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読書ノート

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読んでいる本、読んだ本、読みたい本についてつれづれ書いている日記のようなもの
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記事一覧

2024年4月に読んだ本リスト

【4月】・『その可能性はすでに考えた』、井上真偽さん、講談社文庫
・『学ぶことは、とびこえること』、ベル・フックスさん、ちくま学芸文庫
・『自閉症感覚』、テンプル・グランディンさん、NHK出版
・『いつかたこぶねになる日』、小津夜景さん、新潮文庫
・『死にたいって誰かに話したかった』、南綾子さん、双葉文庫
・『訂正する力』、東浩紀さん、朝日新書
・『中央線をゆく、大人の町歩き』、鈴木信子さん、河出

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2024年3月に読んだ本リスト

・『自閉症スペクトラムとは何か』、千住淳さん、ちくま新書
・『八月の御所グラウンド』、万城目学さん、文藝春秋
・『散歩哲学』、島田雅彦さん、ハヤカワ新書
・『疲労社会』、ビョンチョル・ハンさん、花伝社
・『人間はどこまで家畜か』、熊代亨さん、ハヤカワ新書
・『門』、夏目漱石、角川文庫
・『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』、田中康弘さん、ヤマケイ文庫
・『野生のしっそう』、猪瀬浩平さん、ミシマ

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発達障害のある子の豊かな将来像から逆算する(したい)

先日感想を書いた児童精神科医・本田秀夫先生の『知的障害と発達障害の子どもたち』(SB新書)に、「知的障害のある子を育てる時は、将来の姿から逆算して考えてみて」という考えが示されていました。

正直、読んだ時は「酷だな」と思いました(だから感想記事では紹介してない)。

アドバイスはもっともです。たとえば、将来、一人で買い物できるようになるという姿を据え、そこから逆算する。するとたとえば、買い物のた

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2024年2月に読んだ本リスト

・『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』、三宅香帆さん、角川文庫
・『本心』、平野啓一郎さん、文春文庫
・『自閉症は津軽弁を話さない リターンズ』、松本敏治さん、角川ソフィア文庫
・『世界は経営でできている』、岩尾俊兵さん、講談社現代新書
・『台湾対抗文化紀行』、神田桂一さん、晶文社
・『安楽死が合法の国で起こっていること』、児玉真美さん、ちくま新書
・『そ

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だからその無駄をやるーミニ読書感想『俺達の日常にはバッセンが足りない』(三羽省吾さん)

だからその無駄をやるーミニ読書感想『俺達の日常にはバッセンが足りない』(三羽省吾さん)

三羽省吾さんの『俺達の日常にはバッセンが足りない』(双葉文庫、2023年6月17日初版発行)がしみじみ、面白かったです。小説としては地味かもしれないけど、良い。劇的な展開があるわけではないけど、だからこそ優しい。大切なことが語られてる。

バッセンとは、バッティングセンターのこと。タイトル通り、日常にバッティングセンターが足りないんだ!だからつくるぞ!とゴリ押ししてくる、迷惑な友達に振り回される話

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星野源さんの法則

なにか物事を評価し、それを公に言及するときは「星野源さんの法則」と勝手に呼んでいるルールを厳守するようにしています。『星野源のオールナイトニッポン』で何度か発言されていて、自分がよく聞いていた2017〜2020年当たりにも話されていたと思います。

ラジオなので正確な出典明記が難しく、かつ、記憶によるので不正確かも知れません。その上で、私が呼ぶ法則というのは以下二点に集約されます。

たとえば、す

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出会った本は逃がさないほうがよい

仕事の合間に駅構内に設置されている本屋さんに立ち寄った。いくつか気になる本があったけれど、急に予定時間が気になってしまって、買わずに出た。

だけれど、帰宅してから「気になる本」が気になりだす。前にも似たようなことがあって、結局買わずにいたら「気になる本」が何だったのか、忘れてしまったのです。今回もまた忘れてしまうのでは。そして、二度と出会うことがないのでは。

