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1.5枚目のアルバム「BGM」


YMOは「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」を出した後、ライブアルバム「パブリック・プレッシャー」、ミニアルバム「増殖」を経て、5枚目のアルバム(イエロー・マジック・オーケストラUSA盤を入れると6枚目)、というか、実質的には、「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」の次のフルアルバムとして、「BGM」を発表する。

なんか、みんな、「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」みたいなの期待して、「BGM」を予約しまくった、って話聞いたことがあるよ。

そうなんだ。だけど、「BGM」収録曲は当時としては、超難解な音楽だった。YMOは本当に自分たちが作りたかった音楽を、作ってしまったのだ。

ボクも初め「BGM」を聴いたときは良さがわからなかったよ。

ボクもだ。でも、「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」とならぶ名作として、今では高い評価を受けている。

2.千のナイフ


実は、YMOの1stアルバムが出る前に、坂本龍一は初のソロアルバム「千のナイフ」を出している。このアルバムに入っている、サウザンド・ナイヴス(千のナイフ)と、エンド・オブ・エイジアはYMOのアルバムにも収録されている。

「BGM」でも、千のナイフ入ってるよね。

まあ、名曲だけに、入れたかったのかなぁ・・・。

あと、YMOの曲の中でも、特に人気の高い、キューという曲がある。これは、細野さんとユキヒロだけで作っちゃったんだ。で、坂本さんには自分のパートがなかった。結局、そのせいか、「BGM」のキューでは、坂本さんは、なんとドラムをたたいているんだ。

坂本龍一さんって、ドラムもたたけたんだね。

3.6枚目のアルバム「テクノデリック」


その次に、YMOは「BGM」よりも更に難解な「テクノデリック」というアルバムを出す。このアルバムは、世界で初めて、サンプラーというものを使った本格的なアルバムとして、音楽史に残る作品だ。

サンプラーね。あとで、ググってみようかな。

坂本さんは、元気をなくしていたんだけど、韓国旅行をして、元気を取り戻したんだ。そのときの旅行にインスパイアされた曲が、「ソウル・ミュージック」だよ。

いわゆる、音楽ジャンルとして「ソウル・ミュージック」のソウル(精神)とソウル(韓国の首都)を、いわば、オヤジギャグ的にひっかけたんだろうね。

実際に、英語の歌詞を訳すと、韓国旅行の話になっているんだ。

4.7枚目のアルバム「浮気な僕ら」


7枚目のアルバム「浮気な僕ら」では、うってかわって、ポップ路線に戻る。

君に胸キュン、が入ってるアルバムだね。

君に胸キュンは、YMOが真面目にオリコン1位を取ろうと思って作った曲なんだけど、皮肉なことに、細野が提供した松田聖子の曲に勝てなくて、2位で終わるんだけどね。


このアルバムのなかで、ボクが特に好きなのが、音楽、って曲なんだ。坂本さんの曲。坂本さんは、YMOのサポートメンバーだった、矢野顕子さんと結婚して、お子さんと家庭を築くわけなんだけど、その家庭の様子が描かれている。たとえば、「きみはピアノに登って」って歌詞ね。

微笑ましいね。

5.9枚目の最後のスタジオ録音アルバム「サーヴィス」


8枚目のアルバムは「浮気な僕らインストゥルメンタル」。YMOだったら、やっぱりインストでしょ?っていうことで、わざわざ作られたアルバムだ。その次に来るのが、9枚目の最後のスタジオ録音アルバム「サーヴィス」だ。

とうとう、YMOの時代も終わるんだね。

この「サーヴィス」の最後の曲の、坂本さんのパースペクティブっていう曲が、ボクはとても好きで。なんか、もの悲しくて、YMOもおわっちゃったなーって、すごく感慨にふけっちゃうんだ。

6.そして、世界のサカモトへ!


10枚目のアルバム「アフター・サーヴィス」は、いわゆる、YMO最後の、「散解ライブ」をまとめたものだ。そして、YMOは、活動をいったんやめる。

あーあ、終わっちゃったか、とうとう・・・。

で、YMOがなくなって、途方に暮れていた坂本龍一さんを救ったのが、あの、映画監督の大島渚さんなんだ。

なんで、大島渚?!

彼は、戦場のメリークリスマス(以下「戦メリ」)という映画で、坂本龍一を起用したんだ。メインテーマの戦メリは、ものすごくみんなの共感を生んだんだ。

戦メリ、今でも聴かれているよね?

うん。実は、あのサビのメインの旋律は、基本的に「四七(ヨナ)抜き音階」というもので、つくられている。これは、ドレミファソラシドでいえば、四度のファと七度のシを抜いた音階なんだ。これで曲を作ると、なぜか日本風になってしまう。たとえば、男はつらいよのメインテーマの曲もこの音階で作られている。

「四七抜き音階」で作られているから、戦メリは、日本人の心を打ったし、海外でも、和風だなーってウケたわけだね?

でもねー、「ちゃららららー・ちゃららららら・ちゃららららー・「ちゃ」ちゃらら」っていうサビのところで、カッコでくくった「ちゃ」のところがなんと、4度なんだ。

おおー!なんかスゴイぞ。

そうなんだ、「四七抜き音階」の中で、こういう4度をあえて使っているところが、坂本龍一の天才たるゆえんなのだと思うんだよね。

それで、この映画がキッカケで、坂本龍一は「世界のサカモト」になっていくんだ。

7.おまけ:ライオット・イン・ラゴス


実は、坂本龍一さんの曲に、ライオット・イン・ラゴスって名曲があるのよ。

それとYMOと、どういう関係が?!

実は、この曲は、YMOのライブで、演奏されたんだ。

へー。じゃあ、YMOの曲みたいなもんじゃん。

でも、坂本龍一は、「コレはボクの曲だ」みたいな想いがずっとあったらしいんだけどもね。

あの曲(=「Riot in Lagos」)は、すごく好きなんですよ、未だにね。奇跡的な出来だと思ってるんです。YMOの理想の音でもあったんですよ。いちばん難しいのは、やっぱりワンコードの曲なんですね。それは3人のテーマでもあった。ワンコードでかっこいい曲が作れたらいいねって。自分が作る前に、そういう見本があったってことで、手っ取り早いってことでね。ワールドツアーの1曲目に持ってきたんです。(細野晴臣)

「Riot in Lagos」の持っている過激さみたいなものを、YMOに吸い取られちゃうのはいやだなっていう(笑)。でも一方で(テクニック的に)あれを生でできるとしたら、YMOぐらいしかいないから。あれを生でやる快感みたいなものはありましたし、細野さんが評価してくれたっていう喜びもあるし、複雑でしたね。(坂本龍一)

SAKAMOTO plays YMO #4
http://tkst1221.jugem.jp/?eid=246

ライオット・イン・ラゴスはどこがスゴイの?

実は、上の細野さんの発言でもわかるとおり、なんと!ワンコードで作られている。実は、あの世界的なテクノミュージシャンのケン・イシイさんも、下のDJMIXアルバムで入れているくらい、すごい曲なのよ。

長いので、聴きたい人だけ聴いて下さい。ケン・イシイのミックスアップ↓


じゃあ、最後に、ライオット・イン・ラゴスを聴いて、シメにしようか。

おう!今日は、スゴく勉強になったよ!!

こちらこそ、最後まで読んでくれてありがとう。ボクも、自分の知識の振り返りができてよかった。じゃあ、聴いて下さい!ライオット・イン・ラゴス!!(おわり)


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