見出し画像

#199【日記】弊社の「シゴデキ」はこの程度だよねと思った話

今日もお読み下さってありがとうございます!

タイトル画像は先日行ってきた東京ディズニーシーのファンタジースプリングスグッズ売り場です。

RHYMESTER宇多丸さんがいつかの映画評で話しておられましたが、くまのプーさんやアナと雪の女王のオラフなど、かわいくてとぼけたキャラクターの声を成人男性が当てるのは、彼らは子どもではなくこれ以上成長しない存在であると言うことを表象しているそうです。
哀感。
オラフがこれだけたくさん並んでいると、オラフ同士で噛み合わない会話をしてカオスになっていそうで、いとおしく感じて写真を撮りました。
カオスな部下を見てオラフだと思えたら楽になるかしら……でもオラフならかわいいけどナマズじゃね。オラフは「ハゲはいいけどデブはダメ」とか言わないし。

さて、4月末に用事ありて職場に行った時、職場にはサザエ先輩がいました。
サザエ先輩曰く、4月から来たシゴデキアラサー女子はとても頑張っていて助かっているとの事でした。
そうよねー、身をもって知っているが、計画性を忘れて生まれてきたサザエ先輩に仕事を習うのは本当に大変。
もっと早くに引き継いでくれれば余裕を持って準備できるのに、締め切りギリギリになって「あ、この仕事よろしくね」とか言って雑な引き継ぎしてくる。
それでもサザエさんには余人を以って代え難い能力があるのでぐぬぬって感じなんですが。
特殊能力者なのです。

さて。
くらたがヒラの時代に始めたとある印刷物編集の業務もアラサーシゴデキが積極的にやってくれて、デザイナーさんにもバシバシ意見を言っているとの事。それをサザエさんは「だから安心してね」という文脈で話してくれました。

しかし制作会社から弊社に来たくらたは、弊社の何の専門知識もない凡庸な人間たちが、発注者の権力を濫用しデザイナーに修正指示をしてろくなことにならなかったのを散々見てきました。
弊社側からの指示は大抵とんちんかんで、それまで積み上げたデザインを崩すものが多かったのです。
全体の色設計を無視して「ここを赤にしろ」とか「このピンク色はもっとこういうピンクがいい」とか黙れ素人うるせえよ。
お前はあれか?色校時の画家か絵本作家か何かなのか?それとも、色指定の保田道世に、アシタカが使う砂金と影の色や石火矢衆の顔の影の色について意見をゴリ押しする宮崎駿なのか??(←『もののけ姫はこうして生まれた』を死ぬほど見たヲタク)

弊社の人間は基本的に事務員なので、ゼネラリストであり、何の専門性もありません。
それだけならまだしも、厄介なのは、専門性への理解もなく、自分が素人であると言う病識もないのです。
お前らが持っているのは権力であって能力ではないと、弊社のヒラに至るまで言ってやりたい。

そうした中でプロのデザイナーに意見をすると言うことが、どれだけデザイナーさんの気持ちを損なうか目の当たりにしてきました。
気持ちよく仕事してもらった方がいいもんができるに決まってんだろ!
経験的にも断言できるわい。

この手の話はデザイナーの皆さんにはあるあるだと思います。
くらたも制作会社での所属は企画だったけどめちゃくちゃそういうのあって、デザイナーさんとともに何度も涙を飲みました。

そのため、サザエ先輩の話を話半分で聞き、その時制作中の印刷物についてはその時は確認せずに帰ったのですが、今日たまたまそれが一般配布されているのを目にしてしまいました。
よせばいいのに手にとって中を開けてみると、まず写真の解像度が低すぎてガビガビになっている。ありえねー。なんだよこれ版元に許可取ってもらってんだろ、どういうデータ管理してんだよ。
また、意味なく長すぎるキャッチコピーもくそほどダサイ。
タイトルフォントもMS明朝かってくらいダサい。
なんで印刷会社使ってMSフォントにさせてんの。弊社レベルでは明朝使ってかっこよくまとめるのは難しいんだよ、ゴシックのほうがまだそれっぽくなるのに……
大体それのターゲット中学生だぞ、なにゆえくそダサ明朝……(膝から崩れ落ちる)。
とにかくなんだよこれ(怒)。

手に取ったときは持ち帰ろうと思っていましたが、こんなおぞましいものを家に置いたら、その「勘違いシゴデキ」の禍々しい邪気で家がリラックスできるスペースではなくなってしまうと思い、そっと棚に戻して帰ってきました。
文章?ほとんど読んどりゃせんわ、読む気にもならんかった。
先日の図書館のアフロさんが書いた図書館だよりとは雲泥の差、天と地ほどの開きがあります。

大体サザエ先輩は活字中毒で浴びるほど本を読み、絵本もお好きだし、何よりご家族に本作りのプロがいらっしゃるのに、なぜこれをよしとしたのか理解に苦しみます。

そうなんだよなぁ、所詮、弊社の「シゴデキ」ってこの程度なんだよなぁと嘆息し、あわせて、こんな印刷物として「ありえない」仕事が罷り通る世界であることに、脱力を禁じ得ませんでした。
かぐや姫どうこうという問題ではもはやなく、こんなところわたしの生きられる水質じゃねえよ……
フラを続けるための収入と、これだけ休職してもクビにならないところと、70歳まで屋根の下で働ける環境は魅力的なんだけど……
ますます復職への道のりが厳しいものに思えたのでした。

ご理解いただけていると思うので読者の方には失礼になると承知で念のため書きますが、くらたは自分がいまだに現役WEBプランナーレベルの知識や審美眼があると思っているわけではありません。
また、制作会社勤務経験のない人や色彩検定受けていない人が自分と同じ見る目を持っていなければならないとも思っていません(そんなことになったら逆にくらたのアドバンテージがなくなって困る)。

ただ、自分に見る目がないことの自覚も持てない程度の、己の無知を自覚しない人間が、プロであるデザイナーの領域に自覚もなくズケズケと踏み込むな、とは思う。

したり顔で触らないで
背中を殴りつける的外れ

米津玄師『さよーならまたいつか!』

それは、ライターや編集者、図書館司書に対しても同じ。
何のために高い金払って委託してんだよ。専門分野は専門家に任せろやボケカス。

失礼。
この話題はどうしても怨念がこもってしまいます。
14年勤めるうちに、整理できない怨嗟がたくさんたまっているみたい。

外野がガヤガヤ抜かすなよ案件であり、簡単に教えてもらえると思うなよ案件とも通底しているのかもしれません。

大したことないのにシゴデキとか思い上がってるのを見るのって、下手くそな歌手がハモってないのに気持ちよさそうに歌っているYouTubeを見せられるのと同じくらい嫌悪感を感じます。
青春時代をNコンとVE(東京ヴォーカルアンサンブルコンテスト。TVECとも言う)にささげ、やれ低いやれ高いでタコ殴りにされて来た程度の音楽経験でも、エ母音で下がってア母音で上ずるような人間は歌手なんて辞めちまえと思っています。
音大の人くらい極めればもう気にならなくなるのかしら?

なお、下手くそ歌唱についてはメンターが善意で見せてくれた動画なのに、途中で止めて閉じてもらう程度に受け付けられません。
善意を無にするくそやろうくらた。

閑話休題。
こんなことをストレスに感じていては、到底、あの組織ではやっていけないのはわかっている。

何回、袋小路の行き止まりにいる自分を思い知れば気が済むんでしょうね。
とっとと諦めるか転職決めるかすれや、自分。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?