出します。

 それは同棲生活でも同じで、仲睦まじい2人に要らぬ軋轢を生み出してしまいます。

 話し合い、理解し合い、互いの考えが"同じ"部分を詮索する事で、より高いクオリティのサービスが提供出来るのです。

 そして、中間管理職としては、現場サイドの方、同棲生活としては、パートナーに"やっていただいた事"に対するお礼の意を伝える事で、今までの板挟みだけの関係では無く互いに高め合える関係へとステップアップが出来ます。

同棲生活と社会生活、実は全く同じなんだなと感じさせる共通点なのでした。

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