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エドガー・アラン・ポー作「ライジーア」後編 (翻訳習作)
ポーの代表的短編の一つ「ライジーア」の翻訳の後編です。
前編はこちら。
既に先人たちの素晴らしい翻訳が存在する作品なので、こうして習作を公開することにはためらいもあるのですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
イメージ画は、自動画像生成AI「お絵かきばりぐっどくん」(StableDiffusion)に描いてもらったものをトリミングして使用しています。
こうして妻は死んだ。悲嘆に暮れてそのなき
短歌 2024年4月
「もっともっと、注目されたい」? さてはあなた、インプレゾンビに噛まれましたね?
言語野が熱暴走する朝三時わたしを責める過去の残像
シーグラスが無害な丸みを帯びるまでに傷つけてきた魚らのこと
週五回鉄路の上を往復し溶けていく我バターのごとく
保湿すべきパーツが年々増えていく爪もかかとも心の襞も
花筏浮かべたシャツの水面を銀の舳先でアイロンはゆく
単語で短歌・フリー素材で短歌
単語で短
短歌 2024年3月
春まだき水道水の冷たさがわたしの指に桜を咲かす
川面から電車を街を橋を見て知らない人と手を振りあった
クッションを抱いて休憩する君に「小椅子の聖母」がダブって見える
置き配は現代の魔法ひょっとしてそこの陰には笠地蔵さま
幸せな気分にも後ろ髪はない逃げないように抱きしめるんだ
何年もともに過ごした同僚らお菓子に化けてデスクに集う
この種族に今日もまた擬態する「族」と「旅」とを書き間違えつ
短歌 2024年1月
数の子をかじるこの口「別にまぁ子供はいいや」と言ったこの口
シンデレラ連休はもう終わりだよ夜七時からはご飯の支度
ペンギンの頭を毎日殴ってる涙じゃなくてエタノールが出る
ぐるぐると回る思考の足跡が踏みならしてくグレーの迷路
ていねいな暮らし早起きした日には彼の遺骨でお茶を点てます
形容詞の結晶白く降り積もり私を隠すあなたの目から
東京に向かう男と去る女デュエットしてる「ドア閉まります」
短歌 2023年12月
ふわふわと仮設廊下を渡りつつ私は「外国人」になりゆく
旅人に大雨降らすこの空は「泣き顔も見て」と言ってるようで
重くってぬくい湯たんぽ胸に抱きオーストラリアの野原を跳ねたい
自動車の流れる川の両岸でみな「通りゃんせ」の開演を待つ
日めくりも残り少なくなりにけりシュトーレンもあと三センチだけ
今日はどこもチキンばっかり売っているポークとビーフの身代わりとして
短歌 2023年11月
この前まであんなに一緒だったのに軽薄なキミまた夏に会おう
3枚のパネルを揃えて消すときに冷静なままの自分が怖い
太陽の光を浴びて生きた日々閾値を超えて君達を殺す
蹴飛ばした毛布を自分で直すときわたしはわたしの母親である
君の手は詩文の上をてくてくと歩いていくよ弱強格で
抜け落ちた羽根は勝手に舞っていく鳥自身とは別の空へと
短歌 2023年9月
二割引きスイカの赤が夕焼けを引き止めている九月の十日
真夜中に目を覚ましてもスマホの画面見るまで時刻は確定しない
(実家にて)
高校のクラスTシャツ着て寝るが背中の奴らは夢でも会わない
丸三日寝ぼけた頭を出迎える悪魔の数の迷惑メール
サラリーマン電車の座席で四股を踏み上司を投げに出勤するのか
ダイヤモンド空から降って傘のうえバチを叩いて水鏡になる
あの夏に出会い別れた黒猫の幻と行く落ち
短歌 2023年8月
僕たちがコップの麦茶を飲む横で水吸い上げる花瓶のひまわり
大雨に閉じ込められた食人鬼骨髄みたいなTOPPOをかじる
0と1の仮面を被った役者たち今日も電子の舞台を歩む
全国の「行きたくない」を集めたら東京ドーム何個分
夏色は白でもブルーでもなくて冷蔵庫にある麦茶の色だ
(検査)
数滴の唾液が薬と混ざり合い落下していく地獄の穴へ
人類は皆兄弟であるそうで コロナ兄弟と闘っている
液晶に
短歌 2023年7月
化粧水の瓶の封切り日付書くそういえば今日はあの人の
オペラ座の桟敷みたいな教室ではぐれた消しゴム忘れられずに
「さえぎらない」会話のルールを踏みにじり入力していく追跡番号
(喫茶店にて)
かたわらの少女には知れぬようにして少年はペイの残高を見る
(#さよならTwitterの短歌)
青い鳥のちいさな翼で旅をした過去へ未来へ異世界までも
七年後君たちの子に会うまでに私も殻を破っておこう