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雑誌「1番近いイタリア」

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雑誌「1番近いイタリア」に関する記事。 マンマのイタリア家庭料理研究家Aoi Aurora、こと中小路葵が編集長を務める季刊誌です。 コンセプトは「日本の家庭で楽しむイタリア料…
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#シチリア

「1番近いイタリア2024冬号(Vol.16)」刊行!

「1番近いイタリア2024冬号(Vol.16)」刊行!

「1番近いイタリア」2024年冬号を刊行!

あっという間に第16号、4年目に突入しました。
温かい読者の皆様に支えられていることに感謝です。

イタリアで見つけた「土地と生きる食の豊かさ」を、皆様に生の魅力たっぷりでお伝えできれば幸いです。

さて、今号はいかに!

2024年冬号巻頭エッセイは「カターニャの煙」、シチリア島かターニャでの短編です。

マンマのレシピ集、今号のテーマ食材は「海の魚

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カターニャの煙

カターニャの煙

目の前の通りに出た大きな炭火焼きコンロからもうもうと上がる煙に、まだ高い太陽からの光が乱反射する。煙の向こうには大きな体をした肉屋の店主が忙しそうに手を動かす姿が霞んで見える。通りに並べられたプラスチックのテーブルには高校生くらいの若者が輪になり、たっぷり肉が詰まった大きなパニーニを頬張る。煙の中をテーブルを縫うようにウェイターさんたちが足早に料理を運ぶ。私たちのテーブルの横をまた一人、お皿を抱え

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「1番近いイタリア夏号(vol.7)」刊行🇮🇹🎉

「1番近いイタリア夏号(vol.7)」刊行🇮🇹🎉

積み重なるもので、ついに7号となりました。

イタリア好きが高じて、自作自費で、年に4回発刊する雑誌「1番近いイタリア🇮🇹」

2021年夏号「シチリア×香川県のナス」2021年夏号、今回のテーマはシチリア州です!

巻頭エッセイは「生きる力:シチリアの海が教えてくれたこと」

生産者の取材は、香川県三豊ナス農家の大学以来の友人Oyama Tetsuyaくん、群馬県でカルナローリ米を作るTos

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生きる力:シチリアの海が教えてくれたこと

生きる力:シチリアの海が教えてくれたこと

アルバムをスクロールして、3年前のシチリア滞在時の写真を探していた。

晩夏のシチリアの青く透き通る海、赤い屋根が続く町並み、ビビッドな色の独特の花たち。ため息が出るほど美しく、それが写真で伝わりきらないのがまたため息が出るほどもどかしい。

当時の自分のインスタグラムの投稿を見ると、イタリア語で詩が書いてあった。古代ギリシャからの息吹をありありと残すこの地は、少なくとも23歳の日本人を詩人の気分

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