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介護サービス事業所の強み


今日の話は介護サービス事業所でリーダーをしている人や、
介護の仕事や人間関係のことで悩んでいるスタッフの方に、
ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

今回の記事では「介護サービス事業所の強み」というテーマを
わかりやすく理解していただけるように書いていきます。
最後までお付き合いください。




#介護サービス事業所は、

「自宅と同じ体験ができる場所」


いきなり結論から言うと、
見出しの通り、「介護サービス事業所」の一番の強みは
「自宅にいるときと同じ体験ができる」ということです。


ほとんどの介護サービス事業所で提供するサービスには、
人間の基本的な活動である、
食事、入浴、睡眠という行為が含まれています。
(中にはフィットネス型デイサービスのように
食事、入浴、睡眠がないところもあると思いますが。)
僕が働いていたデイサービスなら、
食事や入浴は基本で、昼寝(睡眠)は
したい方はするという感じでした。

また、基本的な家事である、調理、洗濯、掃除なども
日常的に行われています。

介護サービス事業所で日常的に行われる、
食事、入浴、睡眠。
調理、洗濯、掃除。
これらのことは自宅でも日常的に行なっていることですよね。

つまり介護サービス事業所というのは、
「自宅で日常的に行うことをしている場所」であるということ。

「そんなの当たり前じゃないか」(cv:えなりかずき)
という声もありそうですが
リーダーが介護サービス事業所の運営を考える上で、
「介護サービス事業所では自宅にいるときと同じ体験ができる」
ということが、一番の強みとなることを、まずは覚えておいてください。


1日働いて、家に帰ってきた瞬間が一番幸せ


#匂い・音・触覚が「安心」をつくる


「介護サービス事業所では自宅にいるときと同じ体験ができる」

こんな当たり前のことがなぜ強みになるのかというと、
「まるで自宅にいるかのような環境が『安心』をつくる」からです。

つまり、
「まるで自宅にいるかのような環境」を作れていれば
利用者さんに「安心」を感じてもらえる

ということになるのですが、
これだけだと説明不足だと思いますので、細かく解説します。

たとえば、事業所の厨房からあたたかい食事の匂いがし始めたら
利用者さんは「もうすぐ食事だな」と分かります。
これは「食べ物の匂い」が「食事」というイメージと直結しているからです。


匂いを嗅いでいるうちに、つまみ食いしてるなんてことも…



匂いの他にも、音や触覚によってイメージが作り出されたり、
ある特定の感情が呼び起こされたりすることは、よくあることです。

■食事
食器を置く音や、味噌汁をすする音、おいしい匂い

■入浴
入浴剤の匂い、もわっと立ち込める湯気の感覚(触覚)


■睡眠
布団や毛布の匂い、あたたかさ、やわらかさ(触覚)


■調理
厨房から聞こえる、まな板の上で食材を切るトントントンというリズムの音


■洗濯
洗い立ての洗濯物の匂い


■掃除
掃除機をかける音が近づいたり遠のいたりする


これらは「自宅」と「介護サービス事業所」の両方で
感じる匂い、音や触覚です。
(触覚だけわかりづらいので(触覚)と書いています)


これらの匂いや音や触覚は、
実は、すべて同じ感情に結びついています。
「安心」という感情です。


なぜ「安心」なのか結論を言うと、
「自宅にいる」ということが「安心」に直結しているからです。
現代の私たちの生活を考えれば簡単にわかることですが、
学校や職場など、さまざまなストレスのある場所から
帰ってきてリラックスできる、安心・安全な場所が自宅。
だからこそ、自宅にいるときに感じる匂いや音や触覚が、
「安心」という感情を自動的に呼び起こしてくれる
のです。


以上のことをまとめると、次のようになります。

自宅と介護サービス事業所で共通の)匂い・音・触覚が『安心』をつくる

つまり、介護サービス事業所で感じる匂いや音や触覚は、
そこが「自宅ではなく別の場所=介護サービス事業所」
であるにもかかわらず、
利用者さんに「自宅にいる」ということをイメージさせるため、
「安心」という感情を引き起こす
のです。


笑顔は安心のサイン


#「不安」につながることは徹底的に排除する


「自宅のような場所」だからこそ
「安心」を感じることができる。

これこそが介護サービス事業所の一番の強みであり、
リーダーやスタッフはそこを意識するだけで、
よりよいサービスを提供できると思います。

だからこそ利用者さんの「不安」につながることは
徹底的に排除しないといけません。


「不安」につながることが何かは、
「自宅」にいて「不安」を感じることが何かを考えれば、
おのずとわかります。

自宅にいて不安に感じること、
その際たるものは、
「家族同士の仲が悪い」
これに尽きると思います。

家族同士が常に喧嘩している、口もきかないような
居心地の悪い家には誰もいたくありません。
家族同士が仲がよく、たまに喧嘩することがあっても
言いたいことを言い合える関係であれば、
自宅は安心していられる場所になる。

つまり、自宅では不安を感じる原因として、
「家族の不仲」がとても大きい。
だから介護サービス事業所でも
「家族」同士が仲良くやっていれば、
利用者さんの不安を最小限にできる
ことになります。


そのためには
「介護サービス事業所においての『家族』って誰?」
というところから考えなければなりません。


「この足は誰の足だ?」というホラーがよく起きがちな写真



#介護サービス事業所においての「家族」とは


自宅においての「家族」は、
自分であり、親であり、兄弟であり、配偶者だったりします。
一方、介護サービス事業所においての「家族」は、
スタッフであり、利用者さんであり、経営者であり、地域住民だったりします。


