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「時を超えて】~始まり~
「誰と話してるんだろう・・。」
仕事終わりの駐車場でそんなことを思った。
まだ、一度も話したことのないあの人に。
誰かと、ガラケーで話しながら笑う横顔。
ガラケーの先の人に嫉妬を覚えた。
不思議な気持ちだった。
「なぜそんなことを思うんだろう、わたし。」
だって、相手は同性なのだから。
「好きだけでは、一緒になれない。」と言って、
最後はキスして、離れたあなたとわたし。
そんなあ
【強さ】~サヨナラの数だけ~
「好きだけでは、一緒になれない・・。」
あなたは、とても切ない顔をした。
その時、わたしは、
「強くなりたい。」と思った。
あなたの幸せを願い、
最後のキスを交わした。
そして、
わたしは、
あなたから離れる、【強さ】をもらった。
【やさしい君へ】~止まった時計~
ありがとう。
15年もいてくれた君が、
突然、いなくなった。
大人になった今でも、
あのチャゲアスの曲を聴くと、
君のことを想いだし、
涙が出てくるよ。
君が別れを言うために、
学生の私が学校から帰ってくるのを、
待っていてくれたよね。
私が帰ってきた途端、
一度深い呼吸をして、
私の腕の中で、
息を引き取ったね・・。
待っていてくれたんだね。
最期のお別れができたよ。
15年間、あり
【また逢えるその日まで】~つながらない電話~
「おかけになった電話番号は現在使われておりません。」
父がいなくなって、【1週間】。
わかっていたけれど、
胸の奥がギュっとなった。
父は、もういない。
けれど、
私はこの先も歩いていく。
父が最期の力で、
握りしめてくれた、
私への想いを胸に、
私は、限りある人生を歩いていきます。
いつかまた逢えるその日まで。
【強く生きる】~最期の手~
父は、もういないけれど。
父の病室へ駆け付けると、
医者が父の心臓マッサージをしていた。
私は、頭が【真っ白】になった・・。
昨日、
仕事終わりのその足で、父のところへ向かった。
帰り際、父がこう言ってきた。
「来てくれて、ありがとね。」と。
そして、私の手を強く握り返してくれた。
信じたくなかったけれど、
とうとう父の元へ、
天国からのお迎えが来てしまった。
父は、わたしに教えて