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静馬
2021年1月28日 11:40
それは静かな朝だった空も地面もしんとして生きたもののざわめきもなく景色は写真のように色褪せてふと立ち止まって耳を澄まさずにはいられない頬にあたる風に目を開けながらつぶやいた今日のことをずっと前から知っていた気がするくりかえし時間をめぐりいつもこの日からはじめたこと覚えているけどわからないわからないことばかりなのに悲しいくらいわかる大事な何かを忘れている
2021年1月17日 11:53
この世界のどこかに眠る私の前世の骨湿った冷たい土をかきわけて古びた骨と遠い記憶を掘り起こしたらあなたを赦すと伝えようあなたはわたしわたしはあなたを赦しますねえあなたが探していたものはどこにもなかったよ私も探したからわかる求めているものはどこにもないとだけどなにひとつ後悔できないそれは今が幸せだからだから旅に出ようよあなたの破片を集めて背負うから
2021年1月4日 12:19
じっと植物を見つめて思ったどんなに夏の陽射しに強く冬の風に強い草木でもずっと陽射しや風にさらされて平気ってわけじゃないんだろうな子どものころに育んだ花弱い花と強い花やがて荒れ果てた鉢の残骸たくましく咲く姿に枯れようがないと思っていた片一方の花のぬけがらわたしはそれと似たようなことをだれかにしたことがあっただろうか考えて 考えて自分の弱さを思った未熟だ
2021年1月8日 11:59
ありのままに生きるということは、世間に背を向けることだと心のどこかで思ってた。でもいくらなんでもそれはない。礼節さえ大切にしていれば今はそんなに冷たい世間でもないはずだ。「アナと雪の女王2」を観たあとからずっと考えてる。前作「アナと雪の女王」は、姉妹の絆を取り戻したという点ではたしかにハッピーエンドだったんだろうけど、私がエルサだったらあの物語の中で起こった出来事はかなり大きなトラウマになるだ
2021年1月11日 19:27
ほんとうはこのごろずっと無理してたんだ自分の心が見えすぎて人の心を読み間違えて言葉はひとつひとつ失われそうじゃないんだと言えないまま目の前で起こる誤作動を黙って見ていたなにも言われてないのに耐えられなくなってたんだだれとも言葉が通じなくなってたんだずっと無理してたんだほんとうはこのごろ腕のなかで眠る白猫たんぽぽみたいな耳の後ろに蓄積された秘密の告白日に
2021年1月14日 11:30
あなたの身体から力が抜けるのを見たそのときわたしは人が死ぬ瞬間を見た日のことをぼんやり思い出していたそんなにも気を張ってわたしの目に映るあいだあなたはあなたでいてくれた寒い寒い水曜日の朝雲がやたら多く浮かんだ日扉がついにからからと閉まった永久に 永遠に 未来永劫二度とわたしが開けることのできない扉がからからと乾いた音を立てて閉まった扉の前に立つあなたの姿勢の美
2021年1月2日 11:52
18歳の頃、神社に勤めていた。年末だけのアルバイトのつもりが、当時私が高校を中退して半分ニートだったこともあってか、そのまま続けていいと宮司さんが言ってくださって、結局そこから一年近くお世話になった。出勤したらまず巫女装束か作務衣に着替えて竹箒で境内を掃除する。そのあとほかの巫女仲間や神職の方とお茶をして、御守りを作ったり、御札所で参拝客の対応をしたり、御祈禱に参加したり、事務仕事をしたりして