作業療法士が伝える!片麻痺の方が着やすい「服選び」のポイント
こんにちは!carewillの作業療法士ハルです。
片麻痺になってから、皆さんは「服選び」どうしていますか?
”脱ぎ着しやすい服ばかり選んでいる”
”着替える時に肩が痛い”
”着替えに時間がかかる”…
そういった経験はありませんか?
今回は「服選び」を工夫することで、着替えを楽にする方法をお伝えします。後半では、実際に購入できる服もご紹介していきます!
片麻痺の方が着やすい服ってどんな服?
片麻痺の方におすすめの服の特徴は以下の通りです。
・伸縮性のある服
・前開きの服
・留め具がつけ外ししやすい服
・手入れがしやすい服
さっそく具体的にみていきましょう。
・伸縮性のある服
伸縮性のある服は、非麻痺側の腕を袖に通したり、頭を通す際に伸びてくれるため、着やすくなります。“ストレッチ”や、“ポリウレタン〇%” と表記のある服を探してみてください。
伸縮性の低いタイトな服は、身体の動きが制限されるため動きづらく、服を引き上げる際にひっぱる力も必要になるため着づらくなります。
・前開きの服
前開きの服は、視界が塞がれることなく着られるため、安全に着られます。また、最初に麻痺側の手を入れやすいという利点があります。
かぶり物の服は、一見ボタンの留め外しもなく早く着られそうですが、背中側の生地がひっかかったり、頭を通す際に一時的に視界が塞がれるためバランスを崩してしまうことも。また麻痺側の肩を大きく動かさなければならないため、肩に痛みがある方は避けた方が良いでしょう。
・留め具がつけ外ししやすい服
前開きの服で注意したいのはボタンやファスナーといった留め具です。ボタンが大きめのものや、マグネットホックと呼ばれる磁石タイプのボタン、面ファスナーなど、つけ外しが楽な留め具を選んでみてください。
Yシャツのボタンの大きさになると、ボタンホールも小さくなり、片手では留めづらくなります。
留め具がファスナーの場合は、”自助具”と呼ばれる道具を使用する方法もあります。ファスナーで時間がかかるのは、左右のファスナーを連結する”下止”と呼ばれるパーツ部分。この作業に自助具を使うことで、時間が短縮できますよ!
・手入れがしやすい服
意外と忘れがちなのが、手入れのしやすさです。表示ラベルを見て、以下の点をチェックしましょう。
・家の洗濯機で洗えるか
・洗濯ネットに入れる必要があるか
・しわがつきにくいか
洗濯ネットに入れる場合、最近は”巾着タイプ”や”ファスナーがないタイプ”が販売されています。ファスナータイプの洗濯ネットは開け閉めが大変なので、洗濯ネット自体を変えてしまうのもいいでしょう。
しわがつきにくい加工は、アイロンがけの手間を減らします。服の表記ラベルに、”ポリエステル” ”ナイロン” ”ウール”等の表記があるか見てみましょう。しわをつきにくくする柔軟剤を使用するのもひとつの手段です。
着やすい服はどこで買える?
ここからは、実際に店舗やネット通販で販売されている服を例に挙げて、片麻痺の方が着やすい服をご紹介したいと思います。
・前開きの肌着を探している
前開きの肌着は「GUNZE」の愛情らくらくシリーズや、「WACOAL」のらくラクパートナーといった大手下着メーカーからも販売されています。
最近では「UNIQLO」でも前開き肌着の販売が始まりました。留め具が面ファスナーやボタンになっています。ネット通販でも多く取り揃えられているので、「肌着 前開き」と検索してみると良いでしょう。
・デザイン性にもこだわりたい
デザイン性にもこだわりたいという方には、理学療法士の発想を取り入れた着やすさとファッション性を兼ね備えた「OHK」というレディース服の通販サイトがおすすめです。インドの天然コットンを使用し、デザイン性だけでなく着心地にも配慮されています。
仕事にも着ていけるような、ジャケットなどのかっちりめの服を着たい方には、「SOLIT!」というブランドがおすすめ。こちらは、袖や丈の長さから、留め具の種類まで、自分の好きなようにカスタマイズできます。見た目はかっちりとしていますが、柔らかい生地で着心地もとても良いですよ。
・メンズ服を探している
意外と見つからないのが、メンズ服。「maruka」のONESELFはボタンが面ファスナーになっていたり、袖口や第3ボタン部分の色を変えるなど、視覚的にも着やすい工夫がなされており、おすすめです。
「ハナサンテラス」は、メンズ服の種類が比較的多く、ボタンが面ファスナーになっていたり、伸縮性のある素材が使用されています。シャツのようなかっちりした服装より、ゆったりした服装がお好みの方におすすめです。
・肩に痛みがある
肩に痛みがある、けれども三角巾やアームスリング(アームホルダー)をつけるには大げさという方には、「carewill」のアームスリングケープがおすすめです。こちらは、三角巾とケープが一体化したもので、三角巾と同様の固定性を保ちつつ、お出かけ時にも人目を気にせずに着ることができます。
一人ではつけられない三角巾ですが、このアームスリングケープは一人でも簡単に脱ぎ着ができることが特徴です。
また保温効果もあり、肩回りを冷やしません。お手入れも簡単で、洗濯ネットにいれて自宅で洗え、アイロンも必要ありません。
色はグレーとネイビーの2色。お手持ちの服とも合わせやすい色味になっていますよ。
自分が好きな服を着て出かけよう!
今回は片麻痺の方が着やすい服の選び方について紹介しました。「服選び」のポイントを表にまとめると、次のようになります。
最後に忘れてほしくないのは、”自分の好きな服か”という視点です。
着やすい服を選ぶことも、楽に着替えるためには必要なこと。しかし、“誰かに会いたいな” “どこかに出かけたいな”、そんな気持ちを引き出してくれるような、自分が「好き!」と思える服をぜひ探してみてください。
carewillは、あなたの”自分らしくありたい”気持ちに寄り添います。
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