吉祥寺でもっきゅもきゅチーズのピザランチ

ー 昼下がりの店内をひとりじめ ー　

ここに行ったのはずいぶんと前の話だ。

一年の中で一番寒かった頃だったかな。

（いつ？）

ここのこれを食べたい！！と思って家を飛び出し、電車に乗って、乗り換えて、吉祥寺駅についてからも他のお店には目もくれず、一直線にお店に入って行った。

その名もトニーズピザ

トニーズピザ (吉祥寺/ピザ)

お店に着いた頃には午後2時を回っていた。

お客さんはカップルが1組とおひとりの女性が2人だけ。

おひとり濃度をガンガンに上げていくために投入された感じの私。

大きいテーブルの4人がけの席に案内された。

（前に友達と3人で来たときもこの席だったなあ。しみじみ。）

メニューをいただいて悩むふりをするけど、私の心はもうとっくに決まっていた。

おひやを持って来ていただいたタイミングで注文する。

「フレッシュトマトピザ１つで。」と。

そこから20分くらい経っただろうか。

頼んでいたことを忘れた頃にやって来た。

くうう〜わあ〜〜

（これ見て「足りなくない？」って思ってる人がいたら「まあ食べてごらんなさい」って言いましょう。）

好きなフードエッセイスト・平野紗季子さんが「ピザは鮮度の食べ物」って言っていた。

ゴクリ。

私はちょちょいのちょいっと写真を撮ったら急いでナイフとフォークを握りしめた。

小さく切った一切れを口に運ぼうとするも、チーズが伸びて大変。

ばくっと口に入れた瞬間、トマトのトマトが口いっぱいに広がった。

（漢の中の漢みたいな）

そして噛むと前代未聞の食感がそこにはあった。

「もきゅっ、もきゅっ、もきゅっ」

チーズが、踊っている、、？

永遠に続くもきゅもきゅとの攻防。

もきゅ

もきゅ

チーズっていつまで噛んでればいいんだ？

顎が疲れてきたところで飲み込む。

もはや生地そっちのけ、トッピングそっちのけで、チーズのためにあるといわんばかりのピザが口の中でうま味を爆発させていた。

トッピングといってもフレッシュトマトしかないんだけど。

そのトマトもフレッシュという冠がついている通り、生！！って感じがすごくて、みずみずしさと程よい酸味がこれほどまでにチーズのすごいピザを食べている私にヘルシーさすら感じさせる。

生野菜のトマトが嫌いな人は多分嫌いだと思う。

飾りかって感じの粗挽きブラックペッパーはつま先のところにしかついていなくて、でもそれがたまにピリッとくるのもいい。

半分くらい食べていたところで、3時になった。

お客さんはすでに私しかいなくて、オーダーもない。

ピザのオーブンのところでずっとピザを焼いていた店主のおじいさんがカウンター席に腰をおろした。

ホール担当のお母さんも一緒に座って一休みしている。

そして世間話が始まった。

なんかおじいちゃんおばあちゃんちの日常に透明人間として入り込んでいる気分。

居心地がいいんだか悪いんだかよくわからない。

店内を見回すと、目の前にガラス張りの冷蔵ケースがあった。

中にはでっぷりとしたトマトが一個一個小学生みたいに前ならえをして整列している。

並大抵の八百屋には売ってないレベルの大きさ。

今私が食べてるやつ、あれだったのかな。

・・・

お会計をすませると、「ハッピーニューイヤー！」といってハートの手作りっぽい棒付きキャンディーをいただいた。

（このお店、前に3月3日に来たときは「ひな祭りなので」といって同じキャンディーをくれた。かわいい。）

ごちそうさまといってお店を出るとき、ちらっと店主のおじいさんが座っていた方を見たけどおじいさんはお昼寝中だった。

おじいさんのお昼寝タイム確保のためにも、今度はもう少しちゃんとしたランチタイムに行こうと思った。

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