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#推薦図書
『君が手にするはずだった黄金について』を真似た読書リスト
毎月、読んだ本のリストをこのnoteに残しています。感想も何もなく、ただタイトル、著作者、出版社を羅列したもの。
なぜこんなことをしようと思ったのかといえば、小川哲さんの『君が手にするはずだった黄金について』という小説で、主人公の小説家が同じ取り組みをしていたからです。
引用後段で出てくる、「一人で粛々と本を読み、そこで得た知識や感情を何かに活かすこともなく、ひたすら内側に溜めこんでいた」とい
余白とピン留めー余録『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』
谷川嘉浩さんの『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』(ちくまプリマー新書、2024年4月10日初版発行)の素晴らしさについては別の記事に書きましたが、そこでは書ききれなかったことがありました。それは「細部にこそ重要な何かがある」という話です。
この本は「衝動」とは何かを考える本で、上記引用部分のインタビューとは、衝動を探究するための「セルフインタビュー」という手法について語った部分です。メイン
だからその無駄をやるーミニ読書感想『俺達の日常にはバッセンが足りない』(三羽省吾さん)
三羽省吾さんの『俺達の日常にはバッセンが足りない』(双葉文庫、2023年6月17日初版発行)がしみじみ、面白かったです。小説としては地味かもしれないけど、良い。劇的な展開があるわけではないけど、だからこそ優しい。大切なことが語られてる。
バッセンとは、バッティングセンターのこと。タイトル通り、日常にバッティングセンターが足りないんだ!だからつくるぞ!とゴリ押ししてくる、迷惑な友達に振り回される話
2023年最後に読んだ本
2023年最後に読んだ本は、川本直さん『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出文庫、23年11月6日初版発行)になりそうです。12月28日に読了。
トルーマン・カポーティらと同時期に生きた米国作家、ジュリアン・バトラー。当時タブーだった同性愛を正面から、かつ扇動的に描いたトリックスター。という設定。つまり、ジュリアンは架空の作家です。架空の作家の評伝という、実験的な物語スタイルが特徴でした。面
『おすすめ文庫王国』の楽しみ方
12月10日付で、毎年恒例の『おすすめ文庫王国2024』(本の雑誌社)が刊行されました。100ページ超、まるごと文庫本の話を詰め込んだ雑誌。これを読まずして年を越せない。年末年始の読書の友です。その楽しみ方を整理したいと思います。
①本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン2023年度巻頭企画は毎回これ。本の雑誌社の編集者や営業社員、経理の方が匿名座談会で毎年のベストテンを選ぶ。でも、かなり適当。それが良い
この本に出会えてよかった2023
今年、強く感じたことは「読むことは光になる」ということでした。
冬が終わる前、幼い我が子に発達障害がある可能性が分かりました。人生で味わった過去の戸惑いとは、比べようもないほどの戸惑い、「この先どうなるのか」と、まさに光を失うような状態が続きました。そこから、一冊二冊。障害や、当事者家族の本を開くごとに、足元が照らされていきました。再び歩み出せました。
本を読む目が変わりました。病や困難に直面
存在すら知らなかった本を買う
先日、書店で本を買いました。仕事などで時間が見つけられず、久しぶりの来店、まとめ買い。SNSや新聞広告を通じて以前から「狙っていた」本を買うつもりが、ついつい違う本にも手を出してしまう。中には存在すら知らなかった本もありました。
たとえば、井奥陽子さんの『近代美学入門』(ちくま新書)。美術入門ではなく、美学入門というのに惹かれました。新書の新刊のようで、面陳列(表紙を前にする形での陳列)で店頭で
2023年上半期に読めて良かった本8冊
2023年もあっという間に折り返し。上半期に「読めて良かった」と思える本をまとめました。
と、ここまで書いて続きを書けずにいましたが、書きあぐねていても時間ばかり過ぎるので、公開してみます。それぞれの本をなぜ選んだか、理由が欠けていますが、リンク先の記事を読んでいただければ少しは魅力を感じていただけるかも。
とにかく、この8冊はおすすめです。
①『シャギー・ベイン』
②『母親になって後悔し