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【編集日記】なぜ「気くばり」がテーマになったのか? 普段とは違うやり方で企画をつくる

今回の編集日記は、小山が担当します。
ご紹介するのは、10月に発売された『リーダーの気くばり』です。

本に限らず、企画には大きく2種類の成立方法があります。
それは、「プロダクトアウト」と「マーケットイン」。簡単にいうと、前者は「作り手がいいと思うものを作ること」で、後者は「顧客が望むものを作ること」です。

どちらかというと弊社ではプロダクトアウトで本をつくることが多い傾向があります。しかし、出版社としてさらに飛躍していくためには、マーケットインの作り方も取り入れていくことが重要なのではないかという議論が巻き起こりました。

そこで、過去のベストセラーから読者が求める本の企画を分析する、ベストセラー会議が開かれました。著者やタイトルや装丁など、さまざまな事項について検討がなされました。
そして、キーワードとして浮上したもののひとつが、「気くばり」でした。「気くばり」というテーマは、数年に一度のペースでベストセラーが生まれているものの、ここ数年はベストセラーが出ていないということがわかったのです。これはテーマとして、いわば穴場なのではないかということです。

テーマを「気くばり」に定め、読者ターゲットは、部下・上司・取引先など、多方面に気くばりが求められているであろう、リーダー層に決めました。
続いての構成案づくりは、通常だと編集者がひとりで作ってしまうことが多いのですが、今回は社内でリーダーを担っている人たちに「気くばりを必要とした瞬間」や「自分が気くばりで意識していること」など、ヒアリングを重ねてつくりました。

ふだんは、自分が読みたいという気持ちからスタートすることが多いのですが、今回のように自分の属性(非リーダー)とは異なる本をつくることは、新鮮でとても勉強になることが多かったです。ヒアリングで、自分では考えもつかないようなところに悩みを感じていたり、工夫を重ねていることがわかったからです。

決まり切った方法ばかりでつくらない、というのは新しいものをつくるうえでとても大切なことなのだろうと思います。これからも新しい方法を試しながら本づくりを続けていきたいです。


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