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森山惇(神奈川・武相2年)


夏の神奈川ホームラン王

凛として真っ黒に日焼けした面持ちに、厳つさを増長させる絶妙なフェイスガード。

尖がったプラスチックの鼻柱から伺わせる面構えは赤天狗そのもの。見ようによっては鬼の形相だ。

甲子園出場こそ叶わなかったが、神奈川県予選で大暴れした巨漢大砲がいる。

全国屈指の激戦区・神奈川大会で複数の本塁打を記録した球児は数人いるなか、3ホーマーは1人しかいない

惜しくもベスト4で涙を飲みながらも、古豪復活旋風で話題を振りまいた武相打線を象徴する1人、それが森山惇だ。


森山惇:プロフィール

「もりやま じゅん」2007年10月生まれ
東京都出身 172cm90kg 右投げ左打ち
東京日本橋ボーイズ(TEAM OBC所属)
ポジション:レフト サード
公式戦通算5発
一塁到達4.45秒(夏の神奈川2024vs湘南学院)

最下部のソース(情報源)一覧参照

中学時代は、2019年創設の東京日本橋ボーイズに所属した森山惇。

歴史は浅いながら、2期生の主力選手としてボーイズリーグ全国大会のなかでも強豪が犇めく、東京都予選でのベスト8進出に貢献している。

当時のチームメイトには、今夏の甲子園を名手で沸かせた関東第一の市川歩(1学年上)らがいた。

武相に進学後は、1年8月の神奈川地区予選からレギュラーとして出場。

続く本大会ではチーム2戦目(vs三浦学苑)でスタメンデビュー(4番サード)を飾るも、2打席ともに凡退を喫しベンチに下げられている。

翌2年春は主に代打機会ながら、6試合に出場。7打数1安打と結果は残せなかったものの、公式戦初アーチを放って見せた。

武相は42年ぶりとなる神奈川の春季大会を制し、第1代表として関東大会に駒を進めたが、山根大翔櫻井ユウヤら擁する埼玉・昌平にコールド負けを喫している。

関東大会での森山は出番がなかったものの、続く夏の神奈川大会は背番号13ながら全試合スタメン出場。見事チャンスをモノにした。

広角に、それも深い位置まで運べるパワースイングは、構えこそ違えど大阪桐蔭時代の森友哉を彷彿させるものがある。

ガッチリとした下半身から飛距離を稼げるので、タイプ的には今夏の甲子園を沸かせた青森山田の原田純希にも近い。

そんな森山が一躍知名度を広げた試合といえば、夏のチーム初戦(vs海老名)だ。

得意とする右腕、海老名の2投手からそれぞれ1発ずつ弾丸アーチを描き、翌日の紙面を飾っている。

夏の神奈川大会における2年生の1試合2発は、埼玉西武ライオンズで活躍する山村崇嘉(2019年:東海大相模)以来5年ぶり。

チームは激アツの神奈川ベスト4で敗退したものの、森山は名物応援歌とともに、センバツに向けて大きな爪痕を残した。

夏の神奈川が幕を閉じてから間もなくしてスタートした、秋季地区予選でも既に一発が飛び出ている。

神奈川は全国屈指の激戦区なだけあって、打者も超高校級の逸材が揃う。

目下のところ、今夏の甲子園で耳目を集めた東海大相模の中村龍之介、2年生ながら名門・横浜初の主将として夏の大会を率いた阿部葉太の2人を筆頭に森山が割って入る形だ。

翌春のセンバツに向けた新チーム発足後は、上記3人に東海大相模の金本貫汰か横浜の為永皓を加えた「神奈川四皇」を中心に、何か歴史的な記録が生まれるに違いない。

それだけ新チーム結成以降の神奈川高校野球は、近年稀に見るハイレベルだ。

そんな訳で、ここからは森山惇の自己キャリアハイとなった夏の神奈川2024を含む、各大会毎の打撃成績を見ていこう。


森山惇:全データ


秋季神奈川大会2023(4回戦)

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