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恋した気になって

あなたの思想に恋した。
眩しかった。目が眩んだ。
煌びやかで光っていた。

白黒の世界であなただけが色づいて見えた。

空を青くしたのも、信号を赤色にしたのも、
もしかすると、私の瞳を水晶玉にしたのも、
あなたかもしれなかった。

あなたの見つめる瞳の、その先の景色が好きで、
あなたの落ち着きのある、その呼吸のリズムが聴きたくて、
あなたの髪の毛の、その揺れた空気の振動が心地よくて、
あなたという思想の、私を色づかせるその魔法が欲しい。

私も誰かを色づけられる魔法使いになりたかった、気がした。
魔が差して、夕暮れ、烏が泣いて、砂が朱いろを反射した。


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