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この胸のときめきのすべて
名古屋の底冷えがじわじわ足音を立てる10月初旬、ガールズグループのサバイバルオーディション番組が配信開始になった。仕事終わりの空白を少しだけ埋めるつもりだったのに、気がついたら日々の楽しみとしてわたしの心を掴んだ。
強烈に頑張るおんなのこ達。それはどんなに時間を割いても実らない日々の事柄や仕事に縛られて身動きがとれない退屈すぎる日常を貫く稲妻みたいなものだった。
10代という若さでダンスや歌のスキ
満身創痍なわたしたち
母の知り合いが作ったという即席の縁側で濡れたピンクの鼻を乾かすあなたに、すこし傾いた日差しが当たって金色にひかる背中を撫ぜる午後が永遠に来なくなってしまった日。あなたのいるお家から遠く離れた知らない街で電話で訃報を受けて泣いた。
300キロも離れていると年に何度会えるか数えるほどだったけど、フローリングを歩くつめの音を聞くだけで幸福だった。
コーヒーゼリーみたいに黒くて艶のあった瞳が会うたびだんだ