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荷花
2024年3月18日 09:41
せとかを剥く。柑橘の匂いが指にからまりつく。春の朝のひかりは気温は低いのにとても柔らかく差し込んでくる。それはもう既にまどろみに近い。半分にわって、それから皮を剥がす。一気に果実から果物へと変貌を遂げたようなそれと、あたりにきらきらひかるジューシーな香り。ひとつぶ、口に運ぶと思った以上に甘い、あまい味が広がって、おいしい、に結びつく感じ。一人でこれらをやっている朝の、お供として音楽をかける。
2023年10月7日 19:01
ふと、後ろ向きに歩いてみたくなる。それはかなり昔、幼子の頃にやったようなやさしい音頭ではなくて、かなり緻密に機械的にそういう動きで進みたくなる。進んでいるのか後退しているのか、その区別を何に委ねているのだろうと考えたとき、やはり意思の方向に向かっているかどうかだと思う。そう考えれば、完全に進んでいることになるけれど、後ろ向きに進む時には去っていく景色ばかり見ているわけで、それが不可思議に自分か
2023年10月3日 18:48
夜に沈む街だ。 曇天に、背の高いクレーンがひとつ、そのてっぺんが赤く光る。それから帰路につく人々の波。 青い街だ。 信号のあざやかなみどりが無数の光を流してゆく。車。そして一気にとどめられる赤の、その群れに、今日が遠くなる気がした。 短めのバス、大きめのプードル、清涼な風、すれ違うたびに切ったばかりの髪が頬に寄り添ってくるがわかる。しらない街でしらないからだでしらない人達と同じ時間を
2023年9月26日 17:07
音楽ってすごいと思う。その曲を聴いている間、教えてくれた彼のことをどことなく感じる。繰り返すたびにからだに馴染んでいくメロディーになんとなく夕暮れが寄せてはかえすようで、やさしくなれる。 ということで、最近はずっとoasisの、champagne supernovaを聴いている。部屋を真っ暗にして夜に聴くと心の底をゆっくり揺らされるみたいな心地になる。そう言っていたからわたしもそうやって聴く