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#自由詩

【詩】片想い

【詩】片想い

なんとなく叶わないような気がしてしまうんだけど君への想いを胸に持ち続けて生きていくのも悪くないと思うんだ
風が身体の中を吹き抜けていくたびに恋しさが揺れて切なくなってもいつか世界中に沙羅の花が舞い散ればこの想いも淋しくないって言い聞かせてるんだ
歳を取ったら友だちと縁側でお茶飲むんだ君を想って

詩 / 暗示

私はことばにすると私だけど
ほんとうの私ではない

わたしそのものと
ことばでいう わたし には
かいりがある

私ということばのかわりに
あなたをつかうと
乖離が大きくなるから
そうならないように
私を使う

発された言葉は揺るがない
揺れ動く私と違って

ことばと現実に乖離があれば
揺れる私が隙間をうめる

わたしはげんきといえば
げんきということばがゆるぎないので
わたしのほうがげんきという

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【詩】ひとつのことば

【詩】ひとつのことば

私はいつもただひとつのことばが欲しい

それはあなたの口から出たものでなければならない

あなたの手で書いたものでなければならない

それはそこら中に溢れていることばで

あなたに使われるのを待っていて

私はそのことばで生きて

そのことばで死んだようになって

あなたから出たひとつのことばは

やすやすと私を動かして

過去を紡ぎ

未来を集め

今を創る

あなたの小さなことばひとつで

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【詩】蝶々

【詩】蝶々

わたしの魂に
刻印を
打ちました
蝶を象りました
血液で磨きました
涙で拭きました
呪いの手が置かれても
さらりとかわし
虚無に喰われないように
渾沌としていても
季節は輝いている
この世界の荒波に
溺れないで
咲く花の蜜を吸い
花と花のあいだを
羽ばたたき生きる
蝶だと
忘れないように
春は今です

詩 / 連-絡

闇の中で
寝息を聞いた

あなたにあわせて息をする
夜が一次元に落ちていく

息が聴けて幸せ
息を吐けて幸せ

部屋は離陸する
柔らかな空気を吹いて

朝までの旅
焼き付けた思い出が車窓を滑る

記憶は螺旋になって
糸車がぜんぶ巻き取っていく

【詩】誤解

【詩】誤解

誤解は
百年経っても
解けない
どうにもならないんだよって
貴方が言いました
諦めがつきました
たぎってくる気持ちと
うらはらに
体中の力が抜けていき
悲しくて辛くて
寂しかった
日々を
幻と現実の中を
揺れながら
雲一つない空に
捨てました
どうにもなりませんから
どうにもならないのですから
空には虹が
かかりました
それを見て
愛憎の時効と
はっきりと
捨てました
どうにもならないのですから

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【詩】愛の粒

【詩】愛の粒

海の泡のように
愛情にふるえた
耳にしみた
コスモスの花の涙
薄闇のせまるより速く
交わしたキスも
今はもう
はるかむかし
キミがいまどうしているか
なんて
もう
わたしの知らないことです
砂時計の
吸い込まれる砂の渦が
ぱらぱらと
光をまいたように
ひかっていたのも
雪のように
消えました

【詩】幸福のカタチ

【詩】幸福のカタチ

何をしてあげれば
キミが幸福になっていくのか
わたしも幸福になっていくのか
わたし
掴めなかった
ゆっくりと破滅を歩いている恋だった
今なら少しだけ分かる
わたしの描いていた理想との乖離と
わたしの我慢だけ
数えて
糸が
切れてしまった
何をすれば
良かったのか
今なら少しだけ分かる

*X投稿詩を手直ししました。

詩 「あなたは美しい」

詩 「あなたは美しい」

君の日常を間借りして見た世界

それは光に溢れ、命に溢れる世界でした

詩 / あな

詩 / あな

人の波の中にあって
ふと 心細い自分に気づく

長く住んでも
親近感が湧かない

生まれた家を壊してしまい
心が帰る場所を失う

毛玉だらけのセーターを
いつまでも着ている

記憶の景色を 求めている

優しい人たちとの
優しい関係に 戻れるならばと

願って初めて
それらのすべてが 何だったのか
考えるようになるのかもしれない

素直になった先には
寂しさが待っている

だから素直になれないのか

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鏡

わたしとあなたは
同室で同質の同士

ツーカーだけど
うっかりツーと言ったら
察してカーと言われちゃう

そのつもりのツーじゃない
と怒れば
せっかくカーしたのに
ともっと怒る

同じだけど
同じと信じすぎて
すれ違う

不完全な鏡合わせの私たち

糸

長い糸が
からまった

ほどいてもとに
もどしたい

時間があれば
そうしたい

とてもいまは
むりなので

鋏で糸を
切るばかり

いつしか糸は
なくなって

残った恨みの
かたちは藻屑

【詩】サヨナラバイバイ

【詩】サヨナラバイバイ

わたしは花でした
あなたを惹き寄せたくて
香りを流してみたり
蜜をだしたり
あなたがわたしに潜ってくれないか
足掻いた花でした
あなたを掴めなかった
もっと揺れたら良かったでしょうか
実をつけぬまま
風に散ろうと空を見上げます

*ちょっと前に、Xに投稿したものです。少し手直ししました。