そう思って後日、同じ本屋にわざわざ

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2024年1月に読んだ本リスト

・『金星の蟲』、酉島伝法さん、ハヤカワ文庫JA
・『存在のすべてを』、塩田武士さん、朝日新聞出版
・『再婚生活』、山本文緒さん、角川文庫
・『水車小屋のネネ』、津村記久子さん、毎日新聞出版
・『レトリック認識』、佐藤信夫さん、講談社学術文庫
・『ザリガニの鳴くところ』、ディーリア・オーエンズさん、ハヤカワ文庫NV
・『甘いお菓子は食べません』、田中兆子さん、新潮文庫
・『THINK BIGGER』

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積読は未来への置き手紙

宇多田ヒカルさんの『Letters』という曲に「言葉交わすのが苦手な君は いつも置き手紙」という歌詞がある。置き手紙。積読をしていると、これは置き手紙だと思うことがしばしばあります。正確には「あの頃の自分が残した置き手紙だ」と、しばらく経ってから思うことがある。

2024年1月、逢坂冬馬さん『歌われなかった海賊へ』と、小川哲さん『君が手にするはずだった黄金について』の2作を読み終えました。hon

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平積みじゃない本を買う

本屋さんでは、つい平積みの本に手が伸びてしまう。「今はこれが話題なのか」と。「面陳(面陳列)」とも呼ばれる並べ方。表紙や帯の惹句も目に入って、魅力がはっきり伝わってきます。

でも、当然ながら、本屋さんの本の大半は棚に挿してある「棚挿し」の本。新刊の波に押されて、平積みの本もすぐに棚に眠っていく。これまた当然ながら、魅力的な多くの本が棚の中に眠っているわけです。そこから一冊を引っ張り出すのも、これ

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2024年最初に読んだ本

2024年最初に読んだ本

2024年最初に読み終えた本は、酉島伝法さん『金星の蟲』(ハヤカワ文庫JA、23年10月18日初版発行)でした。単行本『オクトローグ』を改題。身体から謎の寄生虫を産んでしまう表題作や、落下を続ける塔の話、巨大なブロッコリーを探査する話など、まったく正月らしくない奇想小説でした。

表題作は、印刷工場で働く主人公がお腹の調子が悪く、尻から出血していくブラック労働小説かと思いきや、ある日、大便かと思っ

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2024年も読むぞ

2024年も読むぞ

明けましておめでとうございます。2024年1月1日、今年の読書に向けた抱負を記録しておきます。

2023年と同じくらい読む
『読書メーター』の記録より。2023年は1年間で179冊読んだらしい。超えなくていいし、量ありきの目標にしなくてはいいと思いますが、今年も昨年と同じように、読書を楽しんでいきたい。きっと、読む数が著しく下がったら、それは心が疲れている証拠だろうから、気を付けていきたいです。

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読書感想noteの効用(2023年振り返り)

読書感想noteの効用(2023年振り返り)

今年もnoteに読書感想を書き続けました。バズとは無縁にコツコツと。その効用を振り返ってみます。

どれくらい書いたか?12月16日までに90本。週1、2本は確実に(意地でも)書いてきました。連続更新は70週(1年超)続けられました。今後もコツコツ書き続けたい。

感動・学びが冷凍保存できる短くても、スマホ画面を開いて書いてきました。短いエントリーでは10分程度。推敲なんて全くなく、誤字脱字もたく

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みなさんの『ベスト本2023』

みなさんの『ベスト本2023』

年末は『今年読んでよかった本(ベスト本)』がさまざまな書評家・ブロガーの方から公表される。これを読むのが、まあ楽しい。おすすめ通りについつい買ってしまい、積読が増える。2023年末に読んでよかったベスト本エントリーをまとめました。

①基本読書SF、ノンフィクション分野で面白い本は冬木糸一さんの『基本読書』を読めば分かる。ローラン・ビネ『文明交錯』はやはり読んでみたいなあ。

②連想読書日記
サイ

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