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台風対策に沖縄では車を駐車場に直接固定する

 Wi-Fiの仕組み、駅の改札の構造、外国の方々の暮らしなどなど…ふとした時に思い出す小さな疑問は誰しも持っていると思います。

 今はインターネットの時代ですから、これらの疑問は調べようと思えば簡単に答えを出す事が出来ます。

 しかし、こういった頭の中の小さなクエスチョンは数秒で消えてしまうものです。

 これらの疑問を自力で調べたところで、自分の人生に大きな影響を与える可能性は小さいのですし、何より疑問を疑問のままにしていても日々の生活はなに不自由なく続けられるのですから尚更そのままにしてしまいます。

 小さな疑問は何かの拍子に浮かび上がり、そしてすぐに消えてを日々繰り返しているのです。


 この時期になると台風のニュースが増えます。

 台風のニュースが出ると先島諸島や沖縄県の人々の暮らしに、私の中の小さな疑問が浮かび上がってきます。

 あれだけ台風が多い地域ですから、風雨対策はどうなっているのでしょうか?家は全棟鉄筋コンクリートなのでしょうか。それとも、基礎や骨格が地下数十メートルも深く打ち込まれているのでしょうか。窓ガラスは全部網入りなのでしょうか。車も飛ばされたら大変ですから、車用のシェルターがあるのでしょうか。

 台風が滅多に来ない岩手県民の私は、ニュースを見る度にそんな疑問が浮かびますが、私が沖縄への出張や移住の予定はありませんからわざわざ調べる事はありませんでした。

 そんな中、先日SNSを眺めていたら沖縄県の方の台風対策の投稿が目に留まりました。

 駐車場にアンカーのようなものが打ち込まれており、そこに車を結べる(ラッシング)出来るようになっているのです。この対策は想像も付かなかったので衝撃を受けました。これを皮切りに、些細な疑問は堰を切ったように明確な興味関心の対象となり、他の台風対策はどうなっているのか調べる事にしました。

 かつては木造住宅がメインだったのが私の予想通り鉄筋コンクリートの造りの住宅が多いようです。しかし、岩手県と違うのは風を受け流す為に、背が低くて屋根がフラットな構造になっていようです。窓ガラスも“沖縄仕様”という強化したアルミサッシに通常より厚い窓ガラスを使用しています。他にも防風の為の垣根や風をあえて通して弱くする為に網目状の構造のブロック塀や石垣が住宅の周りを囲っていたりと、岩手県民の私からすると想像も付かないような対策がされており、大変に興味深いものでした。


 ふとした時に生まれる些細な疑問は、すぐに消えるものと私は最初に書きました。しかし、今回の沖縄県の台風対策が非常に興味深かった一件を受けて、このような疑問は頭の中で消えるのでは無く、頭の片隅に少しずつ蓄積されていくのだと気付かされました。

 まるで部屋の隅に溜まったホコリのようです。或いは、テレビの裏でチラリと見える絡まったコードのような存在でしょうか。何れにしても、部屋の隅のホコリの蓄積もコードが絡まったままにしても日々の生活に何の影響もありません。しかし、実際に部屋を掃除整頓するとスッキリするように、些細な疑問も解消すると気持ちが良い事に気がつく事が出来ました。自分の中に、雑学的知見を得ることも出来ます。

 私が沖縄県の方々の台風対策が想像もつかなかったのと同じように、逆もまた然りで す。

 例えば、私の住む岩手県の積雪が多い地域では、玄関が二重の構造です。これは、服や靴に付着した雪を払う目的や、家の中にに冷たい風が入って来るのを防ぐ目的です。コンビニやスーパーでもこの構造になっています。また、最近の住宅では少なくなりましたが、雪がメートル単位で積もる地域では、建物の1階が雪で埋まってしまう事を考えて2階にも玄関を造る事があります。建物の1階部分の窓ガラスが積雪で押し破られれないように“雪囲い”と言って、角材を差し込めるレールを窓枠に取り付けるのが一般的です。

 このような北東北の雪対策の話は南東北の方にも驚かれる事が多いので、私が沖縄の台風対策で目からウロコだったように、逆もまた然りだと考えることが出来ます。


 こういった些細な疑問の解決は、新しいイノベーションや発想を生み出す可能性も感じました。

 沖縄県の台風対策と東北の豪雪対策は組み合わせらるものかも知れません。

 私を含めた岩手県民が窓枠に角材を差し込んで窓ガラスが割れないように対策をしていると先ほど書きました。ところが、窓ガラスが広い箇所では角材も重く高齢な方や1人では作業が難しく感じられます。これを窓枠を沖縄仕様の強化アルミサッシや厚みのある窓ガラスに置き換えると雪囲いの必要性が無くなるのではないでしょうかと私は思い浮かんだのです。

 もちろん、台風と積雪では負荷のかかる部分が違うとは思いますし、実証実験をする必要性もあります。しかし、この発想は私が沖縄県の台風対策を調べないと思い付かなかった事です。

 このように、解決しなくても何不自由ない些細な疑問というのは新しい視点や考え方を提供してくれる可能性があると気がつかせてくれました。noteを書く身としてはこれは蔑ろには出来ない発見です。

 きっとこのような些細な疑問は、まだまだたくさんあるハズです。部屋の隅に目を向けた時にホコリの蓄積を思い出すように、何かの拍子に些細な疑問は浮かびます。この疑問を見て見ぬふりをせずにこれからは積極的に解決していきたいです。

 こうして得た新しい視点や考えを日々の生活やnoteのネタとして取り入れていきたいと思います。

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