<転職:ホイスコーレの先生から新潟県地域おこし協力隊へ>
2023年9月にデンマークのフォルケ・ホイスコーレの先生から、新潟県地域おこし協力隊になりました。今は協力隊として、高校と地域の魅力化に関わる仕事をしています。
3年前、私は大阪府の高校で英語を教えていました。せっかく合格して掴んだ夢の高校教員、辞めるか辞めないか、当時は毎日心の底から悩んでいました。
そんな当時の自分が聞きたかっただろうな~という質問や、友人によく聞かれる質問に答えていきます!
転職や将来に悩んでいる方、高校と地域の魅力化に関わる仕事に興味がある方、ホイスコーレに興味がある方、新潟県や十日町市や津南町に興味がある方、そんな方にとって、少しでも役に立てば嬉しいです!
大阪出身。教育大学卒業後、大阪で高校英語教師に。海外の社会と教育を学ぶため、スペインへ渡航。日本語教育能力検定(注釈)を取得し、スペインの私立小学校に勤務。その後、デンマークに渡り、ノーフュンスホイスコーレで日本文化教師を務める。帰国後、新潟県の地域おこし協力隊・ニイガタコラボレーターズに着任し、2023年9月、十日町市に移住。
Q1. 転職を決めたきっかけは?
色々ありますが、「人生は3万日しかない。」というDropbox社のCEOであるドリュー・ヒューストン(Drew Houston)のスピーチを見て衝撃を受けたことです。
自分の人生は意外と3万日という数字で数えられるものだと気づき、「やりたいことをやらなくちゃ!」と焦り出しました。
10年カレンダーを部屋に飾って、今後を考えてみたりしたこともあります。
「自分の人生に責任を持てるように」「心が躍る方を選ぶ」ことをキーワードに、仕事を辞めてスペインに行くことや、デンマークから帰国して新潟に移住することに決めました。
Q2. 今、仕事は何をしているの?
新潟県地域おこし協力隊として、一般社団法人にいがた圏に所属。探究・キャリア教育コーディネーターをしています。担当の越後妻有エリア(十日町市と津南町)の高校5校と、地域を結んで魅力化するために活動中。
具体的には、総合的な探究の時間の計画・運営サポートや、必要な人材のコーディネートをしています!
Q3. 何で、新潟?十日町市?
第一に、面白い仕事があったから!
第二に、自然豊かな環境に魅かれたから。
第三に、組織として動ける体制やサポートがあるから。
生活で本当に必要な物って田舎にもある。自分的に不必要なものに囲まれた都会は遊びに行く場所で良いかなと。
美味しいお米と雪があって、美しい山がある新潟県。十日町市で、やりたい仕事をして人間らしい生活をしてみたいな〜と思い、知り合いは一人もいませんでしたが、移住を決めました!
大阪とお米の格が違う!温泉もあるし、綺麗な星空を見るたびに移住してよかったな~と思います。(雪ほりの日は、なぜ新潟を選んだんだ、、と思ったりもしますが。笑)
Q4. どうやってその仕事を見つけたの?
実は2年前まで教師としてではなくて、学校と地域に関わる仕事があるなんて想像もしていませんでした。
デンマークで、神山町で学校と地域に関わる仕事をされていた方の話を聞いて、学校と地域を結ぶ仕事の存在を知りました。
帰国して将来を考えていた時、学校×地域でネットを検索していたら、この仕事がヒット!そこから応募して今に至ります!
Q5. 仕事楽しい?
楽しい&興味深いです。各学校の「総合的な探究の時間」の内容を充実させるのはもちろん、探究学習を通して地域と関わるきっかけを作る。
正解がなくて、学校によって様々な現状がある。学校の先生や地域の方、生徒さんと関わりながら進めていけるところが面白いですね!
Q6. 高校教師を辞めて、後悔はない?
