#家族の物語
日々の宝物は忘れてもいい。きっと、ずっと、なくならないから。
3歳の娘は、歩くのが好きだ。
「今日は自転車だよ。乗らない?」
幼稚園の迎えは、雨の日以外は自転車で行く。
こちらとしては乗ってくれた方が早く帰れるのにな、もうすぐお兄ちゃんが帰ってくるから鍵開けに帰らないといけないのにな、などと思ったりするのだが、彼女は決まって、ぷるりと首を振る。
「のあない(のらない)。あうくの(あるくの)」
幼稚園のリュックや体操服が入った手提げなんかも「かごに入れ
寝る前に、いつもの「なんで?」が出た息子。彼が求める、本当の答え。
「ぼくね。さいきん、じかんが、長くかんじるんだ。」
夜、布団の中で、7歳の息子が呟いた。
「なんでかなぁ。なんでなんだろう。」
息子の興味のアンテナは、いつも、なんの前触れもなくいきなり立つ。
一度気になったことは、ずっと気になっているのが目に見えてわかるし、そういう時は人の話も目の前の景色も何も入らない。
先日は「なんで、ぼくは、ぼくなんだろう」ということを、考えていたみたいだ。
かと思