その花のために


じっと植物を見つめて思った

どんなに夏の陽射しに強く
冬の風に強い草木でも

ずっと陽射しや風にさらされて
平気ってわけじゃないんだろうな


子どものころに育んだ花
弱い花と強い花

やがて荒れ果てた鉢の残骸

たくましく咲く姿に
枯れようがないと思っていた
片一方の花のぬけがら


わたしはそれと似たようなことを
だれかにしたことがあっただろうか


考えて 考えて

自分の弱さを思った


未熟だったわたし


もう一度その花と出会い
名前を教えあい
日々を育む資格を
この手のなかに咲かせるとき

自分を捨てて
その花のために
この身のすべてを生かしたい


その花のために

きみのために







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