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2021年4月の記事一覧
「賢い」が「正しい」を食い潰すー読書感想「実力も運のうち 能力主義は正義か?」(マイケル・サンデルさん)
いまの社会は何かがおかしいのではないかという違和感を、クリアに言語化してくれる本でした。マイケル・サンデルさんの新著「実力も運のうち 能力主義は正義か?」。タイトルが素晴らしい。普通は「運も実力のうち」と考えるところを、いやいや実際は「実力も運のうち」なんですよと説くのが本書のポイントです。サンデルさんが問題視するのは「能力主義(メリトクラシー)」。運も自分の実力(=能力)と考えてしまうような能力
もっとみるVALUE BOOKSさんで素敵な売却体験をした
本棚から本が溢れそうになってしまったので、どうしても処分をしなければならない。そこで今回は「VALUE BOOKS」さんを利用したのだけれど、素敵な体験になりました。本当に本を大切にしようとする気持ちが伝わってきました。
私たちはなぜ本を売るのか本棚が足りないから。多くの本読みは、読んだ本、読みたい本が棚に積み重なってスペースがなくなってしまう。だから売らざるを得ない。本を売りたくて売りたいわけ
掘り出し本ー読書感想「あなたに不利な証拠として」(ローリー・リン・ドラモンドさん)
普通なら出会わなかった本だと思う。
感染拡大がまだ踊り場段階だったとき、街の大型書店に足を運んだ。そこでロングセラーとして一押しされていたのが本書「あなたに不利な証拠として」(ローリー・リン・ドラモンドさん、駒月雅子さん訳、ハヤカワ文庫)だった。
初版刊行は2008年3月15日。収録作が05年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短編賞を受賞したらしい。解説では池上冬樹さんが激賞。かなりの話題作だっ