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書き手のつぶやき。

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フリーランスのライター・ディレクターとしての話、教員としての話、子育ての話など、雑多なものいっぱい。
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#家族の物語

じぶんですすむ、という実感。

じぶんですすむ、という実感。

8歳の息子に、新しい自転車を購入した。

幼稚園から使っていた青い自転車は、もうサドルは禿げてハンドルは錆びて、ずいぶん使い倒した風貌をしている。
けれど我が家では、それはそのまま4歳の娘が使う運命にある。

自転車屋で会計をしながら、そばにいる娘に

「今度は自転車の練習してみようねぇ」

と言うと、娘は満面の笑みで

「うん! あのね、ぴんくの、ぷりんせすのじてんしゃがいい!」

と答えた。

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日々の宝物は忘れてもいい。きっと、ずっと、なくならないから。

日々の宝物は忘れてもいい。きっと、ずっと、なくならないから。

3歳の娘は、歩くのが好きだ。

「今日は自転車だよ。乗らない?」

幼稚園の迎えは、雨の日以外は自転車で行く。
こちらとしては乗ってくれた方が早く帰れるのにな、もうすぐお兄ちゃんが帰ってくるから鍵開けに帰らないといけないのにな、などと思ったりするのだが、彼女は決まって、ぷるりと首を振る。

「のあない(のらない)。あうくの(あるくの)」

幼稚園のリュックや体操服が入った手提げなんかも「かごに入れ

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寝る前に、いつもの「なんで?」が出た息子。彼が求める、本当の答え。

寝る前に、いつもの「なんで?」が出た息子。彼が求める、本当の答え。

「ぼくね。さいきん、じかんが、長くかんじるんだ。」

夜、布団の中で、7歳の息子が呟いた。

「なんでかなぁ。なんでなんだろう。」

息子の興味のアンテナは、いつも、なんの前触れもなくいきなり立つ。

一度気になったことは、ずっと気になっているのが目に見えてわかるし、そういう時は人の話も目の前の景色も何も入らない。
先日は「なんで、ぼくは、ぼくなんだろう」ということを、考えていたみたいだ。
かと思

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