特にスタッフは利用者さんと共有する時間が長いので、
利用者さんにとっては本当に家族のような存在かもしれません。


利用者さんにとって家族のようなスタッフが、
いつも不安を感じている様子だったり、
別のスタッフの愚痴を言っていたりしていたら、
そこは安心していられる居心地のいい場所になるでしょうか?


noteを始めたころから一貫して言っていることですが、
僕は「介護スタッフがやりがいを持って働ける職場をたくさん作りたい!」
と考えています。
どこの介護サービス事業所も「利用者さんのために」とは言いますが、
「介護スタッフのために」を考えているところはまだまだ少ないからです。


介護サービス事業所において
利用者さんはもちろん家族であり、主役でありますが
スタッフもまた家族なのです。
「スタッフが元気がない」「スタッフ同士が仲が悪い」
このようなスタッフに関するこ問題を後回しにしていませんか?



#「スタッフ同士の不仲」が

 利用者さんが「不安」を感じる最大の原因


自宅にいて不安を感じることの最大の原因が
「家族同士の仲が悪い」ことだと言いました。
介護サービス事業所においては、
「(家族と同じような存在の)スタッフ同士の仲が悪い」という問題が、
利用者さんが不安を感じる最大の原因
となります。

もちろん人間同士なので、
スタッフにも「合う・合わない」は必ずあります。
無理をして仲良くする必要なんてないんです。
普段仲が悪くても、
仕事の場面ではプロフェッショナルとして、
利用者さんに「不安」を与えること(=スタッフ同士の仲が悪いところ)
を見せなければいい。


でも、普段から仲が悪いのに仕事の時だけ割り切って仲良くするのは
実はとても大変で、体力のいることです。
ですので、スタッフの努力に任せるだけではいけません。
仲が悪いスタッフがいたとしても、
利用者さんの前ではせめて仲が悪いところを見せないようにできる環境を、
リーダーが率先して作るべき
です。


その方法としては
仕事の理念、目標をあらためてスタッフ間で共有するだけでもいい
みんな同じ方向を見ていれば、自ずとスタッフ同士の仲が良くなります。
心の奥底では「この人とは絶対に無理」と思っていても
仕事で協力していれば、必ずうまくやっていけるんです。

みんなが同じ方向を向けるようなチームを作れる人は、
リーダーしかいません。
もちろんスタッフがそれぞれ自覚を持つことも大事ですが、
理念や目標を共有して、
スタッフが自ら考えて行動できる環境を作るのはリーダーの役目です。


理念や目標がなぜ大事かというと、
現場では常にマニュアル通りに動けるなんてことはなく、
いつも不測の事態が起きる可能性があるからです。
不測の事態が起きた時に、
「こういうときにどう行動すればいいんだっけ?」と
マニュアルと見たりリーダーに聞きに行く間に、事態が悪化することもあります。
そういう時に理念や目標が共有されていれば、
それに基づいて行動するようにスタッフが自分自身で考えることができます。


理念や目標が共有されてみんなが同じ方向を向き始めると、
チームが自律し始める。
スタッフは誰かに命令されて仕事をやるというより、
自分で判断して「今、この仕事をするべきだ」と考えて動くので、
とても生き生きと働くことができる。


このようなやりがいのある職場で働けたなら、
気の合わない、仲が悪い人が同じチームにいたとしても
仕事の方に気を取られて、あまり気にならなくなるものです。
結果、「スタッフ同士が仲が悪い」という事実が本当はあるとしても
利用者さんにはそのようなマイナスな面を見せず、不安を感じさせずに済む
のです。


生き生きと、やりがいを持って働ける職場がいいですよね



#スタッフから全てがはじまる


居心地のいい職場を作ることは、
職場においての「家族」のためでもあります。
介護サービス事業所においての家族とは、
スタッフであり、利用者さんであり、経営者であり、地域住民
でしたよね。
今一度、「家族」を大切にできているか、リーダーをしている方は
自分自身に問いかけてみるといいかもしれません。



スタッフが輝く素晴らしいチームができれば、
利用者さんが喜び


利用者さんが介護サービス事業所を気に入って利用し続けてくれれば、
経営者が喜び


経営者が安定した経営で質のいい介護サービスを提供し続けてくれれば、
地域住民が喜びます。


最後、誰かの名言みたくなりましたが

心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

ノムさんの言葉だと思ってたけど、心理学者ウィリアム・ジェームズが最初に言ったらしい。



僕が一番言いたいのは、
スタッフが輝く素晴らしいチームを作るために、
まずは「スタッフがやりがいを持って働ける職場を作ること」
リーダーが率先して、ここから始めましょうよ。
スタッフが元気になればみんな元気になるよ!
スタッフから全てが始まるよ!ってことでした。



#まとめ



■介護サービス事業所で感じる匂いや音や触覚は、利用者さんに「自宅にいる」ということをイメージさせるため、「安心」という感情を引き起こす

■介護サービス事業所においての「家族」は、スタッフであり、利用者さんであり、経営者であり、地域住民。特に利用者さんと一番近い関係なのはスタッフであり、スタッフ同士の不仲が利用者さんの「不安」の一番の原因になる

■理念や目標を共有することで、自律したチームを作ることができ、スタッフが生き生きと働くことができる。スタッフが元気になれば、みんな元気になる。




最後まで読んでいただきありがとうございました。

GW中にちょっと書くのサボってたので、日曜日の午前中いっぱい使って書き上げました。大変だった!(サボった自分がわるい)

来週もまた日曜日にお会いしましょう!



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