ファーストキャリアは高校教師。
3年前の私は仕事を辞めることが怖かったです。
教員をしている友達の生徒の話を聞いたり、生徒が卒業した話を聞くと、「あ~~~私も生徒と話したい。」「今何をしているのかな~?」とか思うし、日々成長を見られるのって、正直すごく羨ましく思うこともあります。
後は、金銭面と安定面も。
高校教員の給料は悪くないし、年金とか産休とか保障も手厚い。安定しているし、好きな仕事だし、あまりお金を気にすることなく教育のことだけ考えていられたのかな〜と思うこともあります。
ただ、自分が心踊る道を選んで進んできたことに、後悔はないです!
Q7. フォルケ・ホイスコーレはどんな場所だった?
フォルケ・ホイスコーレは、北欧デンマークの教育機関。17.5歳以上なら誰でも入れて、成績もテストもなく、生徒は寮で集団生活をします。
学校によって教科も違うし、そこにいる生徒や先生、によって全然違う場所になるフォルケ・ホイスコーレ。
行ってみないとわからない、自分の興味を見つけるための「人生の学校」と言われることもあります。
私がフォルケ・ホイスコーレで印象的だったのは、対話。
自分が思っていることを話す。話すことで相手を理解しようとする。私がいたノーフュンス・ホイスコーレは生徒が60人いて、ずっと同じメンバーで半年間暮らすのって意外と大変でした。
もめ事や問題があれば、対話を通して解決する。一緒に生活するこそ避けられない問題があったりします。
フォルケ・ホイスコーレは、自分の感じていることを外に出す、そしてしっかり向き合って対話することを学べる場所でした。
Q8. フォルケ・ホイスコーレの先生はどうだった?
目から鱗の連続でした!
先生と生徒の関係性が、本当にフラット。名前で呼び合うし、授業の内容も生徒に合わせて進める。対話を通して学校が回っています。
授業計画を作るために、他の先生にアドバイスをもらいに行った時。
「生徒と対話しながら決めたら良いんだよ。知識が重要なのではなくて、どうやって心から安心できる場を作り、その場にいる生徒の心が踊る時間にできるかが大事なんだよ。内容じゃなくて場作りが大事」と教えてもらったことが印象的です。
そして、私は「一緒に楽しむ!」をキーワードに、日本食を学んで作ったり、お茶会をしたり、宗教観を話したり、ファッションに関して調べたり、歌を歌ったりしました。
「CHIEはいつも元気で、こっちも元気になる!」と言われるほど、私が一番ワクワクしながら授業に行っていたかもしれません。
フラットな関係だからこそ、「友達ではなく尊敬される存在であれるように、人間性で勝負しないといけない。フォルケ・ホイスコーレの先生は知識も必要だけど、人間性が大切なんだ。」と学びました。
フォルケ・ホイスコーレでは大阪で高校教師をしていた時とは全く違う感覚で授業を作り、生徒と関わっていました。
転職して今思うこと
日本の高校、スペインの小学校、ホイスコーレで先生をしてみて、教育って多様で先生のあり方も多様だと実感できたし、教員を辞めて転職してよかったと思います。
でも、また高校教師をしてみたいとも思いますし、違う仕事をしてみたいとも思います。人生100年時代。
自分の興味を探究しながら、転職して生きてもいいんじゃないかな~と。
私は高校と地域と繋がれる仕事として、新潟県地域おこし協力隊を選びました。
「将来を生きていくために、教育って、学校って?」を、自分のためにも、新潟県の教育のためにも、探究していきたいです!
お知らせ
業務外にはなるのですが、アウトドアで新潟の魅力発信をしている長島さんとコラボして、3月2日(土)に「焚火de 探究ヒュッゲ」イベントを行います。
ヒュッゲ(Hygge)とは、幸福度が高いデンマークで大切にされている価値観で、「居心地がいい空間や時間」のことです。
松之山温泉スキー場で焚火を作ってヒュッゲを体感しながら、自己探究をしてみませんか?
詳細&申し込みはこちらから!
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