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ハナダチサトー生きる

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記事一覧

【現代詩】界面コスモ

あまりに雨つぶ多すぎて
野ざらしバケツ溢れてく

ひっくり返し置いとけば
きっとみんな思うだろう

僕は変わっていますので
そのまま水を張ってたい

ふちのギリギリ膨らんで
丸みを通して見える世界

余りに馬鹿げた綺麗さは
変わり者しか知らなくて

歪んで見えるリアリティ
ひねくれ者しか解らない

理解を超えたその向こう
僕はそっちを生きてます

【現代詩】去るうさぎ

うさぎはかけて
孤独な季節はおわってく

いない
いない
だれもいない

からっぽの部屋に
エアコンの温もりだけ

寂しいとしぬなんて
そんなにか弱いわけもなく

甘くて苦いソレ
口にくわえて生きていく

明け方、緋色に染まれ

明け方、緋色に染まれ

朝焼けなんて映りはしない
彩度の低いこの部屋で

代わりに染まれ
お前が染まれ

血管切り裂き
◯んでまえ

血液激らせ
生きてみろ

新しい日に過ぎ去る日に
悲劇を嘆くくらいなら

緋色に染まれ
お前が染まれ

朝日は昇った
お前はどうする

絹に溺れる

絹に溺れる

死にたいぼく一人
白昼に素肌を曝しては
滑らかな絹に身を潜める

目を閉じれば
自分の形すら見失うぼく
絹の中に溶け込んで

病む時愛し合う時
包み込んでた温もりを
思い巡らせ一人生きる

肌を。
肌を。
絹で。
絹で。

息ができぬくらい
さざ波のなか

【現代詩】死神

【現代詩】死神

手段はスーパーに陳列され
機会は散歩中にも訪れる

死はこんなにも易しくて
死はこんなにも優しくて

あえて選ばず生きる僕らを
白線の先から見つめてる

手段はスーパーに陳列され
機会は散歩中にも訪れる

それなのに

死はこんなにも難しく
死はこんなにも厳しくて

いつの日か渇望する僕らに
白線の向こうで微笑んでる

白線を越すには足りない勇気で
僕らは今日を生きる

【現代詩】後悔

【現代詩】後悔

或る男の航海日誌
彼は語る後悔はなかったと

決して穏やかな海ではなかった
自分で航路を決めたつもりが
もしかしたら航海ですらなく
漂流だったのかもしれない

だけども彼は後悔がない
彼なりの終着地点で気づいたのだ
美しいサンゴもそびえ立つ氷山も
全てを見ることが航海の目的だと

ーこれを読む君の人生すべてに
意味があらんことをー

【散文】問う、自分とはなにか

【散文】問う、自分とはなにか

太古でも江戸でも昭和でもなく
今に生まれ今を生き

義務教育にプラスアルファ学んだこと
活かしもせず生き

人を生かして自分を殺し
崩壊しても絶命を拒んだ

幼い頃悲しみを知った
青春で怒りを覚えた
そして今…
何を感じているのだろう

愛に救われ
愛に泣かされ
愛は常に共にあったが
愛する人ほど遠のいていく

嗚呼苦しい
苦しみで生を感じる
脈打つ痛みで
意識を保つ

自分は死んでなんかいない

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【短歌】交錯してる

【短歌】交錯してる

ひとのため
いきていたいと
わがために
しんじゃいたいが
こうさくしてる

【現代詩】一年分の指きりげんまん

【現代詩】一年分の指きりげんまん

一年間は死なないで
そう言う彼と指きりを
それが昨晩

今すでに死にたい
どう生きてきたか
昨日の涙で
忘れてしまった

約束の終了まで
あと364日
364回の生きるを
重ねよう

340回くらいまで減ったかな