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【ホビ月】感想マガジン

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【ホビ月】まとめ。 あとは様々な感想を書いたり書かなかったり。
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記事一覧

【ホビ月】2022年8月号

【ホビ月】2022年8月号

書籍有栖川有栖『双頭の悪魔』

2022年8月2日読了

前作『孤島パズル』を、前々作『月光ゲーム Yの悲劇’88』を読んでいるとなお面白く読めると思うので、そちらを読んでいなかったら読んでほしい。
芸術家たちが共同生活を送る木更村に、心に傷を負い色々な思いを抱きながら留まっているマリアの心情と、その大切な仲間に戻ってきてほしい大学推理研の3人、そしてアリスが持つ彼女への思いが発露しながら複雑に絡

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お読書のコーナー⑧ ─『とらすの子』

お読書のコーナー⑧ ─『とらすの子』

さて、今回紹介するのは、この時期にピッタリなホラー小説。
芦花公園『とらすの子』だ。

芦花公園はWebサイト「カクヨム」に投稿していた作品をベースにした『ほねがらみ』(2021年)で幻冬舎よりデビュー、その後は新進気鋭のホラー作家として角川ホラー文庫より『異端の祝祭』(2021年)『漆黒の慕情』(2022年2月)の2作品を発表されている。

いま最も注目すべき作家のうちのひとりだと個人的には思っ

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【ホビ月】2022年7月号

【ホビ月】2022年7月号

書籍東野圭吾『探偵ガリレオ』

2022年6月2日 読了

東野圭吾『容疑者Xの献身』

2022年6月4日 読了

「ガリレオ」シリーズ、実は読んだことがなかったので初読。
『探偵ガリレオ』のほうは科学とミステリの融合といった感じで、脳内では福山雅治が事件を快刀乱麻の推理で解決していった。(こちらは化け学がメインで、S&Mシリーズは科学のほうがメインだと思うのだが)森博嗣よりは初見かつ小説に親し

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お読書のコーナー⑦ ─『コズミック』・『ジョーカー』

お読書のコーナー⑦ ─『コズミック』・『ジョーカー』

さて、今回紹介するのは清涼院流水『コズミック』・『ジョーカー』です。

清涼院流水は1996年に応募した『1200年密室伝説』で第2回メフィスト賞を受賞。同年9月、講談社ノベルズから出版される際『コズミック 世紀末探偵神話』と改題され刊行されることになりました。

2000年の文庫化に伴い、さらに『コズミック 流/水』と改題・分冊されます。もう中古でしか売ってないみたいなので、実店舗で探すのはなか

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【ホビ月】2022年5月号

【ホビ月】2022年5月号

書籍綾辻行人『時計館の殺人』

2022年5月3日

新装改訂版にしたら、上下巻になったらしい。
いや、すごかった。綾辻作品でも群を抜いた読後感。特に『人形館の殺人』とはまったく相反する、正当な読後感とでも言えるかな。何を言ってもネタバレになりそうだけど、とにかく前代未聞のトリックとそれを思いつく著者の思考が物凄いな…と。

住吉九『ハイパーインフレーション』4巻

2022年5月4日

来るべき

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【ホビ月】2022年4月号

【ホビ月】2022年4月号

細野晴臣『Omni Sight Seeing』

2022年4月8日

砂原良徳による最新リマスタリングされた名盤。
音像がきれいに見えるようになっている(気がする)。

「Laugh-Gas」は何回聴いてもいいなあ。89年の楽曲とは思えない。

三津田信三『黒面の狐』

読了:2022年4月10日

好きな小説家のひとり、三津田信三の「物理波矢多(もとろいはやた)シリーズ」1作目。

ホラーミス

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お読書のコーナー⑤ ─『鴉』

お読書のコーナー⑤ ─『鴉』

 今回は、とんでもねえモノを読んでしまった…という読後感の作品です。

 さて、今回紹介するのは麻耶雄嵩『鴉』です。
 「からす」…って読めるよね?普通にね?

 1997年の作品で、「'98 本格ミステリベストテン」に選出された本作、裏表紙のあらすじには【神話的最高傑作!】と踊る文字。

 ネットの「〇〇ミステリ特集(丸部分は伏せておきます)」みたいなページで紹介されていて、いくつか惹かれる点が

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お読書のコーナー④ ─『魍魎の匣』

前回からだいぶ間が空いてしまいました。まあ、そんなことは気にもせずに本を紹介していきましょう。

 さて、今回紹介するのは京極夏彦『魍魎の匣』です。
 読み方は『もうりょうのはこ』。

 日本の本格ミステリ界きっての大物、京極夏彦大先生にいよいよ挑戦。
 と言いつつ、前作でありデビュー作『姑獲鳥の夏』も読んだのだが、感想を書くのをすっかり失念してしまった。

 著者の作品における最大の特長は「妖怪

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お読書のコーナー③ ─『鏡の中は日曜日』

お読書のコーナー③ ─『鏡の中は日曜日』

リアルタイムで読んだものは書いていかないとね。
やっぱ。魚と肉とゴシップとワクチンと本を読み終わったときの感想は鮮度が命っていうから。

さて、今回紹介するのは、殊能将之『鏡の中は日曜日』です。

著者名は「しゅのうまさゆき」と読みます。
2013年に亡くなられているんですね。しかも49歳…

この人の作品で最も有名なのが『ハサミ男』でしょうか。映像化もされているみたいですね(観たことはありません

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お読書のコーナー② ─『PEACE MAKER』

男性の99%は銃が好きだという(自分リサーチ調べ)。

そんな男性諸君、特に西部開拓時代を愛してやまない僕のような人たちにぜひとも一読いただきたいマンガを今回は紹介します。

皆川亮二『PEACE MAKER』です。
皆川亮二さんの過去作としては『ARMS』や『スプリガン』が挙げられます。最近は『海王ダンテ』というマンガを連載されており、こちらもめ~~~っちゃくちゃ面白いです。
僕が特に好きなのは

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お読書のコーナー① ─『厭魅の如き憑くもの』

さて、今回紹介するのは三津田信三『厭魅の如き憑くもの』です。
著者名は「みつだ しんぞう」、
作品名は『まじもののごときつくもの』と読みます。

表紙を見ていただければ分かると思うけど、ホラー要素があります。でもホラー要素もりもりのくそ怖い「だけ」の尻切れしょうもな小説じゃなくて、ミステリ要素が絡んできます。
「ホラーとミステリの融合」という触れ込みで名を轟かせている著者様ですが、それに土着的な要

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