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短歌まとめ

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これまで作った短歌をまとめていきます。基本は月一本のまとめ記事。時には連作も。
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記事一覧

短歌 2024年6月

404 not found お探しの未来は抹消されたようです 喪服セット肩にかついだ帰り道まばたきごと…

短歌 2024年5月

「推し」のこと「押し」と書いちゃうお母さんに押し付けにいく赤い花束 ばあちゃんの茶碗にぽ…

短歌 2024年4月

「もっともっと、注目されたい」? さてはあなた、インプレゾンビに噛まれましたね? 言語野…

短歌 2024年3月

春まだき水道水の冷たさがわたしの指に桜を咲かす 川面から電車を街を橋を見て知らない人と手…

【連作短歌】県立高校

地元一の進学校で読まされる「鶏口牛後」は釈迦に説法 何者か分からずめまい覚えつつどんな顔…

短歌 2024年2月

僕たちもまっしろなまま降ってきて汚されるために生きているんだ 君みたいに腕を組むひと東京…

短歌 2024年1月

数の子をかじるこの口「別にまぁ子供はいいや」と言ったこの口 シンデレラ連休はもう終わりだよ夜七時からはご飯の支度 ペンギンの頭を毎日殴ってる涙じゃなくてエタノールが出る ぐるぐると回る思考の足跡が踏みならしてくグレーの迷路 ていねいな暮らし早起きした日には彼の遺骨でお茶を点てます 形容詞の結晶白く降り積もり私を隠すあなたの目から 東京に向かう男と去る女デュエットしてる「ドア閉まります」

短歌 2023年12月

ふわふわと仮設廊下を渡りつつ私は「外国人」になりゆく 旅人に大雨降らすこの空は「泣き顔も…

短歌 2023年11月

この前まであんなに一緒だったのに軽薄なキミまた夏に会おう 3枚のパネルを揃えて消すときに…

短歌 2023年10月

フィクションの過剰摂取で人は死ぬけれど私には生命線で ありがとう私の代わりに擦り切れてく…

短歌 2023年9月

二割引きスイカの赤が夕焼けを引き止めている九月の十日 真夜中に目を覚ましてもスマホの画面…

短歌 2023年8月

僕たちがコップの麦茶を飲む横で水吸い上げる花瓶のひまわり 大雨に閉じ込められた食人鬼骨髄…

短歌 2023年7月

化粧水の瓶の封切り日付書くそういえば今日はあの人の オペラ座の桟敷みたいな教室ではぐれた…

短歌 2023年6月

キャンバスの上に描かれた船の帆は二重写しのキャンバスである 額縁の中の裸婦たち見つめおり(どうしてあなたは触れてくれない) この両目は何百通りかの一つ当てはめられてツーウィーク 薄れゆく黄金の記憶探しつつ遡上していくLINEの川を 沖縄戦の映画の翌朝に乗ったしみ一つない満員電車 この雲を心に貯蔵できたらいい雨降る夜も膨らめ綿菓子 どの旅も最後にはこのドアに着く全ての道は一筆書きだ